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設計、レビュー、製造の垣根を越えて
CADのデータを共有・活用する

CADが登場し、広く普及を経て、今やさまざまな種類のCADソフトが使われるようになった。では、それぞれのデータをやり取りするにはどのように行い、どのような点に注意すればよいのだろうか。

CADの普及と多様化によって
あふれだすデータ形式

大型の汎用機で動作していたCADから、PCで動作するCADが登場し、そして利用され始めてから早くも20年程の時間が流れた。『コンピュータで図を描きデータを保存する』ことから始まったCADデータも、『物理的なメディアにデータを格納し受け渡しをする』『通信回線を経由してデータを共有する』『メールに添付してデータを受け渡す』など、その利用シーンや方法もめまぐるしく発展してきた。

それと同時に、CADソフトもさまざまな企業で開発され、日々改良を行われ、多種にわたって販売されている。これらCADソフトは、それぞれの開発企業によって固有の記述方法でプログラミングされており、基本的には同じCADソフトを導入していなければデータを活用することはできない。

CADソフトの場合は、業種の数だけそれに特化・最適化されたCADソフトがあるといっても過言ではなく、この状況下でCADデータを共用するためには、他のCADソフトでも利用できる形式にファイルを変換する必要がある。

2D CADデータのやり取りに使われる
標準フォーマット

異なるCADソフト間でデータをやり取りする際には、そのCADソフトで作成した独自形式のCADデータを、一般的に扱うことができる標準的な形式のCADデータに変換する。そして、そこから他のCADデータ形式へと再変換し、受け渡しが可能になる。このやり取りに使われるデータ形式のことを「中間フォーマット」または「標準フォーマット」と呼ぶ。


CADソフト間でのデータ交換は、中間フォーマットを介して行う


設計の現場では多種のCADソフトが使われているので、異なるCADソフト間でデータをやり取りしなければならないことが少なからず発生する。その際に使用される標準フォーマットのファイルとしては、AutoCADのデータ形式である『DXF』『DWG』であることが多い。

もともとDXFは、Autodesk社が自社製品AutoCADの異なるバージョン間でデータの互換性を得るために策定した独自の中間データ形式でしかなかったが、AutoCADが普及したことと、Autodesk社がDXF形式を公開したことによってCADデータの標準フォーマットとして広く使われるようになった。DWGについても同様で、これはAutoCADの図面オリジナルファイルのデータ形式であるが、他の多くのCADソフトでも読み込みができるようになっている。

この他にも中間フォーマットにはいくつかの種類があり、またCADソフトの組み合わせによっては中間フォーマットを介さずに直接ファイルを変換できる場合もある。しかし、一般的なCADデータのやり取りを想定した場合、DXFを利用するのが一番よいだろう。

なお、DXFやDWGを利用する際には対応形式に注意しておこう。ファイルをやり取りする際に「DXF(またはDWG)形式なのに開けない」という声をよく聞くのだが、保存するときには2000形式での保存をお勧めする。この形式で保存することで、近年のCADソフトのほとんどで読み込みに問題が無くなるはずだ。

DXFやDWGが一般的に利用されていることを考えれば、図面作成業務ではAutoCADを使っていなくても、こうした異なるCADソフト間でのデータのやり取りで生じるトラブルに対処するために、ある程度AutoCADの知識があった方が便利だろう。

設計現場だけではなく
レビューや製造現場でもCADデータを活用する

CADによる設計現場でデータを共有することは当然だが、今後はその枠を越えて、図面を基にしたレビューや製造の現場でも効果的にCADデータを活用していくことが進められている。

いままで設計図面のレビューの際には、CADデータを紙に出力し、赤ペンで図面に修正を加えて、これを設計者へ戻すということをしていた。レビュアーの環境には必ずしもCADソフトがある訳ではない、CADデータ以外のファイル形式では図面の精度が劣るなどの問題からデジタル環境でなかなか統一できなかったためだ。

これを解決するため、Autodesk社ではDWFというデータ形式を利用している。線の種類ごとに太さを関連させることで表示品質を向上させたり、図面の尺度変更も自由にでき、また、マルチシートDWFを利用することで、リンク先図面などをすべてプロジェクトへ自動的にセットしてDWFに取り込み、扱うことが可能になった。DWFの閲覧ソフト「Autodesk DWF Viewer」は無償でAutodesk社から配布されており、設計情報が共有できる。

さらにAdobe Systems社からも、3D CADデータの共有を主眼とした「Acrobat 3D」が登場している。国際標準のフォーマットをサポートし、設計現場だけではなく、製造現場においてもモデルデータを活用していく指針を打ち出している。

CADデータの利用はますます広がり、それによって今後も多くのデータフォーマットを扱う必要があるだろう。自身の業務に合ったファイル形式は何かを考えて利用していこう。

(掲載:2007年8月)

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