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ハウジングサービスとホスティングサービス
社外におけるサーバ運用の一長一短

インターネットを通じて多くの情報が飛び交う現在では、企業サーバが多く存在している。さまざまな理由から自社内でサーバ運用をしている企業も多いが、業務規模が大きくなればなるほど管理やコストが問題となる。解決策の1つは、データセンター事業者が提供するサービスを利用することだ。

事業拡大や管理コストなどで難しくなる
社内でのサーバルーム運用

業務フロアのOA化、ワークフローへのパソコン導入、基幹システムの構築やインターネットの普及などによって、企業で扱う情報量は増加する一方であり、伴ってサーバやストレージ、ネットワーク機器も毎年のように拡張されている。こうして増え続ける機器と情報を扱う上で難しくなるのが、社内で中心として稼働するサーバの運用だ。

サーバなどのIT機器が増えることによる最も大きな課題は、電源容量である。サーバとネットワーク機器が数台ほどで外付けのストレージは1〜2台程度しかないような、サーバルームは必要ではなくサーバラックだけで足りるごく小規模のIT環境ならば、一般的なオフィスの電源容量でも十分にまかなえる。部署で使うデータベースやグループウェアがいくつかと、これらをつなぐ社内LANの構築といったレベルのものだ。

だが、事業が拡大したり、冗長性を得て安定性を高めるためなどで機器が増えると、オフィスの電源容量ではあっという間に超過してしまい、電源の増強が求められる。また、より高性能な機器を導入するには一般の100V電源ではなく200V電源が必須で、新規に電源工事を行わなければならないこともある。そして、機器の数や電源電圧が増えればそれだけ発熱量も大きくなり、冷却のための空調設備も強化が必要になる。これらはさらなる電源容量を必要とする。

電源以外にも多くの課題がある。大型の機器を集中して設置することになるため、その荷重にも気を配らなければならない。さらに、情報の漏えいや盗難に対する物理的なセキュリティ対策、毎日の運用のための効率的な管理システム、内部統制を実現する運用管理体制の導入、さらには免震設備の設置なども検討する必要がある。

重要な情報を絶対に外部に持ち出したくない、委託したくないという理由から、大きなコストと手間をかけても社内にサーバルームを置くという選択肢はもちろんあるだろう。一方で、かかるコストと手間を考慮し、サーバルームを外部の専門事業者によって運用するという手段もある。それが、ハウジングやホスティングなど、データセンター事業者が提供するサービスだ。

社外サーバルーム運用方法「ハウジング」
外部データセンターでサーバを“間借り”する

自社のサーバ環境を外部に委託する方法の1つとして「ハウジング」サービスがある。これは、外部のデータセンター事業者が持つサーバセンターの一部を利用し、そこに自社のサーバルームを設置するというイメージになる。多くの企業が「当社のデータセンター」と呼ぶ施設の大半は、このハウジングサービスを利用したものだ。

ハウジングサービスとしては、データセンター事業者が用意するラックスペースと各種の電源、ネットワーク回線といったファシリティ設備を借り受ける。データセンターの一画を間借りするという感覚だ。サーバを設置するために最適なサーバルームを専門事業者に用意してもらい、これ以外のサーバをはじめとする機器は、契約した企業がすべて自前で持ち込んで設置を行うことが基本となる。

サーバやネットワークの構成に自由度と拡張性が高いことがメリットとなる一方、サーバの設置と構築から運用管理に至るまでの手間をすべて契約者自身が行わなければならない。例えば、データセンター内部への入退出管理といった物理的なセキュリティ対策は事業者が責任を負うが、ネットワーク経由のセキュリティに関しては契約者自身が対策することになる。

ただし、データセンター事業者によっては、さまざまなマネージドサービスを用意していることもある。365日24時間のサーバ運用監視にはじまり、ネットワークの構築からソフトウェアの導入・設定までを事業者にアウトソースできる場合もある。また、ルーム単位ではなくラック単位、それもラックの一部、1Uから提供するハウジングサービスもあり、こうしたサービスを利用すれば初期導入の予算を最小限に抑えたスモールスタートが可能になる。

社外サーバルーム運用方法「ホスティング」
外部データセンターに部屋も機器も“レンタル”する

サーバ環境の外部委託方法のもう1つが「ホスティング」サービスになる。ハウジングサービスにおけるファシリティ設備の提供に加え、事業者がサーバやネットワーク機器、各種ソフトウェアの設定なども用意するというサービスだ。契約者は基本的にハードウェアを一切用意する必要がなく、構築済みのソフトウェア環境だけを利用する。ハウジングサービスをオーダーメイドによるカスタム品とするならば、ホスティングサービスは既製品のレンタルといったところだ。

システム構成の自由度や拡張性は少なくなるが、一般的に求められるWebサーバやデータベースサーバなどのメニューは種類も多く提供されていて、非常に特殊な用途や大規模の構成でない限りは不足することがないだろう。契約者がハードウェアのメンテナンスを一切行わずに済むという点で、専任のIT管理部署を設けることが難しい中小企業にはメリットが大きい。

ホスティングサービスは、サーバの提供方法により、共用サーバ、専用サーバ、VPS(仮想プライベートサーバ)などの種類に分類できる。

共用サーバサービスは、1台のサーバをソフトウェア的に分割し、複数の契約者で利用する。1台のパソコンを複数アカウントで利用するイメージだ。サーバやネットワークの処理能力を共有するため、契約者同士で負荷の影響を受けやすいというデメリットがあるが、保守コストも複数の契約者全体で負担するため、安価に利用できるのが特徴となる。

専用サーバサービスは、これとは逆に、1台のサーバを1人の契約者が占有する。サーバを独占することで、そのサーバの管理者権限が契約者に渡されるため、ある程度まで自由なサーバ構成を構築でき、その機能と性能のすべてを利用できるメリットがある。ただし、その分のコストを負担する必要がある。

これら共用サーバサービスと専用サーバサービスの両方のメリットを活かすホスティングサービスとして注目されているのがVPSサービスである。共用サーバサービスと同じく1台のサーバを複数の契約者で利用するが、仮想化技術によってそれぞれの契約者のサーバ環境を分割させる点が異なる。これによって、専用サーバサービスと等しいサーバの独立性が保たれ、契約者同士の負荷が影響することなく、しかもそれぞれに管理者権限を与えることが可能になっている。そしてサーバ自体は共用のため、利用者はコストを抑えることができる。

共用サーバサービス・専用サーバサービス・VPSサービス


サーバルームのアウトソースは、その規模や用途によって最適なサービスが変わってくる。また、昨今に求められるグリーンIT内部統制への対応、事業を継続していくための災害対応など、サーバ運用に求められるものはさらに高度化、専門化している。多くのデータセンター事業者は、契約者のニーズを満たすために豊富なサービスメニューを用意しているので、検討と相談をしてみるとよいだろう。

(掲載:2008年8月)

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