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経理・給与事務担当者の
年間スケジュールと変わる役割

経理・給与事務担当者は毎月のルーティン作業のほかにも年間を通じて、労働保険の年度更新、社会保険料算定、年末調整、従業員の採用や退職など、さまざまな手続きや作業をミスなくこなさなければならない。しかも、厳しい経営環境の中、節税や保険料の抑制、コンプライアンス対応などの提案も求められる。経理・給与事務担当者は、今後どのような姿勢で業務を遂行していくべきかを考える。

経理・給与事務の
年間カレンダー

多くの会社の経理・給与部門では、月次や日次で「やるべきこと」が決まっており、担当者はそのリストに基づいて業務を遂行している。例えば、毎月25日の給料日までに給与振込データを銀行に送信するには、2日前までに給与計算を済ませておく、などだ。また、経理・給与計算にトラブルは厳禁なので、給与データ処理日には作業の妨げになるようなほかの予定を入れない、といった配慮も必要となる。さらに、社員の協力が不可欠な年末調整をスムーズに行うには、余裕を持ったスケジュールを確保する必要がある。

従って、経理・給与事務担当者は年間スケジュールの大まかな流れを念頭に置き、事前に準備を進めることが大切になる。なぜなら、先が見えることで受け身になることなく、業務を前向きかつ効率的に遂行できるようになるからだ。これが自身の余裕につながり、節税や保険料の抑制、コンプライアンス対応などを考える時間の確保に結び付く。

年間スケジュールには各社固有の行事などもあるが、ここでは共通と思われるタスクを挙げておくので、参考にしていただきたい。

内容

1月

法定調書・給与支払報告書、償却資産税の申告、納期の特例を受けている事業所は源泉所得税納付
※源泉所得税の納付事務については、納期の特例の適用を受けている事業所については年2回(7月、1月)、納期の特例の適用を受けていない事業所については毎月

3月

個人事業主や法人経営者の個人の確定申告

4〜6月

労働保険の申告、固定資産税や償却資産税の納付書、住民税の納付書

7月

社会保険算定基礎届の提出、納期の特例を受けている事業所は源泉所得税納付。

11〜12月

年末調整事務


そのほか、経理・給与事務担当者の重要な業務として、会社の決算月から2カ月以内に法人税、市県民税、消費税の申告納付、事業年度開始の日以後6カ月を経過した日から2カ月以内には法人税、市県民税、消費税の中間申告納付も忘れてはならない。

厳しい経営環境で変化が求められる
経理・給与部門

年間スケジュールに沿って経理・給与事務担当者は業務を遂行するが、これは一面にすぎない。リーマンショック以降の厳しい経営環境の中において、経理・給与事務担当者が年間のルーティン作業をこなしているだけでは、企業が持続的成長を続けることは難しい。企業を取り巻く環境、そして経理・給与部門を取り巻く環境はかつてないほど急激に変化しており、迅速かつ柔軟な対応が求められているからだ。

四半期報告制度への対応、J-SOX制度に基づく内部統制整備・運用の実施、事業環境の変化に伴う連結対象会社や会計処理方針への対応、環境経営への対応など、山積する課題へ向き合うことが求められる。しかし、こうした課題に対して、経理・給与事務担当者はルーティン作業に追われ、対症療法的な対応をせざるを得ないのが実際ではないだろうか。

例えば、四半期決算への移行に際しては、基準内容の把握、自社への影響の検討、社内ルールの確立、関係部署との連携、会計監査人とのすり合わせなどが必要となり、今までにないスキルも求められてくる。現場レベルでの検討事項も多く、経理・給与事務担当者の物理的、精神的負担は増す一方だ。

経理・給与部門は間接部門ということで、改革の波にさらされず、企業のビジョンや戦略にコミットする感覚を養えていなかったこともあるだろう。しかし、今までの意識や方法論でルーティン作業中心の対症療法を続けていけば、会社の業績に貢献することもなく永遠のコストセンターになってしまう。

これからの経理・給与事務担当者が
果たすべき役割

今ほど、経理・給与事務担当者の意識改革が求められている時代はない。従来、経理・給与事務担当者の最も重要なスキルは会計知識や正確迅速な事務処理能力であり、間違えず正確に業務をこなせれば良しとされてきた。ところが、これほどまでに経営環境が激変している現状では、今までのスキルだけで課題を解決することは困難だ。

そうした変化の影響を的確に見定め、経営層、関連部門、会計監査人との調整を行うコミュニケーションスキルやマネジメントスキルが不可欠となる。さらに、経理・給与部門は会社の中でどのような役割を果たすべきなのか、業務範囲はどこまでか、今までの仕組みが事業環境や会計制度に合致しているのかなどを検討して、今後目指していく、あるべき経理・給与部門のビジョンを明確にする必要がある。もちろん、こうしたビジョンの構築は経理・給与事務担当者だけでは不可能なので、責任者を含む部門をも巻き込んだ策定作業が必要となる。

これからの経理・給与事務担当者は、これまで行っていた事務作業を、会社の業績に貢献する仕事へシフトしていかなければならない。毎日のルーティン作業に加えて、今後のあるべき姿を思い描く構想力や新しいスキルセットの習得が必須となるだろう。会社の活動結果を経営者や現場にタイムリーかつ分かりやすくフィードバックしたり、会社全体を把握して今後の進むべき方向を導き出す役割までもが求められている。

(掲載:2009年12月)

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