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建築開発を行う区域と行わない区域
都市計画法によるバランスのとれた街づくり

建築物の1つ1つについては、建築基準法によって規定がなされている。では、これらが集まってつくられる街は、どのように計画がされるのだろうか。その開発の道筋を決めるのが都市計画法である。

建築基準法と都市計画法
ミクロとマクロで街づくり

建築に携わる仕事をしていれば「建築確認」という用語を知っているだろう。建築基準法はこれを「建築主は……確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない」としている。

しかし、実際は確認申請を建築主自身が行うことは少なく、設計・建築事務所や建設会社などが建築主の依頼を受けて申請手続きを代行することになる。そしてこの申請手続を代行する際、建築基準法における建築確認の規定を満たすだけではなく、他にも許可や届出が必要となる場合がある。このうち最も重要となるのが、都市計画法の規定だ。

都市計画法が定めるものは、つまり「街づくり」に関わる法律である。人々が生活しやすく、美しい、秩序ある街を共につくっていくための規定がまとめられた法律だ。

街づくりのためには、街を構成する建築物が必要になる。建築物はそれぞれに安全で、その街の用途・目的に適合していなければならない。そうでなければ生活は難しくなり、住みづらい街となってしまう。そうした街にならないために、個々の建築物について規制をしているのが建築基準法である。都市計画法と建築基準法は互いに補完しあい、人々が住み働く場、生活の場を創造するためにある。

なお、都市計画法の指す「都市」「街」とは、市街地だけを表す語ではない。人々が生活する場、いわゆる都市部の市街地から農林漁業といった自然産業に従事する人々が住む街まで、その全般を指す。

建築物と街の法

この先の都市の発展を計画する
市街化区域区分の持つ意味

都市計画法では、まず日本全国を都市計画区域の内と外に分ける。都市計画を実行していく区域が都市計画区域内、原則として手を付けないでおく区域が都市計画区域外である。ただし、都市計画区域外でも一定の区域については規制を加えることがある。

都市計画区域内は、さらに市街化区域と市街化調整区域に区分することができる。1つの都市計画区域の中に1カ所でも市街化区域が定められたら、その都市計画区域内のそれ以外の区域はすべて市街化調整区域となる(図中「A都市計画区域」参照)。そして、市街化区域と市街化調整区域の区分をしていない都市計画区域を一般に非線引区域と呼ぶ(図中「B都市計画区域」参照)。

市街化区域とは、既に市街化されている(建物が数多くある)区域か、おおむね10年以内に市街化すべき(建築の予定が多い)区域である。市街化調整区域はこれと反対に、市街化を抑制すべき(特定の建物以外は建てさせない)区域である。

市街化区域と市街化調整区域
市街化区域は開発を進めるが、市街化調整区域では農林漁業従事者の住宅や農林漁業用の一定の建築物など以外は原則として建築させない

開発に向けた区域区分
市街化に対する建築制限

市街化区域内は建物を建てるための区域であり、都市計画法上は建築に対してそれほど厳しい制限はない。市街化区域では必ず用途地域が定められるため、用途制限に適合していれば特に大きな問題はなく、建築物のために切土や盛土など土地の区画・形質の変更を行う場合でも1,000平方メートル未満であれば開発許可を受ける必要もない。ただし、都市計画施設などの区域に指定されている区域や地区計画の区域に指定されている区域内であれば、許可や承認、届出などが要求される。建築確認の申請を行う場合には、事前に管轄の役所でこうした問題を確認・クリアしておかなければならない。

これに対して、市街化調整区域で建築をする場合には、ある程度の制限が発生する。例えば、都道府県知事(指定都市などの場合は市長)の許可を受けなければ建築できない。そして、この許可を申請しても、農林漁業従事者の住宅や一定の農林漁業用の建築物、そして一定の店舗などでなければ建築の許可がおりないのである。

また、市街化調整区域では、建築のために土地の区画・形質の変更を行う場合、それが小規模なものであっても建築の許可とは別に開発許可を受けなければならない。市街化調整区域では、都市計画上の理由で厳しい要件が定められている。

このように、市街化調整区域内での建築や土地の区画・形質の変更には制限が強く、開発は市街化区域に任されている。こうしたバランスによって人々の住む街づくりが進められているのだ。

(掲載:2008年9月)

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