CCoE
CCoEとは、「Cloud Center of Excellence」の頭文字を取った略語で、企業内のクラウド活用推進組織のこと。クラウドの活用を効果的に推進するため、必要な人材や知見、リソースなどを集約し、全社横断型の部門として形成された組織である。国内では、2014年ごろにNTTドコモや富士ゼロックス(当時)、2018年には大日本印刷やみずほフィナンシャルグループ、2020年にはKDDIがCCoEを設置したことで注目されるようになった。
ビジネスにおいてクラウド活用は一般的になっているが、チームや部門で独自にクラウドを導入している例も少なくない。ただ、クラウドを最大限に活用するとなったとき、チームや部門ごとで個別に取り組むのには限界がある。そこで、昨今ではクラウドの導入や移行、運用を専門的に担う組織の必要性が叫ばれるようになっている。
CCoEの役割として、主に次のことが挙げられる。
(1)クラウド利用のためのガイドライン策定やセキュリティ対策、利用状況の監視・分析などを実施し、クラウド運用上のリスクや課題、コストなどを全社的に管理する
(2)クラウド技術の情報収集と共有、クラウドの特性を考慮したアーキテクチャーの構築、クラウド構築の内製化とアウトソース化の切り分けなどを行い、クラウドのノウハウを蓄積・提供する
(3)クラウド人材を育成するための研修やスキル開発などを実施し、クラウドの専門組織として、全社的なリテラシーや技術を向上させることを支援する
現在、業種や職種、事業規模を問わず、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の必要性に迫られている。そのDXの実現には、クラウド活用も不可欠であり、CCoEはますます重要になっていくと予想されている。