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Design CAEで設計しながら解析を!導入のハードルが下がり、開発コストと期間を大幅に圧縮

より高い品質を、より低コストで、より短期間に..。製造業界では今、徹底した合理化が続けられている。そうした状況下のものづくりを支えているのが、CADやCAEなどのITツールだ。設計段階でのモデルをCAEで検証することも、今では当たり前になってきた。大塚商会ではこのCAEを3つのクラスに分け、各企業のニーズに最も適したツールを、メーカーや製品にとらわれず提案している。中でも中堅企業が気軽に導入できるDesign CAEと呼ぶクラスは、設計者でも簡単に使いこなせるのが特長だ。構造解析に加えて、最近では流体解析や機構解析ができるDesign CAE製品が増えている。

幅広いラインナップで多様なニーズに応えるCAE

世界をリードし続ける、日本のものづくり。それを支えているのが、CADやCAEなどのITツールだ。

その一つとして注目されているのがCAE(Computer Aided Engineering)ソフトウェアだ。モデルの変形や振動を数値的に解析・シミュレーションすることで、設計に起因する問題の有無を製造前や試作前に検証できる。例えば、構造解析ならその設計案がどの程度の外力に耐えられるかが分かり、流体解析なら液体や気体の動き、温度分布を可視化できる。電気製品の開発には、電磁場解析が欠かせない。

一般に、CAEを実行するには強力なコンピューティングパワーと大容量のメモリを必要とする。このため、以前はスーパーコンピュータや並列コンピュータを導入できる大企業でなければ社内で稼働することは難しかった。しかし、プロセッサ性能の飛躍的向上とメモリ価格の低下により、現在ではマルチプロセッサ・マルチコア仕様のサーバやワークステーションも容易に入手できるようになった。中堅企業でもCAEを気軽に使える時代が訪れたのだ。

大塚商会ではCAE製品を以下の三つのクラスに分類している。Power CAE(高度な解析ニーズ向け)、Middle CAE(上級設計者向け)、Design CAE(設計者向け)という構成だ(図1)。

Power CAEは多様な解析ジャンルのそれぞれに高度な機能を持った専用ソフトウェア群だ。より実態に近い、精度の高い結果を要求されるシーン向けで、使いこなすにもそれなりの専門性と経験、力量が必要となる。研究施設や試験機関、大手企業の解析専門部署での導入が主だ。

Middle CAEはPower CAEとDesign CAEの橋渡し的なグループ。Design CAEでは行えない非線形、動解析を行いたい、Design CAEでは物足りないというエンジニアの要望に応える。Design CAEはCADソフト上で、もしくはCADで作成したデータをダイレクトに取り込み、設計作業と並行して解析を行えるいわゆるエントリーモデルだ。初心者でも安心して使えるよう各メーカーもGUIや、定義の自動化など工夫を凝らしている。

特にDesign CAEは、前述のように裾野が拡大していることから機能強化も著しく、できる解析の種類も増えラインナップが拡充している。

図1 設計者向けから解析専任者向けまでの多様なCAE製品群

→ 印刷用図版(PDF 668KB)

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設計段階で安全性と品質を確保。コスト削減と期間短縮にも効果

Design CAEは主に2つの理由からニーズが高まっている。

まず、品質や安全性に対する社会の意識が高まっていることだ。1995年に施行された製造物責任法(PL法)により、自らに過失がない場合でも、メーカーは製造物の欠陥によって生じた損害を賠償しなければならなくなった。また、リコールにまで発展すると、商品の交換や点検に莫大なコストが発生する。長期的には、取引先からの信用やブランド・企業イメージが損なわれ、その損失は計り知れない。

このようなリスクが想定されるのなら、多少コストをかけてもCAEを導入し、トラブルを未然に防止した方が合理的と経営者が考えるのはごく当然のこと。納入先からも解析結果の提示を求められることが多くなってきたので、少なくとも3次元CADに統合されたDesign CAEで基本的な解析やシミュレーションだけはやっておこう、という傾向がある。

一方、製造コストの引き下げや納期の短縮を目的にDesign CAEを導入する企業も多い。

設計に起因する問題が製品にあった場合、それが判明するのが後になればなるほど、手戻り工数が増え、リカバリの時間が長くなってしまう。従来は試作で問題を発見して設計案を修正したが、十分に高い品質を確保しようとすると、設計→試作→設計……の繰り返し回数も増す。試作のたびに金型を作っていると、その分コストも膨らんでいく。

設計の段階で解析やシミュレーションを行えるDesign CAEは、このプロセスの短縮に劇的に威力を発揮する(図2)。Middle CAEやPower CAEでは設計用の3次元モデルから解析用のモデルをそのつど作らねばならないが、Design CAEでは設計用3次元モデルをそのまま解析にかけられる。修正も反映しやすいので、短時間に何度も解析を繰り返せる。設計者自らが解析を行うので、解析担当者と打ち合わせをしたり結果が出てくるのを待っていたりする必要もない。実際の効果はケースバイケースだが、条件が整えば、開発期間を従来の半分から3分の1に短縮できるケースもあるだろう。

図2 Design CAEによって、製品開発の工程は大幅に短縮できる

→ 印刷用図版(PDF 671KB)

