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エコ製品としても注目される
「ブレードサーバ」

省スペース性に優れた「ブレードサーバ」が登場して久しいが、最近はエコ化を実現するソリューションとして新たに注目を集めている。このブレードサーバの最新事情を解説する。

省スペースでコンパクトが特徴の
ブレードサーバとは

ここ数年よく耳にするようになった「ブレードサーバ」。最近はエコ製品としても注目を集めている。

従来のサーバと言えば、大型のラックに何台も積み重ねられているようなイメージがあるが、ブレードサーバは形状が非常に薄く、コンパクトにできている点が大きな特徴だ。

従来のラックマウント型サーバは、高さと幅の規格がEIA(米国電子工業会)により決められており、幅は19インチ、高さは1.75インチ(44.45mm)を「1U」(ユニット)とし、U単位で製品化されてきた。

しかし数多くのサーバを導入しなければならないケースでは、1Uでさえもスペースを取り過ぎる場合がある。ブレードサーバはこの解決案の一つとして、U単位の高さを持つきょう体に「ブレード」と呼ばれる細身のユニットを差し込むことで、ラックマウント型よりもさらに高密度に設置することを可能とするサーバとして開発された。

各ブレードには、メモリやハードディスク、CPUなどが配置されている。収納する箱形のきょう体(エンクロージャ)にはブレードの差込口が並び、ブレードへの給電・制御ユニット、電源ケーブルや冷却装置、外部インターフェースなどが用意されている。

3Uサイズのきょう体ならば20枚程度、1Uサイズのきょう体でも6枚程度のブレードを設置できるため、1Uサーバよりもさらに体積当たりの台数を増やすことができる。一般的なサーバラックは30Uから40U程度の容量があるので、ブレードサーバを利用することで、1台のラックに最大で250台程度のサーバを詰め込める計算になる。

さらに、デュアルコアあるいはクアッドコアのCPUを搭載したブレードを用いて、そこにサーバ仮想化技術を適用すれば、より少ない台数に集約することが可能だ。

なお、「ブレード」(blade)とは「刃」という意味で、薄く細長い形をしたサーバ基板の形を刃に見立てた表現である。これに由来し、ブレードは「1台」ではなく「1枚」と数える。

数年前では、ブレードサーバは比較的規模の大きいサーバ統合などで利用されることが多かったが、最近になって小さなオフィスのスペースにも設置可能な製品が登場している。

また、従来の200V電源製品のほかに100Vの電源に対応した製品も増えている。そして、冷却ファンや防音構造の本体ケースにより、オフィス環境への設置に耐えうる静音性も実現されている。

ブレードサーバの構造
ブレードサーバの構造

【左】小規模なサーバ統合向けの「BladeCenter HS12」(日本IBM) 【右】ブレード収納ユニット「BS320」(日立)
【左】小規模なサーバ統合向けの「BladeCenter HS12」(日本IBM)
【右】ブレード収納ユニット「BS320」(日立)

ブレードサーバによる
省エネの効果は?

ラックマウント型ではサーバ一つに数多くの装置が必要だったのに対し、ブレードサーバは給電ユニットや冷却ファンなどを複数台分共有して、CPUやメモリといったサーバに必要な機能を搭載している。可能な部分は最大限共用し、それぞれが独立したサーバとして同じ能力を提供しながら、電力を極限まで抑えることが可能となっているのだ。

また、ほとんどのブレードサーバには管理モジュールが備わっており、各サーバの稼働状態、電源状態や温度状態を監視し、制御できるようになっている。過去の履歴表示が可能で、電力消費量の分析も行える。

この監視機能を生かして「パワーキャッピング」を行える製品もある。パワーキャッピングとは、サーバの消費電力の上限値をあらかじめ決めておき、上限値を超えて電力が消費された場合に、プロセッサの動作周波数を調節して、サーバの平均消費電力を抑制するという機能だ。ピーク時にブレーカーが落ちないよう設定するなどといったことができる。

さらに最近では、6コアと呼ばれるCPUを4個搭載した4CPU24コアを実装したブレードも登場するなど、ブレードサーバのCPU能力はますます高まっている。つまり、より少ないブレードで、同規模の処理が行えるようになっているのだ。

そうなると消費電力も大幅に軽減できそうだが、実はCPUとは一般的に、動作クロックが上がる(=性能が向上する)ことで、消費電力も上昇する傾向にある。

そこで各メーカーでは、省電力機能を独自に実装し省エネ化を図っている。例えば、エンクロージャ内の温度を測定し、冷却ファンやサーバの電源そのものをコントロールしたり、アプリケーションの使用状況に応じてサーバごとの電力供給を抑えたり、仮想化されたアプリケーションを一つのサーバに集約してサーバの電源そのものを落とす、といった機能が導入されている。

さらに、消費電力を抑えるために電力の変換効率が高い電源モジュールを実装したり、直接DCで電源モジュールに給電してAC/DC変換ロスを防ぐ仕組みを構築するなど、省電力のために新しい技術が次々と実装されている。

これからの
ブレードサーバは?

ブレードサーバでは多くの処理を集中的に行うため、仮想化の技術が導入されることが多い。仮想化とは、1台のサーバを複数台の仮想的なコンピュータに分割し、それぞれで別のOSやアプリケーションソフトを動作させる技術のことを意味するが、最近はこの仮想化にも新たな動きが出ている。

特に話題になっているのが、I/Oの仮想化技術だ。仮想マシンを10個立ち上げた場合は、その分のネットワークカード(NIC)が必要になり、足りない分はそのつど増設することになる。I/Oの仮想化技術を用いると、例えば一つのNICを4つに物理分割できるようになるのだ。

また、HDDに代わる装置として最近は一般的なパソコンにも導入され始めた「SSD(Solid State Drive)」だが、ブレードサーバにも実装が進んでいる。

SSDはランダムアクセス時の書き込み性能が高く、HDDの2倍程度に当たる約200万時間の寿命を誇り、消費電力もHDDの5分の1程度に抑えることができる。

ただし、SSDは数万〜数十万円と高価であり、HDDに比べると容量的にも小さいことから、当初は高速なアクセスが必要なデータベースの処理などに限定した使い方になりそうだが、価格が下がり導入が進めばエコ化の貢献も大きくなる。

もちろん、ブレードサーバにも問題はある。特に製品間の互換性がない点は悩ましい。現状ではメーカー間で仕様の標準化が進んでおらず、同一メーカーの製品でもエンクロージャの形状が異なることもある。

この問題が解消しさらに低価格化が進めば、大企業だけでなく、中小規模の企業での導入も一段と進んでいくだろう。

(掲載:2010年8月)

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