決して侮れない、停電によるリスク
近年は大災害が続いていることもあり、BCP(事業継続計画)を定め、リスクに備える企業が増えています。とはいえリソースに限りのある中堅・中小企業においては、十分な対策が取れている会社はまだまだ多いとはいえません。とりわけ手薄になりがちなのが、停電対策です。
日本は電力インフラが安定していることもあり、世界的に停電の少ない国ですが、リスクは決してゼロではありません。現実に近年は、大地震や豪雨などによる大規模停電が各地で発生しています。たとえ大規模災害が起きなくても、風雨や雪、雷などによる電力インフラの故障で、オフィス周辺のエリアが一時的に停電になる可能性は常にあります。
オフィスが停電になると、照明やエアコン、PCやサーバーなどが使えなくなり、業務の継続が難しくなります。特に怖いのが、顧客情報や技術情報など大事なデータの消失です。作業中の大事なファイルやデータが破損したり、ハードディスクが故障したりして、大切な会社の資産が失われかねません。それによって、ビジネスに大きな打撃を受けることもあります。
停電から会社の資産を守り、万が一のときでも事業を継続するには、どのような対策が必要なのでしょうか。
停電のリスクから会社を守るUPS
停電から大切な会社の資産を守り事業を継続するために、ぜひおすすめしたいのがUPS(無停電電源装置)の導入です。PCやサーバーにUPSをつないでおけば、仮に停電が発生し、外部からの電力供給が途絶えても、予備電源によって最低限の電力が供給されます。そのため瞬間的な停電であれば、ほとんど影響を受けずに業務を継続することができます。
また、UPSを導入すると停電が起きたときにPCやサーバーなどが自動的にシャットダウンされます。それにより、ハードディスクなど電力の変動に敏感な機器の故障を防ぎ、大切なデータを守ることができます。自動的にPCなどの作業状態も保存されるので、大切なファイルやデータの破損・消失も防げます。
ちなみにUPSには二つの方式があります。一つは小型で、一般的なオフィスに低コストで導入できるラインインタラクティブ方式。もう一つは、一瞬でも電源供給の切断が許されない場合に適した、常時インバーター給電方式です。使用目的やオフィスの電源環境に合わせて、最適な方式を選びましょう。
頻繁に起きるわけではないものの、いざ発生すると、会社に大きな損失やダメージをもたらしかねないのが停電です。UPSを活用してそのリスクに備え、ぜひ大切な会社と事業を守っていただきたいと思います。