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高度で複雑な構造解析にも対応。工数増を抑える使いやすさも

では、実際のDesign CAE製品ではどのような解析・シミュレーションが可能なのか。代表的な製品に搭載された最新の機能を紹介しよう。

まず、CAEの基本中の基本ともいえる構造解析。有限要素法(FEM)などを使って物の応力、変形や振動を数値的に解析する。解析結果を分かりやすく示すために、部材の変形をグラフィカルに表示したり、かかっている応力を色分けで示したりする可視化機能をどの製品も備えている。製品間の競争が激しいことから、従来はMiddle CAEクラスに備わっていた解析/可視化機能をDesign CAEに持ち込む動きも顕著だ。現在では、相当に高度・複雑な構造解析がDesign CAEだけで行えるようになった。

例えばAutodeskファミリーでは、『AutoCAD Inventor Simulation Suite』と『AutoCAD Inventor Professional Suite』が構造解析と機構解析の機能を持っている。こちらの最大の特長として挙げられるのは、Inventorに完全統合されている手軽さと使いやすさ。メッシュサイズを自動で最適化してくれるアダプティブp-h法を標準で備えているので、FEMに詳しくない設計者でも精度の高い解析結果を得られる。

また、機構解析のモーションシミュレーションでは、設計用3次元モデルに設定したアセンブリ拘束に基づくアニメーション表示も可能。部材を画面上で動かしながら、位置、速度、加速度、反力、干渉の有無などをチェックできる。

さらに、解析に要する工数と期間を抑える機能も豊富に装備されている。複数の要素で拘束をかける際に役立つのが、パラメトリックテーブルツールとプロモートツールによる最適化解析。パラメトリック解析でベストの解を見つけ出し、それを設計用の3次元モデルに反映するという操作を最小の工数で実行できる。

ちなみに、SolidWorks系では構造解析は『SolidWorks Simulation Professional』で、機構解析は『SolidWorks Motion』によって、SolidWorksで作成したモデルをダイレクトに評価・解析できる。

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Design CAEで行える解析も多様化。流体解析や樹脂流動解析にも対応

構造解析におけるこのような深化・高度化と並行して、より多様な解析やシミュレーションがDesign CAEで実行できる多様化も進んできた。空気や液体の流れと温度・圧力を調べる熱流体解析、溶かしたプラスチックが金型にどう流れ込むかを解析する樹脂流動解析、電気・電子回路からの電磁波放射などをシミュレートする電磁場解析などがある。

パソコンや携帯電話など、現在の電子機器では小サイズの基板上に高発熱の素子を多数取り付ける。一方で、筐体はますます小さくなり、排気ファンを小型化または省略する製品が増えてきた。このような環境下で熱による誤動作を防止するには、設計の段階から筐体内の熱流体の解析が欠かせない。

SolidWorksファミリーの『SolidWorks Flow Simulation』では、『SolidWorks』で作成したバルブやパイプ・電子筐体などのモデルから、マネージャタブの切り替えだけで流体解析モデルを作成し、解析を行える。ウィザードでの初期設定やツリーマネージャの利用で解析条件の設定も簡単で、流体解析初心者でも安心して扱える(図3)。

また『SolidWorks Flow Simulation』で得た結果は、構造解析ツールの『SolidWorks Simulation Professional』へ圧力・温度条件として受け渡すことも可能だ。それにより『SolidWorks』を中心とした統合的なCAE環境が構築できる。

図3 『SolidWorks Flow Simulation 2011』の熱流体解析

→ 印刷用図版(PDF 745KB)

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実践的なトレーニングと多岐にわたるサポート

Design CAEを導入して使い始めることはそれほど難しくない。ソフトウェアの操作に限れば、2日ほどのトレーニングで使える製品がほとんどだ。

ただし、解析やシミュレーションによって“正しい”結果を得るには、物理現象についての基本的な知識と対象領域に対する深い理解が求められる。実物を試作する場合と違って、シミュレーションでは間違った前提や設定からも何らかの解が求められてしまう。CAEの結果を信じて作ったら動かなかったという失敗を避けるには、モデル作りや条件設定のポイントをあらかじめ学んでおくことが重要だ。

そこで大塚商会では、CAEを導入・立ち上げる企業のために、活用支援の教育・コンサルティングサービスを用意している。特にブレイクダウンコンサルティングにおいては、自社製品のCADデータを使用して、モデルの簡素化や結果評価のための前提理論を学べるので、より実務に即した技能を短期間で習得できる(図4)。

稼働後のサポート体制も万全だ。全国18カ所の拠点にCAD、CAEエンジニアを配置。首都圏・関西・中部には解析の専門部署も用意している。独立系CAEソフトのサポートも担っている。さらに今年からは保守ユーザ向けに「解析ユーザ会」を企画し、ユーザ同士の情報交換の場を提供している。

黎明期から解析ビジネスに深く携わってきた大塚商会。独立系ベンダーとして、ユーザ目線に立った評価とメーカーへのフィードバックを続けてきた。今後も大塚商会の取り組みに期待してほしい。

図4 大塚商会のCAE立ち上げサポートサービス

→ 印刷用図版(PDF 741KB)

(掲載:2011年1月)

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