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3D CADと動画コンテンツの組み合わせで
プレゼンテーション力アップ

最近は3Dデータと動画コンテンツをあわせて活用することで、部品の組み合わせや製品の動きを可視化できるようになった。エンジニアは3Dデータと動画を同時に扱えるツールによってプレゼンテーション力をアップでき、マネジメントや一般社員、コンシューマに対しても説得力を発揮することができる。

プレゼンテーションギャップによる
コミュニケーションの壁

3D CADの普及によって、専任のエンジニアではないマネジメント層や他部門のスタッフも、開発段階の製品イメージを容易につかむことができるようになった。しかし、それはあくまでも静止画が基本であり、組み合わせた部品や製品の動きは想像するほかなかった。動きは口頭や文章で説明することになるが、これでは正確に伝達することは難しい。例えスナップショットを交えて説明したとしても、実際に動く様子は分かりにくい。

製品は多くの部品が動的に組み合わされて構成される。設計者は部品の組み合わせや動きを頭の中で計算しながら設計しているが、マネジメント層や他部門のスタッフは動きを想像することが難しい。ここに製品のプレゼンテーションの限界があり、3Dデータだけのコミュニケーションの壁があった。3Dデータを利用して動画化することができれば、部品の組み合わせや製品の動きを可視化でき、コミュニケーションロスは大幅に減少する。

3Dデータと動画の活用による
説得力向上

そこで、3Dデータを動画として活用するツールが登場した。例えば「Autodesk Inventor」は、3D CADデータを活用して、部品構成などを動画として見ることができる。Autodesk Inventorを使ったアセンブリ部品の動画作成デモから、そのイメージをつかむことができる(下図)。Autodeskだけでなく、Solid Worksなどほかの3D CADソフトでも同様に3Dデータを動画として活用できる。

Autodesk Inventorの3Dデータを活用した動画例(出典:オートデスク株式会社)

また、3Dデータと動画や音声を連動させて動く電子マニュアル(組立手順書やメンテナンスマニュアルなど)を作成できる製品もある。CADデータが持つ構成情報から組立順番または分解順番を生成し、ストーリに沿って部品やユニットの画像を自動生成できる。作成されたストーリ情報は動くマニュアルとして見ることができ、画面上で動画や音声による説明が行えるため、作業者も直感的に理解しやすく、短期間で作業習得が可能となる。組立指示書やメンテナンスマニュアルを作成する際には、3D CADソフトを利用し画像を手動で作成するケースが多いが、この手間が不要となる。

さらに、3D CADソフトがなくとも、3Dデータを活用して組立手順をアニメーション表示する動画の作成が可能なビューアもある。こうした製品を活用することで、手元に3D CADソフトがない関連部署や取引先でも、3Dデータを活用して組み立てアニメーションやプレゼンテーションを行うことができるので、エンジニアの仕事を効果的にアピールすることが可能となる。

動画によって
広がるインパクト

3Dデータ+動画のインパクトは大きい。ある自動車メーカーではセールスプロモーションとして、販売店が接客時に使う商談支援ツールとして活用している。3Dデータに加えて動画を活用したビジュアルプレゼンテーションによって、開発担当者による商品説明のほか、動画と実際の開発現場で利用された3Dデータを用いた衝突時の安全性をアピールしている。

また、3Dデータと動画の組み合わせは電子カタログとして利用もできる。従来のテキストや静止画のみでの商品紹介ではなく、製品の細部形状、断面図、回転、拡大を動画で表現することができるので、顧客へのサービス向上を図ることができる。

さらに、開発段階の設計内容の説明にも使えるだろう。自動アニメーション機能によって、部品の分解や組立をリアルに表現できるので、マネジメントや他部門のスタッフへのプレゼンテーション効果も高く、品質向上やリードタイム短縮に貢献する。

3Dデータを単なるモノづくりのデータから、商品プレゼンテーションや操作説明などの世界へと拡張できる、動画との組み合わせは、エンジニアにとって大きな武器になることは間違いない。

(掲載:2010年2月)

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