ビジネスお役立ち情報 > ビジネストレンド特集

ビジネストレンド特集ビジネストレンド特集 CADを利用して設計を行う際に必要なノウハウを紹介。

ビジネストレンド特集 のトップへ

次世代に入った3次元CADデータ運用。業務改革をもたらすデータ管理の実現のために

SolidWorksやInventorなどのミッドレンジ3次元CAD市場が活性化し、市場のすそ野も広がってきている。
製造業の多くの企業に3次元CADが導入され、活用され始めている。大塚商会では、3次元CADの導入から活用、データ管理までのステップごとに最適な提案をしている。3次元CADを活用し、企業競争力を高める提案は、顧客やCADベンダーからも支持を獲得している。

すそ野が広がり、市民権を得た3次元CAD

設計の3次元化は確実に進んできている。以前であれば、「2次元設計で問題はない」としている企業に対し、設計を3次元化するメリットを丁寧に説明していたが、現在ではユーザー自身が「3次元CADのメリット」を十分把握している。そのような意味では、3次元CADは市民権を得たと言えよう。

当初、3次元CADは、航空機や自動車メーカーといった輸送機産業が第一先駆者として採用し、続いて家電などのコンシューマメーカーに展開されてきた。ソフトウェアも高価で高機能なハイエンド製品ばかりではなく、SolidWorks(ソリッドワークス社)やInventor(オートデスク社)を代表とする、手頃な価格で操作性が良いミッドレンジ製品が提供され、3次元CADのすそ野が一気に拡大していった。

最近では中小規模の製造業においても、3次元CADの導入が進み、特に自動車関連業界や情報・精密機器関連業界などでは3次元CADシステムを主として利用している企業が約8割に達しているといったデータもある。

3次元CADで設計を行うとあいまいさが排除されるため、2次元の時と比べ精度が求められ、手間と時間がかかるという事実は否めない。しかし、3次元の設計データは、シミュレーションや製造工程、検査などに活用でき、大幅な工期短縮・コスト削減・品質向上につながる。こういった生産の初期の段階(フロント)であるデザインや設計に負荷をかけて(ローディング)、製品生産全体の工程を短くする考え方を「フロントローディング」という。まさに企業競争力を高めるための有効なツールとして、設計の3次元化が進められているのだ。

↑ページの先頭へ戻る

3次元CAD活用の3つのステップ

ここから3次元CADの導入から活用までを3つの段階に分けて考えてみよう。第1ステップは「3次元データの作成」。これは3次元CADソフトを導入し、使用することで実現する。第2ステップは、その「3次元データを活用」することだ。その代表例が前述の、第1ステップで作成された3次元データを用い、構造解析などを含むシミュレーションで、設計の品質を上げていくことなのである。構造解析を筆頭とする解析を実行することで、出図前の品質向上・品質確保、出荷前の試作・実験工数削減によるコスト削減にもつながる。

「3次元データの活用」のもうひとつの大きなメリットが、他セクションでのデータ利用である。例えば、3次元データはマニュアルや作業指示書・組立指示書などのドキュメント類作成での活用も容易だ。これまでドキュメント類作成には別途、2次元の図面やイラストを書き起こしてきた。この工数が不要になるばかりか、「正確」な3次元CADデータを利用することで、図版の精度も大幅に向上する。

また、普段CADを使用しない部門でも軽量化された3次元データを利用し、CADを使わずに3次元データを有効に活用できる。例えば、営業では製品構成の把握や見積作成に、サービス部門では不具合対応や保守トレースなどで活用されている。設計段階でのデザインレビューでの利用を代表に、製品生産過程の上流から下流まで、3次元データを中核においたコミュニケーションの革命が起こるのだ。

また3次元データを使い、自社内での試作を可能にするラピッドプロトタイピング(Rapid Prototyping:RP)という手法も、さまざまな材料や造形手法などが開発され、普及しつつある。3次元データさえあれば、短時間で立体モデルを作成できるため、利用が広まっている。

これまで意匠や機能の評価を行うため、外部の専門業者に作成依頼した試作品を元に大きさやフィット感、機構がどのように動くかなどを確かめてきた。しかし、その試作品にはデザインはもちろん、技術情報が集約されている。それを外部に発注するには情報漏えいのリスクが少なからず生じていた。試作品が納品されるまで、タイムラグが生じるという問題もあった。

特に昨今、コンシューマ製品は「デザイン」が重要視される。デザイン性の高さが、そのまま商品価値につながるといっても過言ではない。そのため、最新のデザインデータを外に出さずに、試作の内製化を進める企業が増えている。

現在、RPの中でも導入・運用コストが抑えられ、専任者が不要な「3Dプリンタ」が脚光を浴びている。外注に頼らなくても、設計者がオフィスで機構やデザインを作り込んで、検証することも可能になる。製品開発の早い段階で問題を洗い出し、作り込みが行えることから、工数の削減にもつながる。また、情報を「外」に出すこともなくなるため、セキュリティ面での心配も少ない。

余談だが、デザイン部門と設計部門では、使うツールなども異なり、その間の壁が存在するように見える。しかし最近、デザインと設計の融合が水面下で急速に進んでいるのだ。3次元CADベンダーがデザインツールの提供メーカーを取り込み、その技術やノウハウを自社内に蓄積し始めている。デザインと設計のハードルは、今後低減されていくだろう。

図1 3次元CAD活用の3ステップ
→ 印刷用図版(PDF 553KB)

