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低燃費タイヤで
社用車もエコ化

最近売れ行きが好調なのがハイブリッド車だが、こうした低燃費をうたう自動車に買い換えなくても、従来のクルマを簡単にエコ化できるのが「低燃費タイヤ」への交換だ。その製品情報とメリットを紹介する。

「エコタイヤ」と呼ばれる低燃費タイヤとは

最近、「エコタイヤ」という言葉をテレビCMなどでよく耳にする。このエコタイヤ、製造過程で排出するCO2が少ないとか、環境に優しい原料で作られているというわけではない。もちろん、原料や製造に関しても徐々に環境に配慮したものになっているが、一般的にエコタイヤと呼んでいるのは、燃費が良いタイヤのことだ。

この低燃費のタイヤだが、社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA)が、業界自主基準として平成21年12月に策定した「低燃費タイヤ普及促進に関する表示ガイドライン(ラベリング制度)」に沿って、「転がり抵抗性能」と「ウェットグリップ性能」が一定値を満たすタイヤを「低燃費タイヤ」と定義づけている。

転がり抵抗性能とは、タイヤが回転するときに進行方向と逆向きに生じる抵抗力のことで、1. タイヤの変形、2. 接地摩擦、3. 空気抵抗とい3つの要因から構成されている。この数値(係数)が小さいほど転がりがスムーズであるということだ。しかし、転がり抵抗が小さければ小さいほど良いというわけではない。タイヤには、ブレーキを踏んだときに止まる、雨の日にもスリップしないで走るという重要な役割がある。こちらを「ウェットグリップ性能」と呼んでいる。この転がり抵抗とウェットグリップ性能のバランスが重要になってくる。

具体的な低燃費タイヤの性能要件は、転がり抵抗係数は9.0以下(A等級以上)であり、ウェットグリップ性能はグレーディングシステムの範囲内(a〜d等級)であることだ。この性能要件を満たしたタイヤには、以下のような「低燃費タイヤ」のラベルを貼ることができる。

転がり抵抗係数(RRC)
[単位(N/kN)]

等級

RRC≦6.5

AAA

6.6≦RRC≦7.7

AA

7.8≦RRC≦9.0

A

9.1≦RRC≦10.5

B

10.6≦RRC≦12.0

C

ウェットグリップ性能(G)
[単位(%)]

等級

155≦G

a

140≦G≦154

b

125≦G≦139

c

110≦G≦124

d



転がり抵抗性能が「AAグレード」、ウェットグリップ性能が「cグレード」であるため、「低燃費タイヤ」であることを示している
転がり抵抗性能が「AAグレード」、ウェットグリップ性能が「cグレード」であるため、「低燃費タイヤ」であることを示している

エコの効果はどれくらい?

このように転がり抵抗性能を改善すれば、アクセルをそれほど踏み込まなくても加速が良くなり、定速走行時のガソリン消費量も減って燃費が良くなる。当然CO2排出量も減るのでエコの効果もある。

もちろん、タイヤ以外にも自動車はさまざまな抵抗を受けている。一番大きいのが空気抵抗で約65%、自動車内部の回転部などの摩擦抵抗が約15%。そして約20%がタイヤの転がり抵抗になる(時速100kmで定速走行中の場合)。また、転がり抵抗は速度によっても大きく変化する。速度が遅いと空気抵抗が小さくなるため、80km/hでは全走行抵抗の約24%、40km/hでは全走行抵抗の約45%というデータも出ている。

具体的にどのくらい燃費が良くなるかだが、ドライバーの運転パターンにもよるため一概には言えない。しかし、時速100km走行時では自動車にかかる抵抗が約2%減るというデータが一般的だ。

以前、16%も燃費改善したとの実験データを公表したタイヤメーカーもあったが、のちに表示に誤りがあったことが発覚した。実際の走行では、やはり2%前後というのが正確なところだろう。

ちなみに、社用車を低燃費タイヤに交換したときの節約効果予想を以下のように立ててみた。

・通常タイヤ  1日当たり100km走行、燃費が10km/L、ガソリン価格が140円/L  140円×10L=1400円

・低燃費タイヤ  1日当たり100km走行、燃費が10.2km/L(2%向上)、ガソリン価格が140円/L  140円×9.8L=1372円

1日当たり28円の節約になるが、年間で200日稼働すると5600円となる。それが10台になれば、年間5万円以上の経費が節約できることになる。また、乗車する距離が長ければ長いほど、その節約効果は大きくなる。

タイヤ交換の目安は、運転方法や使用条件などによっても磨耗度合が違うが、走行距離が5000km経過したころといわれる。社用車によっては年に2〜3回交換することもあるだろう。

以前は通常タイヤとの価格差が大きく、低燃費タイヤに替えても節約効果は薄かった。しかし、最近は価格の差があまりなくなっているので、経費の節約が期待できるようになってきた。そして、何よりも低燃費タイヤというエコなタイヤを使用しているということで、企業のイメージアップにもつながる。

進化するタイヤ

低燃費タイヤは、通常のタイヤに比べて1〜2割高価なものが多かったが、2010年2月に業界最大手のブリヂストンが、普及価格帯の商品に低燃費技術を導入した「エコピアEX10」を発売し大きな話題となった。

この商品では、燃費が悪化する原因の1つとして、走行中のタイヤに熱が発生することに着目。タイヤに含まれるカーボン(炭素)が擦れ合って熱が生じ、エネルギーの伝達ロスが起きるためである。材料と構造を工夫してこのカーボンの擦れ合いを抑えることで、タイヤに熱を発生しにくくした。

住友ゴム工業は「エナセーブ97」と名づけた低燃費タイヤを2008年に発売。これは素材の97%に天然ゴムなど石油以外の天然資源を使うことで、従来製品より転がり抵抗を35%低減させている。また、普及価格帯では2009年春から従来製品と比べて20%転がり抵抗を低減した、ミニバン専用の低燃費タイヤを投入している。

横浜ゴムでは、ゴムに「オレンジオイル」を配合した低燃費タイヤを発売。一般的に低燃費タイヤでは、転がりやすくするためにゴムを硬くすることが多いが、これだとタイヤのグリップ力は下がって、ブレーキがかかりにくくなりがちだ。そこでオレンジオイルを配合してタイヤのゴムを軟らかくし、グリップ性能を向上させた。

さらに横浜ゴムは、空気圧にも工夫をしている。タイヤの空気圧は、走行距離と時間に比例して低下していくもので、燃費も当然悪化する。同社は「エアテックス」という空気が漏れにくい独自技術を導入し、燃費性能の劣化を防いでいる。

タイヤ各社がこのように低燃費タイヤに力を入れる背景には、国内の自動車販売の低迷がある。その中で比較的好調な分野が、ハイブリッド車やEVなどのエコカーだ。そこでタイヤ会社でもエコを前面に打ち出して、販売をテコ入れしようとしているのだろう。

世界的規模で環境保護が叫ばれる今日、低燃費タイヤはその動きがさらに活発化することが予想される。

(掲載:2011年1月)

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