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金融サービスの最新事情は
オンラインからモバイルへ

携帯電話の急速な普及と進化は私たちの生活を一変させた。いつでも持ち歩き、どこにいても通信がつながり、メールやインターネットなどの情報端末として進化した携帯電話は、金融サービスの端末としてもさらなる進化を遂げようとしている。

モバイルWebサイトの金融サービス

インターネットアクセス機能の装備により、非常に付加価値の高い情報端末として進化した携帯電話。現在では、さまざまなモバイル金融サービスも登場し、生活の利便性を高めるものとして一役買っている。

振り返れば、携帯電話向けのモバイル金融サービスはNTTドコモのiモードと同じ1999年に登場した。それ以前から提供されていたPC向けネットバンキング機能を携帯電話に適用したものだった。モバイル端末向けのネットバンキング機能は当初、セキュリティ上の問題から個人向けの残高照会、振込などの限定的な提供に限られていた。しかし2003年ごろからセキュリティ上の課題が解決されるようになり、法人向けにもサービスが提供されるようになった。個人向けサービスも拡充し、外貨預金・信託投資などの金融商品や各種ローン、公共料金の振替の申し込みなどができるようになっていった。

こうした携帯電話を利用したモバイル金融サービスは、ネットバンキングだけに限ったものではない。インターネットで金融商品を売買するモバイル向けのネットトレーディングも登場している。いままで証券会社の店頭などで株価を見て取引することが多かったが、PC向けオンライン取引が始まり、さらにモバイル向けネットトレーディングが登場し、証券取引の敷居が一気に下がった。また、携帯電話のパケット通信料が定額制になったことも、個人投資家の大きな増加要因だと言われている。

こうしたネットバンキングやネットトレーディングは、セキュリティについて懸念されがちである。また、通信の遅延や中断といった回線の品質も、金銭をやりとりするサービスである以上、利用者にとって不安材料になる。しかしそうした問題も、モバイル金融サービスのアプリケーションがNTTドコモのiアプリに代表されるようなJavaアプリケーション(アプレット)として提供されるに従って解消に向かいつつある。現在では、大手都市銀行はもちろん、地銀や信金/信組、証券会社などほとんどの金融機関が「ダイレクト」と称するサービスや「インターネット支店」と称する仮想店舗を構えている。

おサイフになった携帯電話

そして2004年、モバイル金融サービスに大きな変革が起きた。NTTドコモが、携帯電話を財布の代わりに利用するという「おサイフケータイ」を発表したのだ。おサイフケータイとは、携帯電話にソニーが開発した「FeliCa」という非接触型ICチップを内蔵したもの。FeliCaは非接触型のカードに埋め込むチップとして1999年に実用化されていたが、2001年にJR東日本のチケットカード「Suica」に採用されてから一気に普及した。そのFeliCaを内蔵した携帯電話は、デビットカードやクレジットカードのように決済に利用できる「おサイフ」となる。

おサイフケータイにはさまざまなサービスが対応している。登場と同時に対応したのが、ビットワレットの電子マネー「Edy」である。その後、インテリジェント自動販売機で利用できる日本コカ・コーラの「Cmode」、コンビニエンスストアやスーパーマーケットで利用できるセブン&アイ ホールディングスの「nanacoモバイル」などの電子マネーが対応した。また、全日本空輸の「スマートeサービス」、JR東日本の「モバイルSuica」などの電子チケット、その他にも会員証やポイントカードへ利用が広まっている。

実は、おサイフケータイはNTTドコモの登録商標なのだが、現在はNTTドコモの「iモード FeliCa」の愛称としてだけでなく、KDDI/auとソフトバンクモバイルも「おサイフケータイ」の名称を利用している。

モバイル端末サービスの明と暗

おサイフケータイが一般化し、モバイル金融サービスが身近になるにつれて課題も浮き彫りになってきた。携帯電話が決済機能を持ったことで、紛失や盗難された場合のリスクが高まったのである。携帯電話に実装されている機能であるのにもかかわらず、おサイフケータイでは通信によるリアルタイム認証は行われない。これは、携帯電話の電波が届かない場所でもサービスが利用できるようにするためなのだが、このため、クレジットカードと同様、紛失や盗難の際に他人が悪用する恐れがある。また、携帯電話だけにすべての決済機能を集約してしまうと、バッテリー切れの際に支払や電子マネーのチャージができなくなることもある。

Webで提供されているサービスも含めたモバイル金融サービスに対し、携帯電話利用者の不安はいまだに高いようだ。ある調査によると、実際の金銭のやりとりが発生しない残高照会サービスでも、その利用率は携帯電話利用者の約1割だと言う。今後はPC向けのオンライン金融サービスから、携帯電話のモバイル金融サービスへシフトしていくのは間違いのない趨勢だろうが、今後は携帯電話事業者やサービス事業者がいかにしてモバイル金融サービスを利用するメリットを、そして安全性を提案できるかが鍵を握ってくると言えるだろう。

(掲載:2007年7月)

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