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新入社員入社時に
必要となる手続きとは

社員を採用し、正式雇用するまでにはさまざまな手続きが必要となる。即戦力として高いモチベーションで業務に励んでもらうために、入社前の条件提示、法定3帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿)の作成をはじめとして、社会保険の加入手続、昇給や退職手当などの規定は迅速に行いたい。

新入社員に提示する書類と
提出してもらう書類

入社試験を突破した学生は、新しい環境に不安を抱きながらも、期待に胸を膨らませて会社に通い始める。途中入社の転職者は新たな舞台での活躍を夢見て業務に取り組み始める。前途にはノルマや責任、転勤、昇進、賞罰などさまざまな試練が待ち受けているが、その彼らをスムーズに迎え入れ、高いモチベーションで働いてもらうためには、さまざまな手続きも必要となる。

その第一歩が、書面での交付が義務づけられている労働契約の明示だ。入社時には労働契約を結ばなければならないが、労働基準法では労働契約の期間、就業場所・従事すべき業務、労働時間、賃金(昇給、退職手当や賞与を除く)、解雇(その理由を含む)の条件を明示することが求められる。

万一、採用前の労働条件と採用後の労働条件が異なる場合には、従業員は即座に労働契約を解除できる。さらに、その従業員が14日以内に帰郷する場合は、帰郷に必要な旅費を負担しなければならない。

また、常時10人以上(正社員だけでなくパートタイマーも含む)の従業員を使用する企業は就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければならない。こうした条件を提示して新入社員の了解を得たら、各種手続きを迅速に行うために、次のような書類を提出してもらうことになる。

  • 身元保証書
  • 年金手帳
  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 源泉徴収票(転職の場合)
  • 雇用保険被保険者証(転職の場合)
  • 住民税納付書(個人で納付している場合)

法定3帳簿の作成と
3年間保存の義務

入社時の労働条件からスタートして、サラリーパーソンはキャリアを積み重ねていくことになる。その基礎資料となるのが法律に基づいて用意する各種帳簿だ。

労働基準法では、社員を雇い入れた会社に、法定3帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿(タイムカード))の作成と3年間の保存を義務づけている。昨今、サービス残業に対して厳しい目が注がれていることからも分かるように、労働基準監督署の調査の際には、それらの書類は厳しくチェックされる。

そのほか、雇い入れや退職時の書類、労災に関する書類なども備えておく必要があり、同様に3年間の保存が義務づけられている。いずれの書類も特に書式に決まりはないので、自社に合ったように作成するか市販のものを利用することができる。

ただし、賃金台帳に記載すべき項目は「氏名、性別、賃金計算の期間、労働日数、労働時間数、時間外・休日・深夜労働時間数、基本給・手当その他、賃金の種類ごとにその種類と賃金の一部を控除した場合の理由」という8項目が法律で決まっており、それを遵守しなければならない。また、労働者名簿についても、「氏名、生年月日、履歴、性別、住所、従事する業務の種類、雇い入れの年月日、解雇または退職の年月日、死亡の年月日およびその原因」という9項目の記載が義務づけられている。いずれも、記載漏れがあると労基署の指導対象となる。

こうした書類を作成する際に、基準となる給与金額の情報を社員別にまとめた個人台帳を作成しておくと、給与計算の際に正確に行うことができる。また、賃金台帳や労働者名簿などの情報を個人別台帳で管理しておくと、社員一人一人について必要な項目を容易に把握できるので便利だ。

社会保険の加入手続きや
住民税の源泉徴収手続き

従業員が入社したら、社会保険などの加入手続きを行う。必要となる情報は賃金台帳や労働台帳に記載されているので、それに基づいて社会保険の加入手続きを行う。所轄の年金保険機構の年金事務所(旧社会保険事務所)に、社会保険の資格取得日から5日以内に「健康保険 厚生年金保険被保険者資格取得届」として提出しなければならない。厚生年金基金に加入している場合は、その手続きも必要となる。なお、資格取得日とは、実際に仕事を開始した日であり、試用期間がある場合はその開始日だ。

社会保険に加入する従業員に被扶養者がいる場合や、被扶養者の結婚や出産などの異動があった場合には「健康保険被扶養者(異動)届」を提出する。なお、被扶養者になるためには、被扶養者の収入の上限が決められているので、その確認も必要だ。

さらに、従業員が雇用保険の対象者だった場合は、採用月の翌月10日までに、ハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出する。また、住民税も会社が天引き(源泉徴収)して代理徴収するので、従業員が居住する自治体への手続きが必要となる。ただ、住民税は前年度の所得に基づいて課税されるので、新卒採用者は翌年の5月分までは負担する必要はない。転職者の場合、以前の会社で住民税を一括納付していない限り、以前の勤務先から「給与所得者異動届出書」を送付してもらい、源泉徴収して納付する(ただし、転職者が6月1日から12月31日までに入社した場合)。

以上の手続きは経理・給与担当者にとってルーティンワークかもしれないが、新入社員に気持ちよく働いてもらうためにも、経理・給与担当者の親身な対応が求められる。

(掲載:2010年2月)

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