2013年 8月 1日公開

仕事効率を上げるパソコン手帖

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しっかり「伝える」を実現する「PowerPoint 2013」の使いこなし

テキスト: 太田百合子

プレゼンテーションは、単に商品を売り込んだり、成果を発表するためのものではない。その本来の役割は、誰かに何かを「伝える」こと。つまりどんな立場の人であっても、いつなんどき、プレゼン=「伝える」機会に遭遇するか分からないということだ。今回は普段プレゼンをする機会の多い人だけでなく、いつの日か「プレゼンするかもしれない」人も知っておいて損のない、最新のプレゼンツールを「PowerPoint 2013」を中心に、紹介する。

最強のプレゼンツールといえばコレ!

PowerPoint 2013

今やプレゼンテーションになくてはならない存在の、PowerPoint。その最新版「PowerPoint 2013」には、まさに最強のプレゼンツールと呼ぶにふさわしい、注目の新機能がたくさん追加されている。Windows 8にあわせて、タッチ操作でも使いやすいインターフェースが導入されたほか、クラウドサービスのSky Driveにスライドを保存し、チームで共有するといったことも可能。また用意された素材を使ってグラフィカルで分かりやすいスライドを、より簡単に作成できるようになった。

たとえばテンプレート。新しいPowerPointでは、これまでよりもさらに豊富なテンプレートを利用できるようになった。その数はビジネス用のものだけでも実に数百種類以上。インターネット上に公開されているテンプレートも、PC内に保存されているテンプレートと同じように、簡単に検索、利用できるのがありがたい。

基本的なテーマやレイアウトのテンプレートが選べるだけでなく、「SmartArt」を使えば、複雑な図形も簡単に挿入することができる。新しいPowerPointでは、あらかじめ用意された図形パターンに加えて、オンラインから最新の図形パターンを入手することもできるようになっている。

さらに画像などのデータも、インターネットから直接取り込むことが可能。Office.comに公開されているクリップアートだけでなく、Bing画像検索やSkyDrive、YouTubeなどにある写真や動画を、いったんPCに保存する手間なく、直接スライドの中に貼り付けることができる。

豊富なテンプレートから選ぶだけで、印象的なプレゼンテーションスライドを簡単に作成することができる

豊富なテンプレートから選ぶだけで、印象的なプレゼンテーションスライドを簡単に作成することができる

図形やグラフなどもテンプレートを使えば、簡単。テーマを切り替えるだけで、色の統一などもラクラク

図形やグラフなどもテンプレートを使えば、簡単。テーマを切り替えるだけで、色の統一などもラクラク

Office.comに公開された最新の図形パターンを取り入れて、表現のバリエーションを広げることができる

Office.comに公開された最新の図形パターンを取り入れて、表現のバリエーションを広げることができる

インターネット上にあるイラストや写真を新しいPowerPointから直接検索して、スライドに取り込める

インターネット上にあるイラストや写真を新しいPowerPointから直接検索して、スライドに取り込める

たくさんの新機能の中でも、特にプレゼン時にうれしい機能が、進化した「発表者ツール」だ。発表者ツールはその名の通り、プレゼン発表時に使用するツールで、PCにつながったプロジェクターなどにスライドを表示しつつ、PC上には発表者にだけ見える専用画面を表示し、そこからプレゼンをコントロールできる……というもの。時間を計るタイマーや、あんちょこ用のメモのほか、レーザーポインターを使ってスライドの一部分を指し示したり、拡大して見せたりといったことが、すべてPC上の操作だけでできてしまう。

最近急増中のタッチパネルを搭載したノートPCなら、このレーザーポインターで指したり、拡大したりする操作も、画面をタッチしたり、2本の指でピンチアウトしたりするだけと、さらに簡単。またこれまでは、スライドの数が多い場合、発表者ツールでサムネイルを横にスクロールするか、スライドショーの状態からいったんPowerPointの画面に戻らないと、目的のスライドへと一気にジャンプできなかった。新しいPowerPointでは、発表者ツールの新機能の「スライドナビゲーター」を使って、全スライドをサムネイル表示することが可能。そこからすばやく目的のスライドを選んで表示できるため、よりスマートなプレゼンテーションが実現する。

