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多種多様な手段を統合する新しい通信のあり方
ユニファイド・コミュニケーション

メール、電話、FAX、ビデオ会議、インスタントメッセンジャなど、あらゆる通信手段を一元化するユニファイド・コミュニケーションが注目を集め、導入企業が徐々に増え始めている。オフィスにどのような新しいスタイルがもたらされるのだろうか。

進化と発展で多様化する通信手段が
同時に乱立という弊害を生む

かつてのビジネスの現場では、固定電話とFAXだけが一般的なコミュニケーションの手段だった。それが十数年前にインターネットが普及し、移動体通信の技術革新も進むと、今度はメールや携帯電話がコミュニケーション手段の主流になる。さらにその後、ネットワークはさらなる進化を遂げ、ビデオ会議システムやインスタントメッセンジャなど、続々と新しいコミュニケーション手段が登場した。現在は、さまざまなコミュニケーション方法を実現するソフトウェアやサービス、機器が登場し、市場を賑わせている。

新しいコミュニケーション手段が登場して発展したとはいえ、それによって私たちのビジネススタイルは大きく変化しただろうか。確かに、メールや携帯電話、ビデオ会議システムの普及が、ビジネスのスピードアップ、意思決定の迅速化に大きく寄与したことは間違いない。だが、それぞれのコミュニケーション手段は独立したままである。連携して使うのは、例えば会社のメールを携帯電話に転送するといった程度だろう。

1つ1つのソフトウェアやサービス、機器が優れていた技術であるにもかかわらず、なかなか連携していないのは、その独自性が最大の理由だ。ソフトウェアやサービス、機器を提供するベンダーは、独自に機能を追加、拡張してきたが、それは他のものとの連携を想定したものではない。それぞれによって使い勝手が異なるために、機器ごと、もしくはベンダーごとにも使い方の習得で時間がかかる。これでは、高度で豊富になった機能を使いこなせないばかりか、煩雑な環境がむしろユーザの生産性を損なうことにもなっている。

使い勝手を意識した通信手段の統合
「ユニファイド・コミュニケーション」

こうしたコミュニケーション環境における現状の課題を解決するものとして、今注目を集めているのが「ユニファイド・コミュニケーション」である。これは、あらゆるコミュニケーション手段を統合、一元化し、ユーザが本当に使いやすいコミュニケーション環境を構築するものだ。

しかし、ユニファイド・コミュニケーションを実現するのにも、いくつかの課題がある。その最たる課題とされるのが、事前の投資効果が測り難いという点だろう。企業の経営者ならば、どんな設備投資であっても、その費用対効果を計算するものだ。ところが、コミュニケーション環境の整備に充てる投資というものは、費用対効果が見えない、もしくは数値として表し難い。

導入までの道のりを考えると、現場レベルからボトムアップで提案し、経営者の意思決定を仰ぐには、数値を示すことができないためハードルが高い。経営者自身が必要性に気づき、トップダウンによって決定する、というのも難しいだろう。またいずれの場合も、コミュニケーション環境を運用管理する部門では全社的な計画や調整にコストを払う必要がある。なにより、統合的なコミュニケーション環境の構築後、従業員がそれを使いこなし、成果が見えてこなければ意味がない。

では、ユニファイド・コミュニケーションの導入を考える際、何が有効な情報となり、どのようにすれば導入に関する意思決定のハードルを下げることができるだろうか?

ここで最も参考となるのが、実際に導入した先進ユーザの事例である。事例による企業規模、導入規模、必要となった期間やその効果を自社に置き換えてみると分かりやすい。例えば、メールを中心とするメッセージングの基盤に、IPセントレックス導入による電話機能の統合を果たした事例を紹介しよう。

中堅規模のある企業では、社内連絡の手段としてメールと固定電話を利用していた。大きな不都合は感じていなかったが、内線をかけて相手が不在の場合、かけ直すかメールを出し直したり、もしくは緊急ならば携帯電話にかけ直したりといった手間を解消しようと考えた。

IPセントレックスを導入し、電話機能をメールシステムと連動するように統合を行った。これによって、社員がパソコンで連絡先を調べたときに、相手が在籍しているのか不在なのか、不在の場合の緊急連絡先はどこなのか、といったことが一目で分かる仕組みとなった。

導入後、相手が不在による電話のかけ直しやメールを出す二度手間、または緊急連絡先が分からず連絡が取れないというコミュニケーションのロスが大きく削減されたという。こうして改善されたコミュニケーションロスにかかる時間に人件費をかけあわせていけば、どれだけの効果が生まれたかが明らかになってくる。

導入による効果「コミュニケーションロスの低減」

すべてのコミュニケーションを記録して
内部統制やコンプライアンスにも活用

先の事例は、コミュニケーションを取りたい相手がどんな状況かを表示するプレゼンス情報が大きな要素となっている内容だが、こうした機能をはじめとして、ユニファイド・コミュニケーションを実現する製品はどんどん登場している。Webアプリケーションをベースとして実現する製品から、オフィスで一般的に使われる市販のアプリケーションや携帯電話と連携してプレゼンス情報を表示することができる仕組みなど、すでに多くの企業で利用されている。

また、ユニファイド・コミュニケーションはユーザの生産性と利便性を向上させるだけではなく、内部統制対策、あるいは個人情報保護などコンプライアンスへの対策としても役に立つ。例えば、これまでにもメールのログを保存するシステムはあったが、加えて電話による音声の会話をすべて録音したり、インスタントメッセンジャを使ったチャットの内容もログとして保存すれば、監査の証跡として有効になる。同時に、こうした録音やログの保存をユーザに事前告知することで、内部からの情報の持ち出しを抑止する効果も考えられる。

こうした効果からも、今後はユニファイド・コミュニケーションを構築する流れが加速していくことは間違いない。ユーザの生産性向上、そして情報セキュリティの観点からも、ユニファイド・コミュニケーションを導入し、ビジネススタイルの変革を望みたい。

(掲載:2008年6月)

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