2013年10月 1日公開

仕事効率を上げるパソコン手帖

【アーカイブ記事】以下の内容は公開日時点のものです。
最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

スマートフォン・タブレットのバックアップで個人データを守ろう

テキスト: 芝田隆広

最近ではスマートフォンやタブレット端末を利用するのが、すっかり当たり前になってきた。特に、スマホの場合、仕事やプライベートの連絡先、メールなどさまざまなデータを入れて持ち歩いている人が多いだろう。そんなスマホの故障や紛失は、電話もかけられない、メールも読めないなどといった事態を招いてしまう。そこで今回は、スマホ・タブレットのデータをバックアップする方法を紹介しよう。

バックアップとは何か?なぜ必要なのか?

「バックアップ」はパソコンの世界ではお馴染みだが、スマホやタブレットをメインにしている人にとってはあまり聞いたことのない言葉かもしれない。「バックアップ」とは、「その機器内に記録されている情報の写しを、ほかの場所に残しておく」ことだ。

パソコンでいえば、Windowsの入っているハードディスクの中身を、別のハードディスクにまるまるコピーして保存しておくといった具合だ。バックアップをとっておけば、元のマシンでうっかりファイルを消してしまった場合や、ディスクが壊れてしまったときでも、データを復旧させることができる。

特に、バックアップをとっておきたいのが、電話帳や仕事の書類などの自分で作成したデータだ。OSやアプリの場合は消えてしまっても、最悪インストールしなおせばいいが、自分でコツコツ作ったデータは、なくなってしまうと取り返しがつかない。そして、スマホやタブレットには、連絡先やメールなどの個人データが山のように入っている。

操作ミス、水没、落下、紛失など、データが読めなくなってしまうトラブルの原因は多種多様だ。「自分は大丈夫」と思っていても、いつトラブルに見舞われないとも限らない。そんな事態に陥らないためにも、普段からスマホやタブレットのバックアップは小まめにとっておいたほうがよい。それでは次に、iPhone/iPad、Androidについて、それぞれのバックアップ方法を紹介していこう。

スマートフォン

スマートフォンではさまざまなデータを扱えていろいろな用途に使えるが、それだけに故障や紛失したときに失うものも大きい。小まめなバックアップを行うことでトラブルを未然に防ごう。

目次へ戻る

iPhone/iPadのバックアップ

iPhoneやiPadのバックアップは、主に2種類の方法がある。一つはパソコンとiPhone/iPadをUSBケーブルで接続し、「iTunes」を使ってパソコンにバックアップをとっておく方法。もう一つが「iCloud」を使って、インターネット上のサーバにバックアップをとる方法だ。

 iTunesiCloud
バックアップの保存先パソコンのディスク内インターネットのサーバー内
自動バックアップ行わない自動実行可能
バックアップされるデータiPhone/iPad内のデータすべて連絡先や写真など一部の重要データのみ
バックアップ容量制限なし無料では5GBまで

iCloudを使う方法は、ケーブルなどを繋がずに済むし、自動バックアップを行ってくれるので手軽だ。その反面、バックアップされる項目が限定されるし、無料では5GBまでしかバックアップが行われない。iCloudでバックアップされるのは、具体的には以下のような項目だ。

  • iTunes Storeを通じて購入した音楽/動画など
  • カメラロールにある写真とビデオ
  • デバイス設定 (電話のよく使う項目、壁紙、メール、連絡先、カレンダーアカウントなど)
  • アプリデータ
  • ホーム画面とアプリアイコンの配置
  • メッセージ (iMessage、SMS、MMS)
  • 着信音
  • Visual Voicemail

