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オフィスの必需品
「トナー」の最新エコ状況

コスト削減だけでなく、エコにも優しい製品として、プリンタやコピー機、複合機などに使用する「リサイクルトナー」が徐々に定着しつつある。一方で消費電力を40%低減する省エネ型トナーが登場するなど、トナーそのものにも新たな動きがある。オフィスのエコに大きく貢献するトナーの最新状況を解説する。

エコの大きな味方「リサイクルトナー」

「リサイクルトナー(Recycle Toner)」とは再生トナーとも呼ばれ、レーザープリンタや複写機で使用が終わった空のトナーカートリッジを回収し、汎用トナーを充填し販売する商品のことをいう。

さて、このリサイクルだが、2000年の循環型社会形成推進基本法において「3R(Reduce リデュース:減らす、Reuse リユース:再び使う、Recycle リサイクル:再資源化)」の考えが導入され、リサイクルは「製品化された物を再資源化して、それを利用して新たな製品などをつくること」と定義されている。

リサイクルトナーは消耗部品以外を再使用するため、正確にはリユースにあたる。ただ、リサイクルトナーは使用限度を超えて再生不能となった場合、その使用済みのトナーカートリッジは回収され、トナー、廃プラスチック類、金属くず、段ボール箱容器などに細かく分類され、トナー、廃プラスチックは別々の工程に分かれて処理されセメントの骨材やガス化の燃料に、金属くずは金属くずとして売却される。また、段ボール箱の容器も製紙原料として再利用されるので、まさに優秀なリサイクル製品の1つになっている。

一方でトナー漏れなど品質や安全面、機器本体への影響については業界をしばしば賑わせてきた。ただし最近はその品質がかなり向上し、トラブルも大幅に減ってきている。また、純正トナーを製造するメーカーも空のトナーカートリッジの回収を進め、積極的にリサイクルに乗り出してきている。

リサイクルトナーのメリット、デメリットをまとめると次のようになる。

■メリット■

  • 環境に優しい:廃棄物品を最低限に抑制しているので、リサイクルトナーを使用していると企業イメージのアップにもつながる。
  • コスト削減:純正品に比べて価格がかなり安いことが最大のメリット。リサイクルトナーの価格は、純正品の40〜60%となっており、中には最大80%も割り引いて販売しているリサイクルトナーもある。

●リサイクルトナーの価格目安

メーカー定価

汎用品トナー

リサイクルトナー

¥40,000〜

¥30,000〜¥40,000

¥8,000〜¥25,000

¥20,000〜¥40,000

¥15,000〜¥25,000

¥6,000〜¥20,000

¥10,000〜¥20,000

¥8,000〜¥15,000

¥5,000〜¥10,000

※価格は一般的な相場より算出


■デメリット■

  • メーカーの補償対象外:リサイクルトナーを利用している場合は、機器メーカーの保証対象外になる。トナーカートリッジの初期異常時に対して、独自の保証を付けているリサイクルトナー業者も多い。また、機器メーカーと提携して保証を行っている業者もある。
  • 印刷品質が若干劣化:純正の新品と比較した場合、品質が若干劣化してしまう可能性がある。だがリサイクルトナーと純正品との違いが判らない程に高品質なものを提供しているところもある。

さて、リサイクルトナーの利用者は、どのような理由で購入しているのだろうか。また、満足度はどうなのだろうか。リサイクルトナー業界の団体である「日本カートリッジリサイクル工業会」が行った調査を紹介しておこう。

●リサイクルトナーを使う理由 ※複数回答

純正に比べて価格が安いから

91.0%

環境に優しいから

36.9%

ランニングコストが安いから

35.6%

業者の対応がいいから

19.2%

品質が安定しているから

6.0%

いろいろなメーカーのトナーカートリッジが調達できるから

4.2%

事務用品と合わせて購入できて便利だから

0.0%

その他

1.3%

●リサイクルトナーの満足度

非常に満足

16.9%

やや満足

43.8%

普通

34.2%

やや不満

4.2%

非常に不満

0.0%

無回答

0.9%


※いずれも、出典:日本カートリッジリサイクル工業会調べ(2008年調査)

リサイクルの状況は?

このようにリサイクルトナーは優良なエコ製品であり、しかもコスト削減にも大きく貢献するという魅力的な商品だが、日本ではリサイクルトナーはまだ十数年ほどの歴史しかない。そのためリサイクルトナーの利用率もまだまだ低く、トナーカートリッジ全体の20%程度しかリサイクルされていない。

しかし、1998年にはトナーカートリッジ市場のリサイクル品の占有率が10%を超え、2002年には15%を超えるなど、徐々にリサイクル率が上がっている(日本カートリッジリサイクル工業会調べ)。

既に米国ではトナーカートリッジ全体の約50%がリサイクル品となっている。また、残りの50%も産業廃棄物ではなく、分解されリサイクルされている。このように、海外ではさらにリサイクルが進んでいるのだ。

文化の違いが大きいとはいえ、日本はまだまだトナーカートリッジのリサイクルという点では大きな後れをとっている。

省エネ性能に優れたトナーも登場

トナーカートリッジのエコの動きはリサイクルだけではない。トナーそのものをエコ化する製品も登場している。

業界大手の富士ゼロックスが開発した「EA-Ecoトナー」がその代表例。この製品は、同社が開発したCO2排出を削減する乳化重合トナー(EAトナー)の環境負荷をさらに低減させたトナーだ。

EAトナーは樹脂原料を粉砕する従来の製造法ではなく、化学反応でトナー粒子を生成し、製造段階でCO2を35%削減する。転写率、定着率が共に向上し、トナー使用量も37%削減するという。

EA-Ecoトナーはそれに加え、一般的なトナーより20〜50℃低い定着温度を実現している。定着温度を下げると電力消費は低減するが、EA-Ecoトナーの場合、消費電力が40%も低減するという。

このように、業界でもエコを推し進める動きが活発になっている。使い手である我々も、環境に優しい選択をしていくことが大切だろう。

(掲載:2011年4月)

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