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自然災害によるパソコン被害を防ぐ
個人でもできるIT環境の安全対策

日本は四季折々の変化が多彩な土地だが、同時に自然の力の大きさを感じることも多い。夏の激しい雷や大雨、一年を通じての地震など、自然災害による被害は特に気を付けなければならない。必須の道具となったパソコン機器を災害から守る、個人レベルでもできる対策には何があるだろうか。

精密機器のパソコンは衝撃に弱い
地震被害を出さないための耐震ツール

地震国とも称される日本では、地震対策は必須だ。今年だけでも、6月に最大震度6強を記録した岩手・宮城内陸地震の発生が記憶に新しい。地震による一番の問題は、パソコンやモニタ本体の転倒、そして落下だ。精密機器であるため物理的な衝撃は故障へつながるが、機器本体が衝撃で壊れるだけでなく、周りの機器を傷つけ連鎖的に被害が増えたり、設置場所によっては人のケガにつながることもある。

こうした転倒防止対策といえば、家具類で多く見られる突っ張り棒、チェーン、L型金具などによる固定だ。ただし、家具類とパソコン関連機器では大きさや形状に違いがあり、そうした道具が使えないこともある。その場合にはパソコン用対策ツールとして「耐震マット」や「ストッパ」がある。

耐震マットはジェル状の柔らかい素材でできており、機器本体の底に貼り付けて揺れを吸収・相殺し、転倒しにくくするものである。材質はウレタン樹脂、イソブチレン樹脂などで、イソブチレン樹脂は耐震ダンパーなどの建築材料などにも採用されており、パソコンに多く使われるABS、PS樹脂との相性も良く、脱着時に機器を痛めない。工具がなくても簡単に設置できる点、いったん固定しても再びはがすことができる点、また水洗いで粘着力が戻るため繰り返し使える点などが便利だ。

ストッパは、液晶モニタのように接地面が小さい機器を、フックのような形で固定するツールだ。本体や床に付けるフック固定部分と、それをつなぐフック部分が取り外せるので、一度設置した後に移動をするのも比較的容易だ。耐震マットとは違い、完全に固定するタイプなので、棚など高い場所へ設置した場合にも落下防止として有効に働くだろう。

ジェルマットとストッパ
【左】50mm角の耐震ジェルマット(バッファロー提供)・【右】フックタイプのストッパ(リンテック21提供)


電子機器のパソコンは電撃にも弱い
雷サージ対策済みのタップを導入

地震といえば、次は雷だ。日本では1年間に50万回程度の落雷があるといわれている。これを365日で割ると1日あたり1370回という数字になり、47都道府県に分けても1日あたり30回の落雷が発生していることになる。実際は7〜9月の夏場に発生が集中しているが、そのほかの季節でも落雷は常に発生している。雷の電圧は約1億ボルトあり、家庭で使う100ボルト電源の100万倍にもなる。一度の落雷によってこれだけの膨大なエネルギーが放出されるため、パソコンに与える影響は大きい。

落雷とはいえ、屋内にいる限りは避雷針などで守られるため直接の被害は発生しないだろう。雷で問題になるのは、間接的な被害だ。建物や木などへ落雷することによって、その周りに強い電磁界が生じ、この電磁界に通信線や電力線があると誘導雷が発生する。この誘導雷によって生じる過電圧や過電流のことを「雷サージ」と呼び、この異常電気である雷サージが通信線や電力線を伝わってくることが問題になる。

具体的な進入口は、ADSLやCATVなどの通信線、コンセント、アンテナ、アースなどが考えられる。また、雷が落ちているのが遠くだからといって安心はできない。パソコンは身近なものになったとはいえ、本来は精密な電子機器であり、通常とは異なる電圧・電流の環境では故障が発生しやすい。雷の音が聞こえたら「パソコンの電源を落とす」そして「パソコンの各種ケーブルを本体から抜く」これが雷の被害を防ぐ最良の方法だ。

電源を落とすのは、稼働中に雷サージを受けてしまうと、機器的な故障も心配だが、作業中や保存済みのデータが壊れてしまうことがあるからだ。また各種のケーブルまで抜くのは、雷サージは電気そのものなので、パソコンの起動や終了の状態に関わらず電気を伝えるケーブル(電源ケーブル、通信ケーブルなど)という進入路があれば影響を与えるからだ。もちろん、パソコンだけではなく、ストレージやプリンタ、モニタなども同様の対応をしたほうが良い。

しかし、留守のときなどはこうした対応ができない場合も出てくる。その対策ツールとして、雷サージの過電圧を吸収する「雷ガード」が付いた専用タップが発売されている。仕組みとしては、過電圧が発生した時にその過電圧を吸収し、器具側へは制限された低い電圧(制限電圧)のみを供給する。一般の家電量販店やパソコンショップでも「雷ガードタップ」などとして売られており、5〜7口のタップでも3,000〜4,000円程度なので、雷対策にはぜひ用意しておきたい。

さらに高性能のタップも発売されている。これは雷サージをカットするだけでなく、大気中から伝わる雷の電流(侵入雷)をアースに逃がす機能が付いており、雷の被害をより確実に減らすことができる。また、電源だけでなく電話線にも対応したモデルもあるので、雷の多い地域ではこの高性能タイプも有効だろう。

雷ガードタップ
雷ガードを装備したパソコン電源タップ(エレコム提供)


なお、雷サージの影響を受けるのはパソコンだけではなく家電一般もそうである。テレビや冷蔵庫、DVDプレーヤーなど電化された製品はすべて故障する危険性がある。また落雷による停電も大きな問題であり、対策としてUPS(無停電装置)を利用することができるが、これは費用が大きくなるため重要な一部機器にのみ導入を考えた方がいいだろう。

前触れなく起こる突然の自然災害
もし被害に遭ってしまったなら…

残念ながら、対策及ばず地震や雷、その他にも台風や大雨などでパソコンが壊れたときにはどうすればよいのだろうか?

大地震などの大規模な災害では「災害救助法」が被災した地域に適応される。災害救助法とは、国が地方公共団体、日本赤十字社、その他の団体および国民の協力の下に、応急的に必要な救助を行い、災害にあった人々の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とした法律だ。パソコンの被害についても災害救助法と関わりがある。大手のパソコンメーカーでは、災害救助法が適応された地域に修理費を援助するという対応策を用意している。例えば、岩手・宮城内陸地震では、富士通やNECが修理費用を3割引にしており、デルも修理の作業費用を無料にしている(保守部品代は別途発生)などの対応を出している。

こうしたパソコンの被害で最も心配なのが、何よりデータの消失に違いない。パソコンメーカーでは出荷時にハードディスクドライブ(HDD)の動作保障は行うが、その後のデータ復旧までは行っていない。データを復旧させたい場合には、復旧専用ソフトを使用して失ったデータを復活させるか、もしくは専門の業者に頼むことになる。データだけではなく、HDDそのものが物理的に破壊されているケースでも復旧は不可能ではないが、損耗が大きいほど、またHDD容量が大きいほど作業は困難になり、その費用も数万円、数十万円以上になる。

自然災害は予知も難しく、突然やってくる。このような被害に遭ったとしても最小限に留められるよう対策を施し、同時に普段からバックアップを取るようにもしたい。インターネット経由でデータを保存できるオンラインストレージサービスはディザスタリカバリの観点からもお勧めできる。もちろん外付けタイプのバックアップストレージも活用できるが、これにも地震や雷などへの対策を忘れないようにしておこう。

(掲載:2008年10月)

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