2017年 1月 1日公開

仕事効率を上げるパソコン手帖

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オンラインストレージ活用法

テキスト/芝田隆広

サーバーにデータを置き、ネットを通じて読み書きできる「オンラインストレージ」の普及が進んできた。ビジネスでもプライベートでも何かと便利に使えるこのオンラインストレージ、今回はその活用法を解説する。

何が便利なの? オンラインストレージのメリット

スマートフォンなど、出先でも気軽にインターネットに接続できる端末の利用者が増えてきた。それとともに普及が進んでいるのが「オンラインストレージ」と呼ばれるサービスだ。

オンラインストレージとは、サーバー上のディスクスペースにファイルを入れておき、インターネットを通じて読み書きできるようにしたサービスだ。例えばマイクロソフトの「OneDrive」や、アップルの「iCloud」などが代表的なもので、「既に使っている」という人も少なくないだろう。

オンラインストレージのイメージ

オンラインストレージの一番のメリットは、「どこからでも同じデータを参照、編集することができる」という点にある。

従来は「自分の使うファイルは、自分のパソコンのハードディスクに入れておく」というのが一般的だった。自分のパソコンからデータを持ち出すときは、USBメモリーなどを使って持ち運んだり、ノートパソコンにコピーしたりといった作業をいちいち行わなくてはならず面倒だった。また「営業先で急にオフィスのパソコン内の資料が必要になった」といった場合にも対応できない。

これがオンラインストレージならば、インターネットのサーバー上にデータを保管しておけるので、オフィスで使っていたのと同じファイルに、出先からでもアクセスすることが可能だ。ノートパソコンやスマートフォン、タブレットといった複数の端末からでも、いちいちコピーすることなしにアクセスできる。サーバー上にあるデータなので、インターネットを使って簡単に他のユーザーと共有できるというメリットもある。

編集の面でも便利だ。従来のように各端末にファイルを入れておいて編集を行うという使い方の場合、「ノートパソコンでExcelファイルを編集したのに、うっかりオフィスのデスクトップパソコン内の古いデータで上書きしてしまった」などといったトラブルが起きがちだった。オンラインストレージならば、複数の異なる端末からでも同じデータにアクセスして編集が行えるので、データの整合性を保つことができる。

また、ストレージ容量が限られるスマートフォンなどの端末には大量のデータを入れておくことができないので、その分をオンラインストレージで容量を補うことでより便利に活用することができる。

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セキュリティは大丈夫? オンラインストレージのデメリット

ビジネスでオンラインストレージを使う場合に心配な点としては、セキュリティの問題が挙げられる。社外のサーバーにデータを置いておくのは不安という人もいるだろうし、インターネットを通して漏えいする可能性もないとはいえない。

とはいえこれは使い方次第だ。もちろん、絶対に外部に漏えいしてはいけない顧客データなどのファイルを、オンラインストレージに入れるのは禁物だ。その半面、そこまで重要でないファイルについては、オンラインストレージに入れた方が使い勝手がいい。

実際のところ「データを外部のサーバーに入れておく」という点では、プロバイダーメールやGmailなどのメールサービスを使うのと本質的な違いはない。つまりメールで注意しなくてはいけない点は、そのままオンラインストレージにも当てはまる。IDやパスワードの流出には注意しなくてはならないし、共有ミスによってデータの内容が他者の目に触れる可能性もあり得る。大事なデータは暗号化したり、書庫ファイルにパスワードをかけておくなどの対策も必要となるだろう。

とはいえ見方を変えれば、「オンラインストレージにデータを置く」というのは「データのバックアップを堅牢な外部のサーバーに作っておく」ことでもある。オンラインストレージにデータを入れておけば、USBメモリーなどのようにデータを紛失する危険性はないし、ノートパソコンなどと違って盗難に遭う心配もない。自分のパソコンが故障したときでもインターネットに接続すればデータを読み出せる。活用の仕方次第で、データの安全性を強化することもできる。

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どれがお薦め? 主要オンラインストレージの紹介

オンラインストレージは各社がさまざまなサービスを提供している。その中でもビジネスユーザーにとってお薦めなのがマイクロソフトの提供する「OneDrive」だ。個人用の「OneDrive」であればマイクロソフトアカウントを作成することで、5GBを無料で利用することが可能だ。

参照:マイクロソフト「OneDrive 必要なものが、すべてそこに。」

またビジネスユーザー向けの「Office 365」を契約すると、Officeアプリが使えるほか、1TBの容量が付属してくる。特に「Office 365 Business」は、PC/Mac版およびタブレット・スマートフォン用Officeアプリの最新版のほか、1TBのOneDriveを利用できるプランで、月額900円とリーズナブルな価格になっている。Office 2016からは、ファイルの保存メニューからOneDriveを呼び出して、保存先に指定できるので手軽に利用できるだろう。

「Office 365 Business」のプラン

ビジネスユーザー向け「Office 365 Business」のプラン。

「OneDrive」のサインイン画面

OneDriveはパソコン版のほか、Android/iOS用のアプリも用意されており、さまざまなデバイスから保存したファイルを閲覧・編集できる。

エクセルの「名前をつけて保存」画面

Microsoft ExcelやWordといったオフィスアプリの保存メニューで、OneDriveを保存先として指定することが可能だ。

このほかにも「Dropbox Business」、Googleが提供する「Googleドライブ」、iPhone/iPadなどで利用できる「iCloud Drive」がある。いずれのサービスもパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからも利用可能。無料プランもあるので、ぜひ活用してみてほしい。

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企業ユーザーの一括導入にも安心! たよれーる どこでもキャビネット

オンラインストレージは便利な半面、セキュリティの面での不安もある。特に個人向けに提供されているサービスをビジネスユーザーが使うのは、いざというときに不安だというユーザーもいるだろう。そんなときは企業向けのオンラインストレージを利用するのがお勧めだ。

「たよれーる どこでもキャビネット」は、企業内や企業間での円滑なファイル共有や送受信が行えるサービス。複合機との連携機能も用意された法人向けサービスで、充実した管理機能とセキュリティも備えており、安心感は高い。

大塚商会「たよれーる どこでもキャビネット」

「たよれーる どこでもキャビネット」には、14日間無料体験版があるので、導入を検討する人は申し込んで試してみるとよいだろう。

「どこでもキャビネット」のイメージ

法人向けに開発されたオンラインストレージサービス、大塚商会「どこでもキャビネット」。

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