■3Dプリンタによる出力サンプル

■3Dプリンタによる出力サンプル 光硬化樹脂を用いたインクジェット法、粉末法、シート積層法、FDM法など造形手法も多岐にわたる。光硬化樹脂を用いたインクジェット法、粉末法、シート積層法、FDM法など造形手法も多岐にわたる。

↑ページの先頭へ戻る

3次元データの適切な管理で、全社的に技術情報を有効利用

第3のステップは、既存データの活用を促し、流用設計の効率化を図る「3次元データの管理」だ。

まず企業の技術情報の管理体系を考えてほしい。多くの場合は、営業部門/サービス部門/生産部門などからの要求にすべて技術部門が応えているのではないだろうか。図面や技術文書の入手や、不具合に対する問い合わせなどに対応していると、設計中の思考や作業も中断され、後戻りが発生することもある。情報の流れが技術部門に集中し、負荷が過大となっているのだ。

「設計業務」においては、適切にデータを管理していない場合、各設計者が「同じようなデータ」をそれぞれに書き起こしている場合が多い。探したり聞いたりする時間があれば「作った方が早い」として、本来必要のない作業時間を費やしている。一方で、設計者は過去のデータを探すためかなりの時間を割いているともいう。どちらの場合にしても、流用率を向上させることで、設計品質の向上や設計にかかるリードタイムの大幅な短縮になる。

また一般的な「図面管理」では、CADデータや部品表、出図図面は、それぞれ別々の管理となっている。そのため、各々の関連性を含め、最新版であるという保証ができない。さらに、設計変更が生じた場合、影響がある製品が一見してわからない。

これらのさまざまな課題は、3次元データを「管理・運用」することで解決できるのだ。部門間で3次元データを共有するには、技術情報を正しく管理・運用し、スムーズな情報の流れをつくることが重要だ。それにより、各部門は、技術部門に問い合わせなくても、必要な情報を入手できるようになる。設計業務、正式図管理、部品構成管理、出図業務、問い合わせ対応、原価見積もりなどそれぞれのフェーズでの課題も解決する。つまり、正しい3次元データの管理は、業務改革をもたらすのである。

図2 3次元データの利用目的
→ 印刷用図版(PDF 603KB)

↑ページの先頭へ戻る

製品情報管理を容易にする『eValue NS ドキュメント管理』

多くの3次元CADソフトベンダーは、データ管理ツールを提供している。また、個々の製品にかかわる情報を統合的に管理し、効率化やリードタイムの短縮を図るべく、製品情報管理システム(Product Data Management:PDM)を導入するケースも増加しつつある。PDMは主に、製品構成管理と、CADなどの図面データや仕様書などのドキュメント管理、原価やスケジュールなどの関連情報との統合管理機能を担い、製品情報の一元管理を実現する。上流の設計情報を下流の生産管理やデータ共有へスムーズに流すことができる理想的なソリューションだ。

しかし、PDMはどうしても大がかりなシステムになってしまい、カスタマイズを含めた導入コストと導入後の運用コストがかかってしまう。PDMを導入するのが、理想的ではあるものの、残念ながら、大企業ほどの体力がない中小企業にとって、導入・運用しきれるソリューションには至っていないのが現状だ。

そこで、大塚商会では『eValue NS ドキュメント管理』(旧:Visual Finder)上で稼働する「構成管理オプション」をおすすめしている。この「構成管理オプション」を活用すれば、Web上で部品表を作成でき、仕様書や図面などのドキュメント管理機能とともに、PDMの主機能である製品構成管理と技術情報の統合管理が可能となる。3次元CADソフトベンダーが標準的に提供するデータ管理ツールにて3次元データの「仕掛りデータ管理」を行い、3次元データのアセンブリ構成や出図図面等の完成図書を自動的に取り込むことで、製品構成情報を含む「成果物管理」の仕組みを実現し、導入コスト・運用コストを抑えられるソリューションとなっている。

構成情報、部品情報、図面情報などが一画面内で表示されるため、必要な情報が効率よく探せるというのも大きな特徴と言えるだろう。また、生産管理や調達システムに構成部品表を引き渡せることで、スムーズなシステム間連携を実現する。技術情報の適切な管理を目指しながら、PDMの導入に二の足を踏んでいた企業の方は、大塚商会に気軽に問い合わせていただきたい。

図3 技術情報管理システムのグランドデザイン
→ 印刷用図版(PDF 652KB)

図4 『eValue NS ドキュメント管理』(旧:Visual Finder)「構成管理オプション」
→ 印刷用図版(PDF 665KB)

↑ページの先頭へ戻る

3次元 CADを中心とした大塚商会の課題解決サポート

3次元CADは、正しく活用すれば、企業の競争力を強化する導入効果の高いソリューションとなるが、一歩運用を間違えれば設計者への負担が激増してしまう。そのような悲劇を避けるためにも、豊富な導入実績とノウハウを持つ大塚商会に相談してほしい。

3次元CADを導入するには、基礎教育、設計環境構築準備、運用ルール構築、実運用トライ、本格稼働という流れがあり、定着まで至る道のりは長い。その間、大塚商会の多様なコンサルティングサービスにより、短期間で無駄なく3次元CADの導入を進めることができる。見えるコストのみならず「見えないコスト」削減にも寄与する。

新しい世代に入った3次元CADの導入前から導入・運用・管理まで、さらに生産管理や文書管理、承認システムの構築にいたるまで、トータルなグランドデザインで顧客の課題を解決し、必要なソリューションをワンストップで提供できる大塚商会にぜひお問い合わせいただきたい。

(掲載:2008年12月)

関連リンク

企業のITセキュリティ講座