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環境に良いプラスチック
「ポリ乳酸」とは?

石油から生まれるビニールやプラスチックの製品は、最近はよりエコを意識したものへと変化している。その代表例が「ポリ乳酸」だ。我々のオフィスでも身近な存在になってきたポリ乳酸について解説する。

注目を集めている
ポリ乳酸とは?

「ポリ乳酸」とは、トウモロコシやサツマイモ、サトウキビなどから抽出されるデンプンを発酵して得られる乳酸を重合したもので、原料に石油を使っていないため「生分解性プラスチック」に分類される素材の一種である。

使用後は、微生物の働きにより二酸化炭素と水にまで分解でき、分解時には有害物質を発生しない。また、ポリ乳酸の燃焼時に排出されるCO2量は、数あるプラスチックの中でも最低レベルである。さらに、原料である植物が成長する際に大気中からCO2を吸収するので、ポリ乳酸はほかのプラスチックに比べて地球温暖化の原因と考えられるCO2の発生量を大幅に低減できる。燃焼熱も19kJ/g-resinと低く、石油系プラスチックの1/2〜1/3。焼却炉を傷めることもない。もちろん、焼却時に有毒ガス(ダイオキシン、塩化水素、NOx、SOx)も発生しない。

このようにポリ乳酸は、地球温暖化の原因であるCO2を増やすことのないカーボンニュートラルな素材として大きな注目を集めているのだ。

以前は手術の縫合糸、組織再生用足場、ドラッグデリバリーシステム用のマトリックスなど主に医療分野での使用が目立っていたが、最近は我々の身近な製品にもポリ乳酸を使ったものが急速に普及している。

ポリ乳酸のエコサイクル

身近な製品にも使われている
ポリ乳酸

最近はあらゆる生活シーンでポリ乳酸を素材にした製品を目にすることができる。その中で最も一般的なものがフィルムタイプで、透明性や柔軟性を持つものもある。透明性のあるものとしては、プラ封筒や野菜の包装袋などがある。柔軟性のあるタイプのフィルム製品の代表例としては、ゴミ袋やレジ袋などが挙げられる。また、窓付き封筒のように包装材や紙との複合化製品も数多く開発されている。

衣料の素材としてもポピュラーになってきている。ポリ乳酸は「ポリエステル」の一種であるが、ポリエステルよりも親水性に優れ、水分を速やかに吸収・揮散させる性質を持っている。そのため、インナーやスポーツウェアに適した素材となっている。

一方でポリ乳酸は、一般のプラスチックと比較して耐熱性、耐衝撃性、耐候性、成形加工性などが劣っているとされている。しかし、最近はそれらが改善された商品も登場してきた。例えば、食器、カップといった耐熱性や耐衝撃性が求められる製品にも用いられているほか、電子レンジでの加熱にも耐える容器も開発されている。

食料から作られるポリ乳酸の
将来性について

このように石油を使わないプラスチックとして大きな注目を集めるポリ乳酸だが、食糧危機が懸念される昨今、トウモロコシやサツマイモなどの食料を原材料とするポリ乳酸を大量に作ることは可能なのだろうか。

糖質を生産できる主な植物資源は世界中で約35.5億トンあり、その中に含まれる糖質量は約12.8億トンと概算されている。糖質1トンから680キログラムのポリ乳酸を生成可能であるため、ポリ乳酸は最大で約8.7億トンが生産できる計算になる。

つまり現在の植物資源から大量のポリ乳酸が生産できるということになるが、この概算は可食部分だけの値であり、可食部分を生産する時に同時に作り出される残渣(かす)からも糖質は抽出可能であるため、生分解性プラスチックによる代替が直ちに食糧問題に影響を及ぼすとは考えにくい。

さらに、生ごみに含まれている糖からもポリ乳酸を作り出すことができるので、使用済みのポリ乳酸を溶かして新たなポリ乳酸を作り出すことも可能。こうした点から食糧問題とは直接結びつかないとされている。ただし、トウモロコシなど原材料となる植物の価格が高騰しているため、それによる食生活への影響は否めない。だが、いずれにしてもポリ乳酸は、脱石油社会への大きな期待をかけられている素材の1つであることは確かだ。

(掲載:2010年2月)

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