正しい使い方
最近、新聞やニュースで何かと見聞きすることが多い「インバウンド」というカタカナ語。
一般的に、海外からの観光客が日本を訪れる「訪日旅行」のことを指します。それとは反対に、日本から海外に旅行することは「アウトバウンド」と呼ばれており、旅行業界を中心に広く使われているカタカナ語です。
しかし、ビジネスシーンではちょっと違った使い方もあるようです。
例えば、顧客が自社に興味を持って接触してくることを「インバウンド」と言います。それが転じて、来客対応や電話対応といった業務を指して「インバウンド業務」と呼ぶことも。一方、自分たちから顧客に接触していくアプローチが「アウトバウンド」になります。
また最近では、SNSや自社メディアなどを通じて顧客に役立つ情報を発信し、自社製品やサービスに興味を持ってもらうような「インバウンド・マーケティング」というマーケティング手法も広まってきています。
このようにビジネスシーンで使われる場合は、一般的な使い方とは意味合いが異なる場合があるので注意が必要です。
新解釈で使ってみる
皆さんの中には、「営業パーソンなのに自己アピールが苦手」「お客様になかなか顔を覚えてもらえない」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。そんな場合は、少し違った角度からインバウンドというカタカナ語を解釈してみることで、打開策が見いだせるかもしれません。
例えば、取引先に出向くときには毎回ユニークな柄のネクタイをしていく。似顔絵スタンプやちょっとした装飾を施したアレンジ名刺を持ってみる。そのように、あえて「ツッコミどころ」を作っておくことで、さり気なく自分をアピールし、取引先の興味を引いてみるわけです。
あの手この手でお客様の方から自発的にこちらに関心を持っていただけるよう、自分サイドに来ていただけるよう仕向ける。これも立派な「インバウンド」対策ではないでしょうか。
「◯◯さんって、いつも変わったネクタイしてるね」とか「面白い名刺だね」など、向こうから声を掛けていただけたら、印象付けの第一歩は成功したといえるでしょう。
自己アピールが苦手な営業パーソンは、ちょっとした工夫で相手に自分を印象付けるような「インバウンド戦略」を試してみてはいかがでしょうか?