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CEATEC JAPAN 2007から眺める
携帯電話の近未来

2007年10月、5日間に渡って幕張メッセで情報通信・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2007」が開催された。その中でも携帯電話キャリアから発表された、次世代機のユニークなアイデアをレポートしよう。

体脂肪計や脈拍計で健康管理
「ウェルネス携帯電話」

NTTドコモは三菱電機と共同で、体脂肪計や脈拍計などの健康に関するさまざまな機能を盛り込んだ「ウェルネス携帯電話」を開発した。

体脂肪計の使用では、あらかじめ身長や体重、年齢、性別の情報を入力しておく。本体を横にして持ち、左右にあるセンサーに手のひらを当てて握ると、埋め込まれた電極が体脂肪を計測してディスプレイに表示するという仕組みだ。測定の原理は一般に販売されている体脂肪率計と同じで、微弱な電流を流して両手の間の抵抗値を測定し、その値から演算によって求めている。

一方、脈拍計には赤外線センサーが搭載されていて、指先をセンサー部に当てるだけで脈拍が計測される。これは、血管内を流れる赤血球中のヘモグロビンに赤外線が反射することを利用し、赤外線センサーで検知される信号の強弱によって脈拍を測定している。


参考出展として公開された「ウェルネス携帯電話」


さらに、気になる口臭も測定できる。口臭の原因とされる硫化水素の濃度をガス・センサーを使って測定する仕組みで、センサー部分に3秒以上息を吹きかけて口臭の値を測定する。


口臭がチェックできる機能も搭載


以前、NTTドコモは「らくらくホン」で、いつも持ち歩く携帯電話だからこその機能として歩数や消費カロリーが分かる歩数計機能を付けていた。今回の出展では、さらに進化した歩数計機能を開発、計測した歩数が徒歩なのか走った場合なのかも分かるという優れものだ。

しかも、三菱電機製のブルーレイディスクレコーダとも連携する。これは、ブルーレイディスクレコーダをサーバとして使用し、測定した体脂肪率や歩数計の数値をテレビ画面で表示できるというもの。複数のデータを同時に表示することが可能なので、ウェルネス携帯電話を持った家族や友人同士での見せ合いや競争といった楽しみ方が生まれる。

さらに、NTTドコモはインターネットの通信機能を利用して測定したデータを蓄積できるサービスも計画している。SNS(Social Networking Site)を利用して、参加するユーザの間で健康データを共有したりアドバイスをやり取りしたりといったコミュニケーションも視野に入れているという。

ワンセグや音楽プレイヤーなど携帯電話の多機能化が進む中、「健康」をキーワードに差別化を図ろうというのがウェルネス携帯電話の大きな狙いだ。まだまだ発売時期は未定だが、健康志向が世界的に高まっているので需要はかなり多いはずだ。

ダイヤルキーが変化する
「キーパッドディスプレイケータイ」

同じくNTTドコモは、ダイヤルキー部分に電子ペーパーを組み込んで、操作用途に合わせてキーレイアウトを変更する「キーパッドディスプレイケータイ」も公開した。

キーパッドディスプレイはダイヤルキーのボタンに透明樹脂を使用、その下に電子ペーパーを組み込んで表示を透かし見えるようにすることで、利用する機能に応じてキー表示を変えられる仕組みとなっている。

例えば、通常の待受画面では電話番号用の「数字」が表示されているが、メール作成時には「ひらがな」に変わり、入力文字の種類を切り替えると「カタカナ」や「アルファベット」に表示が変わっていく。ソフトを起動するキーやオプション機能を受け持つキーなども、その操作の状況に合わせて表示を変更可能なため、直感的にどのボタンを押せばいいかが分かりやすくなる。


数字 → カタカナ → アルファベットとキー表示が切り替わる


この電子ペーパーは薄さ1mm以下で、従来の薄型モデルよりもスリムにすることが可能だという。光の反射が少なく屋外でも見やすく、またキーの表示切り替えも速いなど利点が揃っている。反面、液晶とは違いバックライトで照らす仕組みではないので、暗い場所では見にくい。このような課題に対しては、横方向から組み込みのライトで照らすなど、さまざまな方式で解決しようという研究開発が進んでいる。

なお、表示が変化する画面を直接操作するという点では、すでに米国アップル社の「iPhone」など先行事例があり、携帯端末全体で見ればPDAなどすでに多くの製品が出ている。これらに対し、このキーパッドディスプレイケータイではダイヤルキーの樹脂に突起が付けられ、キーとしての押し具合やクリック感がしっかりとあるのが特徴だ。いままでの携帯電話の操作性を持ちつつも、新しいユーザインタフェースの可能性を広げている。

明日の製品モデルから未来の新技術まで
携帯電話の将来像を眺める

これらの他にも、今回のCEATEC 2007で展示・発表された新技術には、次のようなものがある。

■あなたの予定、ケータイがサポートします

NTTドコモは、研究開発レベルの技術として「行動支援型レコメンドシステム」を公開。これはユーザの性別や年齢、趣味などを入力すれば、プロファイルから行動を予測して事前に情報を得ることができる機能だ。同じくスケジュールも入力すれば、ユーザの行動に最適な情報を送信してくれるという。

実際の使用シーンとしては、旅行の予定を入力しておくと2週間前に宿の予約を促す表示が出たり、2日前に旅行先周辺の観光情報を入手できたりといったことが考えられる。しかも、どれくらい前にどのような情報を表示するかは、早めに準備を済ませる人なのか、出発直前になって準備を始める人なのか、ユーザの行動に基づいて判断するようになるという。

■毎日がケータイでちょっと気の利く生活に

KDDIは、「デジタル家電リモートアクセス」と「ケータイ版ライフログ」を公開。デジタル家電リモートアクセスは、家庭内ネットワークを実現するDLNAの規格を用い、自宅のHDDレコーダに録画した番組をネットワークを通じて転送、携帯電話で閲覧できるというもの。またケータイ版ライフログは、日常生活を携帯電話で気軽に記録するというアイデアを形にしたものだ。例えば、購入した商品のバーコードを携帯で読み込んでサーバに記録すれば、購入商品の履歴が簡単に作成でき、位置情報を同時に記録すれば、商品を購入した場所もひと目で分かるようになる。

■ケータイと周辺機器が自分の体でつながる

NTTドコモは、微弱な10.7MHz以下の高周波の電気信号を人体に通して通信する「人体通信技術」を公開。応用が可能な機器として、携帯電話とセンサー類、またはイヤフォンなどの周辺機器があり、各機器の信号電極と人体の間は静電結合で信号のやりとりを行う。

具体的には、携帯電話で音楽を聴く場合、手に持った携帯から電気信号が体内に流れ込み、頭まで届いてからヘッドフォンの受信機に到達、音楽が鳴るということになる。つまり、金属線の代わりに、自分の体が通信ケーブルになるというものだ。ただし、体内を電気が流れるといっても、無線通信と同様に何かを感じることはない。


今回のCEATECでも多くの試作機や新技術が公開されたが、まだ実用化には至らないアイデアレベルのものもあれば、製品化まであと一歩のモデルまである。次のシーズンに発表される新製品の機能がどうなるのかも注目だが、このように展示会で示される2〜3年後に実現されそうな携帯電話の技術もなかなか興味深い。

(掲載:2007年11月)

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