ビジネスお役立ち情報 > ITトレンドWatch

ITトレンドWatchITトレンドWatch 私たちの生活の様々な分野で活用されるITについて最新情報をお届けします。

ITトレンドWatch のトップへ

グリーン対応はITだけではなく住宅も
自然のエネルギーを取り入れるエコ住宅

近年、住宅を建てる際に注目を集めているのが「エコ住宅」。住まいでもエコロジーに対しての意識・関心は高くなっている。そのエコ住宅、具体的にはどのようなものが主流になっているのだろうか?

自然のエネルギーを住宅に取り入れる
「アクティブシステム」と「パッシブシステム」

エコ住宅とは、いろいろな考え方があるが「環境負荷をできるだけ少なくするための工夫を施した家」ということができる。

環境に負荷をかけないようにする工夫とは、豊富にある自然エネルギーをできるだけ利用することでもある。では、住まいに自然エネルギーを取り入れるためには具体的に何ができるのだろうか。その方法としては「アクティブシステム」と「パッシブシステム」という2つの基本的な考え方がある。

■アクティブシステム

特別な設備を用いて太陽などからのエネルギーを利用しようというもので、「太陽光発電」「風力発電」「太陽熱利用の暖房・給湯システム」などがある。

  • 太陽光発電(ソーラーシステム)
    太陽の光を電気エネルギーに変えて利用する。住宅でよく用いられているのは電力会社と連携するタイプのもので、太陽光発電による電気を住まいで用い、余った電気は電力会社に買い取ってもらう。逆に、発電力が不足した場合は電力会社から電気を供給してもらうといったもので、双方にとって発電の節約と安定的な利用が可能になる。
  • 風力発電
    風のエネルギーを電気エネルギーに変える発電システム。しかし、天候などによって風は常に大きく変化し、安定した電力が得られるわけではないので、住宅では主に外灯や補助電力として用いられている。
  • 太陽熱利用の暖房・給湯
    屋根の上に集熱器を乗せ、風呂の湯沸かしとして使う。同様のシステムは以前からあったが、最近では集めた太陽熱を蓄えておき、給湯だけでなく住宅全体の暖房にも用いるシステムが作られている。

■パッシブシステム

日射、気温、風、地温など、我々を取り巻く環境が持つ自然エネルギーを利用、時によっては排除することを建物自身の構造体、建物の空間の作り方によって行う手法のこと。

基本的には、冬は日差しを取り入れて暖かく、夏は日差しを遮って涼しくというように、住まいの工夫をこらすことで快適に暮らし、同時に冷暖房でエネルギーをムダに消費しないようにする考え方である。これは昔ながらの日本の住まいにも通じるものであり、最近はこの旧来の建築方法が見直されている。もちろん新しいアイデアも生まれており、例えば、床下を利用して自然給気と排気をする「パッシブ換気」と「床下暖房」を組み合わせたものが注目を集めている。

パッシブ換気は、暖かい空気は上昇するという自然の原理を利用したもので、基礎工事で断熱して室内の一部となった床下に、建物内外の温度差を利用して新鮮な外気を取り入れてその空気を室内に回し、最後は屋根に煙突を立てて排気を行う。自然の力だけで常時換気し、動力(電気など)を使わない換気法となる。

床下暖房は、床下に暖房機を置き、空気の循環を利用して室内を暖める方法だ。取り入れた冷たい外気をあらかじめ床下で暖めることで床自体も暖められる。次に床面全体から心地よい暖気が上昇して、空気よりも重く床面に滞留しやすいホルムアルデヒドなどの化学物質や二酸化炭素、水蒸気などを天井の排気筒から効率よく排出することができる。

このように室内の換気や温度調整をアクティブシステムだけではなく、パッシブシステムによる自然エネルギーの積極的な活用を併用させることで、より効率的でクリーンなエネルギー利用が実現できる。

電力会社が推進するエコシステム
「エコキュート」

最近、テレビCMなどで紹介されている「エコキュート」は、電力会社によるアクティブシステムの1つとして挙げられる。

エコキュートの最大の特徴は、従来の電気給湯器と比べて低い消費電力で湯を沸かせる点になる。これは、エアコンの冷暖房技術としておなじみの「ヒートポンプ」を利用して湯を沸かしているからだ。ヒートポンプは、ヒーターを利用する場合に比べて、同じ消費電力で6倍以上もの熱エネルギーが取り出せる利点がある。さらに、電気料金の安い深夜時間帯(夜11時から朝7時)に稼働させることでランニングコストを抑える工夫も盛り込まれている。電力会社ではエコキュートの稼働に合わせるように、深夜時間帯の電気料金がさらに安くなる契約プランも用意している。