「iTunes Store」を経由せずパソコンからコピーした音楽などはバックアップされないし、アプリのデータや設定なども重要なもののみに限られる。普段はiCloudで自動バックアップしておいて、時間のあるときにiTunesを使って完全バックアップを行うようにすると安心だ。

iPhoneのバックアップ

iPhone標準のライブラリソフト「iTunes」を使うと、iPhoneの完全なバックアップが行える。「iPhone」「iPad」ボタンをクリックして管理画面に入り、「概要」でバックアップが行える。「このコンピュータ」にチェックを入れて「今すぐバックアップ」をクリックすれば、iPhoneの内容を丸ごとバックアップできる。

iCloudへのバックアップ

iCloudへのバックアップは、「設定」→「iCloud」→「ストレージとバックアップ」で「iCloudバックアップ」を「オン」にしておくと、自動でのバックアップが行われる。バックアップできる容量は無料で5GB。また、有料プラン(1,700円/年で10GBなど)も用意されている。

iCloud HP

iCloudにバックアップしたデータは、パソコンのWebブラウザでも閲覧することが可能。iCloud HPにアクセスすれば、連絡先やメールのデータのバックアップを見ることが可能だ。
iCloud HP
https://www.icloud.com

目次へ戻る

Android端末のバックアップ

Androidスマホ・タブレットの場合は、「iTunes」のような標準的な管理ソフトがないため、iPhoneのように簡単にバックアップをとることはできない。Android 4.0以降の機種であれば、「設定」→「バックアップとリセット」で、アプリのデータ、Wi-Fiパスワード、その他の設定をバックアップすることはできる。ただし、この項目では、アプリを丸ごとバックアップすることはできない。

auの端末であれば「auバックアップアプリ」というアプリが提供されている。これはmicroSDカードに、アドレス帳、発着信履歴、EZwebメール、画像、音楽、カレンダー、ムービー、ブックマークといった項目をバックアップできる。スマホの「auお客様サポート」アプリで、「おすすめアプリ」を選択し、「auバックアップアプリ」をダウンロードすることで使用できるようになる。

このほか、より本格的なバックアップを行いたいのであれば、バックアップ用のアプリを使うのもいいだろう。「JSバックアップ」であれば、連絡先、通話履歴、SMS、MMS、カレンダー、ブックマーク、システム設定、ホームショートカット、アラーム、辞書、ミュージックプレイリスト、アプリ、画像、音楽、動画といった各種項目をバックアップすることが可能だ。バックアップはSDカードや、Dropbox/SugarSync/GoogleDocsといったインターネットのサーバ上にとることができる。

Androidのバックアップ

Android4.0以降なら、「設定」→「バックアップとリセット」で、アプリのデータ、Wi-Fiパスワードなどの設定をバックアップすることができる。

JSバックアップ

Android端末でより本格的なバックアップを行いたいのであれば「JSバックアップ」を利用してみるとよいだろう。
JSバックアップ
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.johospace.backup

目次へ戻る

企業での一括管理ならMDMサービスがオススメ

スマホやタブレットを一括導入している会社の場合、端末の管理はより大変になってくる。上記で紹介したような方法で各自の端末をバックアップするよう指導したとしても、なかなか全員に徹底させるのは難しい。

そんな場合は、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末を一括で管理する「MDMサービス」を利用するのも手だ。MDMサービスとは、あらかじめ設定した利用ポリシーの管理、各種端末情報の取得、利用できる機能の制限など、さまざまな機能を提供してくれる。

例えば、大塚商会の提供する「たよれーるデバイスマネジメントサービス」では、大塚商会が運営するデータセンターを使用することで、さまざまなサービスを提供してくれる。

「たよれーるデバイスマネジメントサービス」
たよれーる デバイスマネジメントサービス

例えば、「リモートロック・ワイプ操作代行サービス」では、端末の紛失時に、遠隔操作で端末をロックしたり、悪用を防止したりするためデータを削除できる。また、端末を業務以外のゲームなどに利用することを禁止するといった管理も可能だ。「バックアップ」とは異なるものだが、企業がスマホ・タブレットを一括導入するときの情報管理にぜひ活用してほしい。

最近ではスマホ・タブレットなど、手軽に使える端末が増えてきた。これらの端末は高機能でさまざまなデータを扱える分、使い方を誤るとトラブルになることも多い。こまめなバックアップやしっかりした管理を行うことで、トラブルを未然に防いでほしい。

たよれーるデバイスマネジメントサービス

大塚商会のMDMサービス「たよれーるデバイスマネジメントサービス」。企業でスマホ・タブレットを一括導入して集中管理したい場合は、強い味方となる。

目次へ戻る