この連載について
基本要素を用いながら、より具体的な設計使用方法を解説する。また、主要な3D CADでの手法も併せて解説する。
CADの3D空間にはXYZが存在している
3D CADで新規ファイルを作成すると、何もない空間が表示されている。しかし、何もないように見えるが実はそこには原点が存在しており、それを基準にXYZの各軸と平面が仮想的に用意されている。
図-1 SOLIDWORKSの原点とXYZ平面
図-2 Autodesk Inventorの原点とXYZ平面
最初に形状を作成する際には、その仮想平面三つのうちのいずれかをスケッチ平面として使用し、形状作成を開始することになる。3Dで設計するメリットの一つとして、形状に設計情報を付与できるという点があることから、この3D空間内の原点をこれから設計する部品の設計基準と捉えて設計を開始することが望ましいとされている。
部品の設計基準は、その部品の性質によって決める必要がある。例えば以下のようなケースが考えられる。
- 軸部品(回転体):軸の中心
- 加工の基準位置
- 相手部品に合わせた形状の部品:相手部品との組み立て基準位置
これらはあくまで目安であり、100%きっちりと順守しなければならないというものではない。使用していくうちにやりやすい方法が見えてきたらそれぞれのルールを確立すればよいだろう。
最初の形状のためのスケッチはどう作成すべきか?
では、最初の形状を作成するためのスケッチは、XY、YZ、XZのどの平面に描くのがよいだろうか?
これも設計する部品の性質次第ではあるが、目安としての基準がある。
以下の二つの図は、同じ形状を「押し出し」で作成している。見え方の違いはスケッチ平面が異なっていることにある。つまりどのように見えるように作りたいかによって、選択する平面を考慮する必要がある、ということである。
図-3 YZ平面をスケッチ平面として選択した場合
図-4 XZ平面をスケッチ平面として選択した場合
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