基本的にはヒートポンプで沸かした湯を風呂や台所で給湯するものになるが、中には自動で風呂に湯を張る機能や、沸かした湯を床暖房や浴室暖房に使える製品もある。単に給湯だけでは終わらない、広い使い方ができるというのが大きなメリットだ。また、太陽光発電とエコキュートを組み合わせた商品も登場するなど、将来、普及が大きく期待できるアクティブシステムである。

なお、省エネ効果の高い給湯機として、エコキュートは国から補助金交付対象に認定されている。現在は、家庭用で1件42,000円の補助金が受けられるため、初期費用負担を軽減でき、導入時の差額分も早い時期での回収も期待できる。ちなみにエコキュートは、財団法人電力中央研究所が開発した、CO2を冷媒とするヒートポンプを利用した電気給湯機だけが名乗ることができる愛称である。万一、冷媒が漏れ出したとしても、CO2なので環境に対する影響が少ないという点もエコキュートの特徴の1つとして挙げられるだろう。

エコキュートの仕組み
大気からの吸熱を熱交換器(空気用)で変換し、さらにコンプレッサで圧縮して高温にする。
この熱を熱交換器(水加熱用)で水に伝え、湯を作る。

「ヒートポンプ」とは

ドラム式洗濯機やエアコンなどのカタログで「ヒートポンプ」という言葉を目にするが、これは温度の低いところから高いところへ熱を移動させる仕組みのことを言う。ヒートポンプを搭載するエアコンでは、屋外の空気から熱を集めて室内に放出することで暖房を、室内の空気から熱を集めて室外に放出することで冷房を行っている。その動作が、水を汲み上げるポンプに似ていることから、ヒートポンプ(Heat Pump:熱のポンプ)と名付けられている。

ヒートポンプの特徴は、非常に優れた省エネ性能を備えている点だ。もちろんヒートポンプを動かすための動力(電気)は必要だが、そのほとんどはヒートポンプ内の「圧縮機(コンプレッサ)」という部分の動力として使われる。化石燃料を燃やして熱を生み出すのではなく、電気で圧縮機を動かして空気中に豊富に含まれる熱を取り込むため、消費電力に対して数倍の熱が取り出せる。

ガス会社が推進するエコシステム
「エコウィル」

一方で、ガス会社が推進する「エコウィル」もアクティブシステムの1つだ。

エコウィルは都市ガスや天然ガスを燃料にして小型エンジンで発電する、一般家庭向けのコージェネレーションシステムだ。発電の際に出る熱で湯を沸かしたり、暖房を行う。もともと大阪ガスとノーリツなどが共同開発したもので、現在は他のガス会社でも販売されている。

発電時の廃熱を給湯などに利用するので、エネルギー利用率は85%と従来の電気供給システムに比べて2倍以上のエネルギー効率を誇る。システムの価格は70万円強と高価なのだが、エコキュート以上の国の補助金(平成20年度では約14万円)が利用できる。そして注目すべきは省エネルギー性や経済性だけでなく、その先進性にもある。エコウィルには家族の生活パターンを記憶して、電気や熱を多く使う時間帯に運転する「学習機能」が搭載されている。つまり、必要なときだけ自動的に運転して、ムダな電気を作らないシステムなのだ。

エコウィルの仕組み
ガスによる発電で生じる熱を利用して、給湯・暖房を行う。

「コージェネレーション」とは

ある1つのエネルギー源から、熱と電気を同時に供給することができる熱電併給システムのことをコージェネレーションという。例えば、ガスエンジン、ガスタービン、ディーゼルエンジンなどの原動機を使って発電を行いながら、同時に発生する排熱を給湯、暖房、冷房などに利用する方法がある。

コージェネレーションは略して「コージェネ」「コジェネ」とも呼ばれ、古くは「熱併給発電(ねつへいきゅうはつでん)」と言われていた。日本では京都議定書の発効に伴い、製造サイドとしては電機メーカーやガス会社、需要者サイドとしてイメージ向上の効果を狙うスーパーマーケットや大エネルギー消費者である大規模工場などで関心が高まっている。

(掲載:2009年1月)

関連リンク

企業のITセキュリティ講座