ビジネスお役立ち情報 > なるほど!経理・給与

なるほど!経理・給与なるほど!経理・給与 経理・給与など、日常業務に役立つ知識やニュースを紹介します

なるほど!経理・給与 のトップへ

社員の生活の糧である給与計算に必要な
知識とスキルを身につける

給与は社員の生活の糧だけに、正確な給与計算をもとに安定して支給されなければならない。それも単に給与だけを計算すればよいのではなく、労働基準法・雇用保険法・健康保険法・厚生年金保険法・税法などのいろいろな法律を総動員しなければ正しく算出することはできない。こうした法律を理解しておかないと、社員に不利な給与を支給することにもなりかねず、社員からの問い合わせに対応することも難しい。

給与計算に必要な
知識とスキル

給与は社員の生活の糧であり、その支払いに間違いは許されない。給与は毎月の生活費だけでなく、失業時の給付額や年金の受給額にも大きく影響するからだ。給与計算を正しく行うには、会社の就業規則、税金や社会保険などの知識が必要となる。給与計算担当者は、給与から所得税や市民税、社会保険料などを差し引き、事業主負担分とともに国や地方公共団体に納付する。

つまり、給与計算は国や地方公共団体の事務の一部を代行していることであり、社員の生活を左右する大切な仕事である。従って、正しい給与計算を行うには、関連する労働基準法や、社会保険、税金の知識のほか、賞与、退職金の取り扱い、また給与計算に大きな影響のある法改正についてもフォローする必要がある。

また、給与計算担当者(経理担当者)に必要とされるスキルはいくつかあるが、まずは間違いを起こさない正確性、会計情報を分かりやすく提供する説明力、不正を見逃さない発見力、IT活用力などが求められる。

正確性は、給与計算だけでなく経理担当者の最も重要なスキルの1つであり、記録すべき事実を明瞭な証拠書類に基づいてすべて記録することが求められる。説明力は、税法や健康保険料などが変更になった際にその内容をよく分かるように説明できる能力である。そして、コンプライアンスに厳しい昨今、不正を見逃さない発見力も大切だ。不正を見逃さないことが抑止力につながり、社員のコンプライアンス意識向上に貢献する。

今やシステムの活用なくして業務は回らず、給与計算や経理処理も例外ではない。IT活用力が求められるゆえんだ。給与計算や経理業務の効率化のために、職務の専門知識をシステム構築に活用する能力が求められる。

給与の種類と
各種控除

給与体系は就業規則の一部として規定される。就業規則とは、社員が守るべき規律や労働条件に関する事項を統一的な基準で定めたもので、給与は内容が細かいことから一般的には就業規則とは別に給与規程を定めることが多い。常時10人以上の社員を雇用する事業所は、就業規則を作成して所轄の労働基準監督署に届け出なければならない。

給与体系は会社によって異なるが、基準内給与と基準外給与に大きく分けることができる。基準内給与とは、就業規則で定めた所定労働時間を勤務した場合に毎月決まって支給される給与のことだ。基準外給与とは、所定の労働時間以外に働いた場合に支給される給与のことである。一般的な給与は、基本給に加えてさまざまな手当が合算されたものとなる。

また、給与形態には働いた時間をベースにした年俸制・月給制・日給制・時間給、そして成果と連動した出来高制・歩合給・業績給などがある。給与形態は業種や業務内容によって異なり、会社が自由に選択することができる。

基本給:社員の最も基本となる給与で、勤続年数や年齢によって決まる属人給と、職務の内容や能力によって決まる仕事給からなるのが一般的。

諸手当:基準内給与の手当としては、役職手当、資格手当、家族手当、住宅手当、皆勤手当、通勤手当、作業手当などがある。基準外給与の手当としては、時間外手当、休日手当、深夜手当、日直手当などがある。


以上の基本給や諸手当の算出の基本となるのが出勤簿やタイムカードであり、所定労働時間・時間外労働時間・休日労働時間・深夜労働時間に対する給与や割増賃金などの計算の基礎となる。そして、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書が、給与計算で源泉所得税額を計算する際の基礎資料となる。また、通勤手当に関する申請書が、給与計算で通勤手当を計算する際の基礎となる。

さらに、法定控除として法令に基づいた社会保険料や所得税、住民税も給与から控除する。また、健康保険(介護保険)と厚生年金保険の保険料も同様に控除する。そして、給与所得の源泉徴収税を控除し、特別徴収税額通知書に基づいて住民税を控除する。そのほか、財形貯蓄など法律に反しない範囲であれば、社員との話し合いで控除できるものもある。

労働基準法による
給与支払いの5原則

正しい給与計算は、こうした複雑な計算を行って初めて可能になる。しかし、正しく計算が行われても会社の資金繰りなどによって給与の支給日が左右されたり分割払いされたのでは、社員は安心して生活することができない。例えば、今月は資金繰りが難しいので、10日に支給していた給与を月末に支給するとか、今月は支給しないで来月分と一緒に支給するとなったら、ローン支払いなどができなくなるなど、社員の生活設計は狂ってしまう。

給与は安定して定期的に支給されなければ、社員の生活は成り立たない。そこで、労働基準法によって給与の支払いの5原則が定められている。

  1. 通貨払いの原則
    給与は通貨で支払わなければならない。手形や小切手、商品などでは代用できない。ただし、社員の同意によって口座振り込みは可。
  2. 直接払いの原則
    給与は直接労働者本人に支払わなければならない。配偶者や代理人であっても認められない。ただし、本人が病気などの場合は除く。なお、現在は口座振込が一般的なので、こうしたケースは少なくなった。
  3. 全額支払いの原則
    給与はその全額を支払わなければならない。ただし、法律に定められている源泉所得税や社会保険料などの控除は除く。
  4. 毎月1回以上支払いの原則
    給与は毎月1回以上支払わなければならない。赤字だからといってその月を飛ばして2カ月分支払うことはできない。ただし、賞与や退職金など臨時支給は除く。
  5. 一定期日支払いの原則
    給与は毎月一定期日に支払わなければならない。月によって期日が違うことは認められない。ただし、月末払いは可。

給与は社員の生活の糧だからこそ、厳格なルールが定められている。こうした原則に違反した場合は、30万円以下の罰金が科せられる。給与計算担当者は社員の生活を支えているという責任と誇りをもって、毎日の業務に励むことが求められる。

(掲載:2010年1月)

関連リンク

企業のITセキュリティ講座