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メーカー各社の薄型テレビに見る
最新の省エネ対策とは?

薄型テレビの省エネ化が加速している。2009年5月から始まった「エコポイント」制度の対象商品でもあり、メーカー各社は省エネを大きな宣伝文句にするようになってきた。薄型テレビの最新の省エネ機能と、それを支える技術を解説する。

パネル技術による省エネ

この1年で薄型液晶テレビの低消費電力化は急速に進んできた。販売の主力商品である32V型クラスの中には、消費電力が電球並みの100ワット前後という製品も少なくない。

液晶テレビで最も電力を消費しているのは、液晶パネルの「バックライト」だ。テレビが消費する電力のうち約8割を使っているのがこのバックライト。逆に言えば、バックライトの改善が電力消費を抑えるポイントになる。

省エネ化の最初の着目点は、バックライトに使われる蛍光管(冷陰極管:CCFL)だった。一部では、新構造でより効率の良い熱陰極管(HCFL)を採用するメーカーも現れ始めているが、既に研究が進んでいる分野であり、今後は飛躍的に効率をアップできるとは考えにくい状況にある。

そこで次に注目されるようになったのが、蛍光管の光を効率的に液晶パネルに当てる技術だ。

液晶テレビでは液晶パネルの後ろからバックライトを当てているが、その間にはバックライトの光をムラなくパネルに当てるための「拡散板」や「偏光板」が組み込まれている。

液晶テレビのメーカーである東芝では、ロスしていた垂直方向の偏光を水平方向に変換して有効活用できる光学フィルムの開発に成功した。光を効率良く液晶パネルに当てれば、バックライトの消費電力を下げることができ、さらにバックライトの本数を減らしても同じ明るさを維持できる。

東芝の省エネ液晶パネル

こうした新しい部材を採用し、さらに独自の設計回路などを組み合わせて省電力化を図るのがテレビメーカー各社共通の動きだ。

しかし、バックライトを持つ液晶テレビの省電力化には限界があるため、メーカー各社はバックライトを必要としない「SED(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)」や「有機EL」の開発も進めている。ただし、有機ELを使ったテレビはソニーが商品化したものの、まだ本格的な実用化までには時間がかかりそうだ。また、SEDのテレビに関しては、まだ商品化の例はない。

自動節電による省エネ

省エネ化の動きは、パネルの改良だけではない。

テレビ放送が終了したときや一定時間操作がなかった場合に自動的に電源をオフにする「無信号電源オフ」や「無操作電源オフ」などのベーシックな省エネ機能は、既に各社が導入しており、最近ではあまり新鮮味はない。

面白いのは、ソニーが開発したセンサーを使った自動消画のシステムだ。「BRAVIA V5シリーズ」に搭載された「人感センサー」は、視聴者の動きによる温度変化を検知し、テレビの前から人が居なくなったと判断した場合は、消画モードに移行して音だけを流す。このときの電力消費は通常の約半分になる。人が戻ってくると、自動的に画面をオンにする。

人が席を外したまま(消画モードで)30分が経過すると、今度はスタンバイ状態に移行する(電源をオフにする)。急な来客や電話で席を外し、そのまま話し込んでテレビのことを忘れてしまったという経験は誰にでもあるはず。この機能が付いていれば、そんな場合でもきちんと省エネ対策をしてくれる。

視聴環境画質対応による省エネ

東芝や日立が最新の製品に搭載している自動画質調整の機能は、操作性と節電、そして画質を満足させようとするものだ。東芝は「おまかせドンピシャ高画質」、日立の「インテリジェント・オート高画質」がそれに当たる。

東芝のおまかせドンピシャ高画質では、独自の映像処理システム「新メタブレイン・プロ」を採用し、視聴環境に応じて映像を自動調整してくれる。通常、部屋の中が暗くなったときに単純に画面を暗くする調整では、暗部の階調性が損なわれ、画面は見にくくなってしまう。それを避けるためには、色温度やガンマ、シャープネスといった画質の項目をきめ細かく調整する必要があるのだが、これはかなり手間がかかるもの。しかし、おまかせドンピシャ高画質では、これをテレビが自動で行ってくれるのだ。暗い室内でも視聴しやすく映像の明るさを落とすことで、消費電力の削減につながる。

一方、日立のインテリジェント・オート高画質は、明るさセンサーとホワイトバランスセンサーで部屋の照度と照明色を測定し、番組のジャンルやシーンの明るさを加味しながら、視聴環境に最適な画質に自動調整する機能だ。「センサーオート」モードにすると、昼間は画面を明るく青寄りに、夜間は画面を暗めで赤寄りに自動調整する。画質調整だけでなく消費電力を削減するエコ効果もあり、画面下に表示される「エコ効果メーター」でエコ度が分かる仕組みになっている。

省エネ型のテレビを購入するポイント

省エネを考えてテレビを購入する際には、カタログなどで消費電力や年間消費電力量をチェックするだろう。

しかし、これらの数値は一定の条件で計測したものであり、付加機能による実運用時の節電はほとんど反映されていない。年間消費電力量は、テレビを通常の状態で1年間使用したときの電力消費量であり、自動消画や自動画質調整などの機能がもたらす節電効果は織り込まれていない。

今回紹介した各社の省エネ機能をうまく利用することで、テレビはカタログのスペック以上に消費電力を節約できるはずだ。自分の視聴スタイルに合った機能を搭載したテレビを選択することが、エコにつながると言えそうだ。

(掲載:2009年8月)

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