2020年 3月24日公開

仕事効率を上げるパソコン手帖

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Windows 10でマウス・キーボードでの入力を快適化するテクニック

テキスト/芝田隆広

  • PC

パソコンの操作にマウスとキーボードは欠かせない。それだけにその使い勝手は、ビジネスの効率も大きく左右する。そこで今回は、マウスやキーボードの操作をより快適に行うためのテクニックを紹介する。

マウスとキーボードの快適化でビジネスが変わる!

「パソコンの使いこなし」といえば、Officeなどのソフトや、インターネットを活用するなどといったことが真っ先に思い浮かぶだろう。しかしそのような作業を行うときに欠かせないのが、マウスやキーボードといった入力機器の操作だ。

いくら高性能なパソコンを使っていても、いくらソフトやネットの知識があっても、マウスやキーボードが使いづらいとイライラ感が募る。逆にマウスやキーボードをストレスなく使うことができれば、作業の効率はグンと上がるといえる。「マウスとキーボードでの入力を快適化する」場合、そのアプローチは大きく以下の二つに分けられるだろう。

(1) マウスやキーボードでの入力をしやすくする

例えばカーソルの移動をより滑らかにしたり、左利きの人ならボタンの左右を入れ替えてみたりといったことが挙げられる。また、自分にとって使いやすいマウスやキーボードに買い換えるといった行為も含まれるだろう。

(2) できるだけ少ない入力操作で作業を行えるようにする

こちらはショートカットキーやIMEの辞書登録を活用したり、ソフトのマクロを使ったりして、マウスのクリックやキーボードの打鍵回数そのものを減らすというものだ。入力操作の回数を減らせば、それだけ手や腕、肩などの負担が減るので肉体的にも楽になる。

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マウスやキーボードによる入力をやりやすくする方法

マウスやキーボードによる入力を快適にするには、自分にとって使い勝手の良い製品を常用することが非常に効果的だ。しかしオフィスでの利用となると、入力機器を買い換えるという機会もあまりないだろう。そこでまずはWindows 10におけるマウスとキーボードの設定を見直してみよう。

Windows 10のマウス設定

Windows 10のマウス設定については、Windowsマークのスタートアイコンをクリックして「設定」を選択。「デバイス」をクリックし、左側のメニューで「マウス」を選択すれば、マウス関連の設定を呼び出せる。ここでは以下のような設定をするのがオススメだ。

「一度にスクロールする行数」では、マウスホイールを回転させたときにスクロールする行数を設定できる。この行数を増やせば、よりスクロールが速くなり、縦に長いWebページなどを素早く見ていくことができる。

先ほどのウィンドウで「マウスとカーソルのサイズを調整する」をクリックすると、マウスのポインターを大きくしたり、入力時のカーソルを太く表示したりできる。高解像度のディスプレイを使っていて、マウスのポインターやカーソルが小さくて見づらいという人は利用してみるといいだろう。

より詳しい設定を行いたい人は「設定」の「マウス」の画面で「その他のマウス オプション」を選択する。「ボタン」タブでは、「主と副のボタンを切り替える」でマウスの左右ボタンの機能を入れ替えることができる。左利きのユーザーは利用してみるといいだろう。またダブルクリックが苦手という人は、「ダブルクリックの速度」を遅くしてみるのも一つの手だ。

「ポインターオプション」ではマウスポインターの移動速度を変更できる。より速く動かしたい人は「速く」、うまくポインターを合わせられない人は「遅く」の方向にスライダーを動かすといい。「ポインターの軌跡を表示する」や「Ctrlキーを押すとポインターの位置を表示する」にチェックを入れておくと、画面のどこにマウスポインターがあるかを見失いにくくなる。

Windows 10のキーボード設定

Windows 10のキーボード設定は、スタートメニューの「Windowsシステムツール」にある「コントロール パネル」から行うとやりやすい。

コントロール パネルが表示されたら「コンピューターの簡単操作」を選択し、「キーボードの動作の変更」をクリックする。

「キーボードを使いやすくします」のウィンドウが開いたら、一番下までスクロールして「キーボード設定」をクリックする。

ここで「表示までの待ち時間」を「短く」、「表示の間隔」を「速く」に設定すると、キーボードの反応速度が速くなる。例えばカーソルキーを押しっぱなしにしたときのカーソル移動速度などが速くなるので、「キーの反応が悪いな」と思っている人は試してみるといいだろう。

キーボードやマウスを掃除する

キーボードを使っていて、なんだかキーが押しづらい、がたつくと感じるときは、キーボードの掃除を行ってみるといい。本連載の2012年11月「パソコンお掃除テクニック」で、掃除の仕方を解説しているのでそちらも参考にしてみてほしい。

