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利用者がどれだけ満足したのか?
製品・サービスの品質を計測する

商品の良し悪しはこれまで、機能や性能だけで評価されることが多かった。しかし利用者にとって価値が実感できなければ購買意欲に結び付かない。そこで登場するのが「顧客満足度」である。

製品・サービスに対する顧客の評価を表す
「顧客満足度」

高度経済成長の盛り、次々と生み出される製品やサービスといった商品市場は生産者の主導によって形成されていた。商品の機能や性能は生産者の側で決定され、より高機能、より多機能であれば売れるとして、それを消費者である顧客が受け入れる(=購買する)という構図だった。もちろん、小売業やサービス業の多くは「お得意様」を大切にする姿勢だったが、対して工業製品の多くは生産者主導のものがほとんどだった。

ところが1980年代になると、そうした様相は一変する。日米欧など各国の産業の主体が、原材料を加工して製品を生産する第二次産業から、さまざまな製品やサービスを販売する第三次産業へと完全に移行し、生産者が商品の機能や性能を独断で決定しても商品が売れるという時代ではなくなったのだ。また、主要な商品については普及率や基本機能について飽和したという一面もあっただろう。

これ以降、商品は顧客の趣向やニーズに基づいて開発されるようになる。また、多様化する顧客の趣向やニーズに対応することも求められるようになった。こうして生産された商品が実際に顧客の満足を得られているかどうか、それを評価するための指標として登場したのが「顧客満足度(Customer Satisfaction)」という概念である。

顧客満足度は、昔ながらの小売業やサービス業がモットーとしていた「お客様第一」の考え方を取り入れ、顧客が満足する商品を生産するために用いられる。顧客満足度が高い商品であれば、その生産のために効率が落ちる、手間がかかる、価格が高くなるということがあっても、最終的には顧客の支持が得られ、顧客との信頼関係や商品の購買サイクルを築くことができる。そうなれば既存顧客のリピーターが増加したり、既存顧客からの紹介による新規顧客を獲得できたりなど、結果的に売り上げの向上につながるという考え方だ。

見えない顧客満足度を計るには
調査で「見える化」する

顧客満足度を高めることが顧客の獲得や売り上げの向上に重要であることは理解できるだろう。しかし顧客満足度は目に見えるものではないため、何らかの手段を用いて「見える化」をする必要がある。そのための手法が、顧客満足度調査である。

顧客満足度調査は、電話やインターネット、書面などを利用して「満足」「やや満足」「どちらでもない」「やや不満」「不満」のように段階をつけた選択肢を選ぶアンケート方式で実施することが一般的だ。顧客満足度の調査目的は、顧客の意見を正確に吸い上げ、それを商品の品質向上に役立てること。当然ながら、小売業者や卸売業者を対象にするのではなく、実際に商品を利用する顧客、または商品購入の決定権を持つ見込み顧客を調査しなければ、意味がない。

また、調査のタイミングも重要である。顧客満足度は商品を購入してから利用していくに従って変化するため、どのタイミングで調査するかで評価のポイントが変わり、その評価の商品への役立て方も変わってくる。商品によっても異なるが、おおむね購入直後は「使いやすさ」、数カ月後は「機能の便利さ」、数年後は「品物の丈夫さ」が評価する目安になる。

顧客満足度調査を行った後は、結果を速やかに「見える化」する。顧客から最も評価されたメリットを伸ばしながら、評価の低いデメリットを解決するための商品戦略を立てる。短期間で解決できる課題ならばすぐ対応するとともに、長期で取り組む課題には対策計画を立案するなどだ。

また、商品の品質を高めるには、顧客だけではなく従業員に対する満足度調査も重要だという意見もある。労働環境を改善したり、従業員にビジネスチャンスを与えたりすることで従業員のモチベーションを向上させ、それを顧客満足度の向上につなげようという考え方だ。

顧客が商品に満足することの重要性

顧客満足度調査は、プロセスマネジメントの手法「PDCAサイクル」でも重要な役目を果たす。

PDCAサイクルの中で、顧客満足度調査は「Check」に相当する。顧客満足を狙って開発した商品が、実際はどのように受け止められているのか、調査によって検証するのだ。

PDCAサイクル Plan-Do-Check-Act(計画・実行・検証・改善)を1つのサイクルとして、業務効率を向上させていく概念。Planでは、従来の実績や将来の予測を基に業務を計画。Doでは、その計画に沿って実行。Checkでは、計画と実行の実際を検証。Actでは、検証結果の課題を改善。これを連続で行うことによって、継続的な業務改善を目指す。


さらに品質管理の国際標準規格「ISO9001」では、商品の品質を高めるために顧客満足度の情報をモニタリングすることが求められている。つまり、ISO9001の認定を取得するには、顧客満足度調査の仕組みをきちんと確立することが必須なのだ。

顧客満足度調査を自社で実施するノウハウがなければ、調査を代行するサービス事業者が数多く存在するため、業務代行として利用するのもよいだろう。顧客満足度調査を正しく分析し、顧客の趣向や要求を的確に取り込み、顧客満足度をさらに向上させていけば、商品の品質も自ずと向上するのは間違いない。

(掲載:2007年11月)

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