「発表者ツール」では、スライド送りはもちろん、一部を指し示す、拡大するといった操作がすべて手元のPCでできる

「発表者ツール」では、スライド送りはもちろん、一部を指し示す、拡大するといった操作がすべて手元のPCでできる

目的のスライドにジャンプする操作も、手元で簡単にできる。PowerPointの画面を、大写しにしないで済む

目的のスライドにジャンプする操作も、手元で簡単にできる。PowerPointの画面を、大写しにしないで済む

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ほかにもあるぞ!便利なプレゼンツールカタログ

プレゼンテーション時に役立つ、便利な小道具を一挙紹介!「PowerPoint 2013」で作成したスライドを、よりスマートに見せるのに役立つリモコンから、手のひらサイズのプロジェクターまで、これさえあればいつでもどこでも、「伝わる」プレゼンテーションができるはずだ。

両手を開いても落とさないリモコン
フィンガープレゼンター <kokuyoseki> ELA-FP1

両手を開いても落とさないリモコン フィンガープレゼンター<kokuyoseki> ELA-FP1

身振り手振りを使って積極的にアピールしたいときに便利なのが、コクヨS&Tの「フィンガープレゼンター <kokuyoseki>」だ。その名の通り指輪型のリモコンで、WindowsとMac、PowerPointとKeynoteの両方で、スライドのページめくり操作が可能。指に装着して使用するため手を開いても落下せず、まるで何も持っていないかのような自然さでプレゼンテーションができる。

リングを小さいものに交換し、レーザーポインターに取り付けて使用することも可能。USBタイプの無線受信機をPCに差し込むだけで気軽に使えるのも魅力だ。なお、無線通信には2.4GHz帯を使用。通信可能な範囲は約15メートルとなっている。

モバイル時に便利な極小プロジェクター
小型ビューアー LF-PJ525H 

モバイル時に便利な極小プロジェクター 小型ビューアー LF-PJ525H 

小さくて持ち運びに便利な小型プロジェクターは数多いが、中でもずば抜けて小さく、ポケットに入れて持ち運べてしまうのが、パナソニックの「小型ビューアー LF-PJ525H」だ。スーツの胸ポケットに入る名刺サイズの本体は、重量が約110gという軽さ。小型プロジェクターはその小ささ故に明るさが足りず、大きく投影できないものが多い中、電気を点けたままでも投影可能な50ルーメンという輝度を実現している。

スクリーンなどの条件が整えば、最大60インチまで大きく表示することが可能。HDMIアダプターを使用すれば、PCだけでなくiPadやiPhone、Androidタブレットやスマートフォンでも使用できる。手軽に持ち歩けるので、営業先で急遽プレゼンテーションをするといった、突発的な事案にもすばやく対応できる。プライベートでも、スマートフォンで再生中の動画を大画面で見るといった使い方ができる。

プロジェクター機能付きビデオカメラ
ハンディカム HDR-GWP88V 

プロジェクター機能付きビデオカメラハンディカム HDR-GWP88V

ソニーのビデオカメラ「ハンディカム」にプロジェクターを内蔵した、ユニークな製品が話題を集めている。「ハンディカム HDR-GWP88V」は、映像を撮るところから、みんなに見せるところまでをコンパクトに一体化したモデル。イベントごとにハイライトムービーを自動作成できる機能も備えていて、このカメラ一つで、撮影から編集、発表までをこなすことができる。

たとえば展示会などイベントの報告会を、開催当日に行うといったことも可能。使い方次第では、強力なプレゼンサポートツールとなる。防水対応なので、雨天でも水濡れを気にせずに撮影することが可能。プロジェクターは輝度約13ルーメンで、暗い室内であれば約100インチまで拡大投影できる。

スマートフォンの画面をそのまま投影できる
Smart Beam 

スマートフォンの画面をそのまま投影できるSmart Beam

SK Telecomの「Smart Beam」は、スマートフォンの画面をそのまま投影できる、シンプルで手軽なプロジェクター。45×45×46mmとほぼ正方形で、手のひらに乗るコンパクトなデザインが人気を集めている。microUSB端子経由で充電でき、約2時間の連続使用が可能。輝度は約35ルーメンで、MHLの接続方式に対応したAndroid製品、またはHDMIアダプターを使用してiPad、iPhoneでも使用できる。もちろんHDMI対応のPCでも利用可能だ。

最近はスマートフォン向けのプレゼンアプリなども増えているが、スマートフォンと「Smart Beam」があれば、それだけでどこでもプレゼンテーションができてしまうのが魅力。ビジネスシーンだけでなく、何かを「伝えたい」ときにさっと取り出して使える、便利なアイテムだ。

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