パソコンお掃除テクニック

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操作の回数を減らして入力を快適化する

マウスやキーボードをずっと使い続けていると、手や腕、肩などに負担が掛かってくる。1回の操作は大したことなくても、それが毎日、1日何十回、何百回と同じ操作をするとなるとかなりの負担だ。本連載の2017年8月「マウスの使いすぎで手や指が痛い人のためのマウス腱鞘(けんしょう)炎対策」でも触れているが、わずかな負担が積もり積もって腱鞘炎になってしまうこともあるので要注意だ。

マウスの使いすぎで手や指が痛い人のためのマウス腱鞘炎対策

入力に関わる負担を軽減するのに一番良いのは、「入力の回数を減らす」ことだ。一つの作業について1クリック、1回のキー入力を減らすだけでも、操作時間全体で見れば結構な回数になる。そのためには以下のような方法を試してみてほしい。

Windows 10のショートカットキーを使う

Windows 10では、通常はマウスで行う作業をキーボードで行えるようにする「ショートカットキー」という機能が用意されている。例えば選択した項目をコピーするときは「Ctrl」キーと「C」キーを同時に押す、貼り付けるときは「Ctrl」+「V」といった具合だ。

ショートカットキーについては「マウスボタンを押す代わりにキーを押すだけでは?」と思う人もいるかもしれない。しかし実際にやってみると分かるが、マウスによるクリックは指の関節への負担が結構大きく、キーの方が負担は少ない。またキーボードから手を離さずに作業を行えるので、入力も迅速に行える。

ショートカットキーで特に覚えてほしいものとしては以下のようなものがある。またマイクロソフトのWebサイトに、Windows 10のショートカットキーの一覧があるので参考にしてみてほしい。

Windows のキーボード ショートカット(マイクロソフトのWebサイトが開きます)

これだけは覚えたい! Windows 10のショートカットキー

押すキー目的
Ctrl+X選択した項目の切り取り
Ctrl+C選択した項目のコピー
Ctrl+V選択した項目の貼り付け
Ctrl+Z操作を元に戻す
Ctrl+Aドキュメント内またはウィンドウ内の全ての項目を選択する
Ctrl+D選択した項目を削除し、ごみ箱に移動する
Ctrl+S上書き保存
Alt+F4アプリを終了する

Windows 10の代表的なショートカット。これだけ覚えるだけでも相当便利だ。

マクロ機能を使う

マクロ機能とは「一連の操作を記録して、同じ作業を自動で再現する機能」のことだ。ビジネスでよく使うソフトの代表格であるExcelなどにも搭載されている。

例えば「A列のデータをC列にコピーし太字にして色を付ける」といった作業を何度も繰り返すのは面倒だ。ここでマクロを使うと最初の1回だけ記録したら、後はショートカットキーを押すだけで同じ作業を繰り返してくれる。このようにちょっとした作業を半自動化してくれるのがマクロ機能というわけだ。

マクロ機能については本連載の2016年7月「Excelマクロによる定型処理で仕事効率を上げよう!」で詳しく解説しているので、そちらを参照してもらいたい。

Excelマクロによる定型処理で仕事効率を上げよう!

Excelなどのマクロ機能を使うと、定型の操作を一発で行うことができるので、入力操作の回数をかなり減らすことが可能だ。

定型句はIMEに単語登録する

業務において何度も同じ語句を入力するのは面倒だ。例えば会社の住所や部署名などは、何度も同じ語句を入力することが多い。こんなときは自分の使っている日本語IMEで、その語句を辞書登録しておくといい。例えば会社の住所を「かいしゃ」という読みで辞書登録して一発で変換するといった具合だ。

Microsoft IMEであればタスクトレイのアイコンの上で右クリックして「単語の登録」を選択する。

自社の住所など、よく使う語句を単語登録しておくとそれ以降の入力が楽になる。

タッチパッドのジェスチャー機能を使ってみる

ノートパソコンのポインティングデバイスであるタッチパッドでは、特定の動作でさまざまな操作を行える「ジェスチャー機能」が使える。これを使うとショートカットキーで行うような動作をタッチパッドで行える。詳しくは本連載の2019年7月「ノートPCをもっと便利に! Windows 10のタッチパッドジェスチャー」を参考にしてみてほしい。

ノートPCをもっと便利に! Windows 10のタッチパッドジェスチャー

ここまで紹介してきたようなマウスやキーボード入力を快適化するテクニックを使えば、作業効率は上がるし、体への負担も軽減できる。ぜひ試してみてほしい。

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