2025年 2月25日公開

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不正を防ぐ「内部通報制度」~最新データと事例で学ぶ運用のヒント~

企画・編集:株式会社アーキテクチャー

企業の不正を発見し是正するために「内部通報制度」を設ける企業が増えています。しかし、通報した人が嫌がらせや報復人事を受けるケースが後を絶たず、通報者のプライバシー保護が課題です。今回は内部通報制度の導入状況、不当な扱いを受けた通報者の事例、制度を正しく機能させるためのポイントを解説します。

上場企業における会計不正が3年連続で増加

企業の不祥事は、取引先の信用を失うだけでなく、ブランドイメージの毀損など、多くの悪影響を及ぼします。上場企業の会計不正の推移を例に見ると、次のような結果になっています。

上場企業の会計不正の発生動向を見ると、3年連続増加傾向にあります。会計不正は企業の信頼低下、ブランド価値の損失、法的リスクの増大などのリスクをはらみます。

300人以上の企業で義務化される「内部通報制度」

会計不正のみならず、さまざまな社内での不正を正すために設けられているのが「内部通報制度」です。不正を早期に発見し、是正することで、企業の信用やブランドイメージ、そして従業員を守る役割を果たします。

内部通報制度は企業内の不正行為を早期に発見し、調査・是正を行う仕組みです。導入率は従業員規模が大きいほど多く、通報件数にはばらつきがあります。