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今のスマートフォンと携帯電話はどこまで違う?
求められるスタイルに合わせてそれぞれ進化

今や携帯電話はメール通信やWebサイト閲覧ができ、スケジュール管理やおサイフ機能など非常に多機能・高機能化している。では、こうした携帯電話に対する今のスマートフォンの違いは何か、そしてビジネススタイルに影響はあるだろうか。

iモードで進化した日本の携帯電話と
PDAから発達した海外のスマートフォン

2008年7月、海外では既に発売されていた「iPhone 3G」が日本でも発売されることによって、ビジネス層だけではなく、一般のユーザにもスマートフォンという言葉が知られるようなった。

そもそもスマートフォンは、PDA(Personal Digital Assistant)で音声通話も行いたいというニーズに対して、通信機能を搭載することから生まれてきている。それを実現したのが、1996年に登場したノキアのスマートフォン「Nokia 9000 Communicator」だ。国内では2004年にボーダフォンが「Vodafone 702NK」(ノキア製)を、2005年にはウィルコムが国産初のスマートフォン「W-ZERO3」(シャープ製)を発売している。

スマートフォンは海外で先行・普及したのだが、その背景には、海外の携帯電話は日本のiモードのようなブレークスルーを経験しなかった点が挙げられるだろう。つまり携帯電話は電話としての機能に留まり、それとは別に、パソコンやPDAの機能をベースにして音声通信を付加した、フルキーボード+大画面のスマートフォンが望まれて登場したのだ。そしてさらに進化形として、大画面タッチスクリーンの「iPhone」へとつながっていく。

一方、日本は1999年2月、iモード搭載の携帯電話の登場によって携帯電話がスマートフォン的な進化の世界に入り込んでいく。スマートフォンの条件とされる「音声通話」「データ通信」「アプリケーション活用」が、iモードで実現したからだ。これ以降、日本の携帯電話は独自の進化を遂げ、今や軽量・小型ながらメールやWebブラウザはもちろん、さまざまなアプリケーションも利用できる一種のスマートフォンとなった。

日本の携帯電話は小型化と高機能化の路線を追求し、iモードによるブレークスルーを経て、スマートフォン的な進化を遂げた。つまり、音声通話→データ通信→アプリケーション活用へと、その守備範囲を広げてきたのが日本の携帯電話である。逆に、アプリケーション活用→データ通信→音声通話の方向で守備範囲を広げてきたのがパソコンやPDA、そしてスマートフォンである。つまり広義には、スマートフォンはパソコンと携帯電話の狭間に位置付けられるものになる。

日本でも動き出したスマートフォン端末
各社勢揃いで新たなサービスの組み合わせも期待

現在、スマートフォンの世界シェアはノキアが約5割を占めているが、対して国内ではウィルコムの「W-ZERO3」が約7割のシェアを持ち、独特の状況を見せている。いずれの機種もフルキーボードを備えた端末であり、日本ではこのW-ZERO3のインパクトが強かったために、スマートフォンといえばフルキーボード搭載という印象があるが、iPhoneを例にすれば分かるように、必須条件ではない。

また、搭載するOSも初期のころはSymbianが採用されたが、現在ではWindows MobileやLinux、BlackBerry、それにAndroidなど次々に新しいものが加わっている。これらはPDAもそうだったように、それ単体だけではなくパソコンとの親和性や連携性も重要視されている。さらにはスマートフォンをインターネットにつなぎ、Webアプリケーションを利用してパソコンにも引けを取らない高機能な処理をこなすことまで今では想定されている。

こうした中、2007年末、日本におけるスマートフォンに関する共同調査が行われた。携帯電話やPHSの個人利用者におけるスマートフォンの利用率はわずか3%に留まり、認知度も「知らない、分からない」とした回答を除いても40%となっている。また、スマートフォン利用者の使用端末はウィルコムのW-ZERO3シリーズが3位までを独占しており、この3機種で全体の約7割を占めた。次いで、ソフトバンクの「X01HT」やNTTドコモの法人向け「BlackBerry」、個人向けの「FOMA NM850iG」などの機種が続く。

その後、2008年に入ってからはiPhoneの話題もあり、携帯市場に参入したイー・モバイルが3月にスマートフォン「S11HT」を発売、そして7月にはソフトバンクが「iPhone 3G」を発売している。KDDIもスマートフォン「E30HT」を来春発売予定となっており、これで日本の携帯キャリアが勢揃いでスマートフォンを扱うことになる。さらにこの2008年は、KDDI系のUQコミュニケーションズが次世代高速無線WiMAX(ワイマックス)方式を、そしてウィルコムも次世代PHSサービス「WILLCOM CORE」を順次スタートさせていく予定で、これによる新たなスマートフォンの登場も期待される。

タッチパネルとフルキーボードで
エンターテイメントとビジネスに先鋭化

先の調査では、スマートフォンの機能の内、良いと思う機能はタッチパネル、フルブラウザ、キーボードであり、スマートフォンで利用したい端末はWindows系OSと答えた人が60%を超え、メール機能も約半数が必要と回答したという。ここから、パソコンの代替としてスマートフォンを利用したいと考えていることが伺える。

これは、フルキーボードを備えた世界標準のスマートフォンと、日本独自の携帯電話由来のスマートフォンでは、明らかにターゲットやニーズが異なることを意味している。日本が求めるスマートフォンは、携帯電話の小型・軽量や携帯アプリを選んで使うといった手軽さを継承して、音声や映像をベースにしたエンターテイメント、生活便利ツールとしての道を歩んでいくだろう。

一方、フルキーボードを備えた海外のスマートフォンはビジネス指向であり、多少は大きく重くなってもデータ通信機能がしっかりとして、多くのアプリケーションを自由に組み合わせ・カスタマイズできるものが求められるだろう。その中で、音声通話は機能の1つであり、中心ではない位置付けだ。従って、ユーザには音声通話用の携帯電話も持つというスタイルが多いようだ。

iPhoneに刺激され、今ではその他の機種でもタッチパネル搭載のスマートフォンが多く出されている。エンターテイメントや生活便利機能が取り入れやすく、日本の好む携帯電話由来のスマートフォンとも良いライバル関係になれそうだ。今後は、タッチパネルのスマートフォンは個人向け、エンターテイメント系の端末ツールとして、そしてフルキーボード搭載のスマートフォンはビジネス向けツールとして棲み分けていくと思われる。

(掲載:2008年11月)

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