2012年 5月 1日公開

仕事効率を上げるパソコン手帖

【アーカイブ記事】以下の内容は公開日時点のものです。
最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

そろそろデビュー? 最新タブレット端末徹底解剖!

テキスト/松野孝司

2011年は「iPadに追いつけ、追い越せ」とばかりにAndroidタブレット端末が続々と登場し盛り上がりをみせたタブレット端末市場。2012年に入り新型iPadが発売されたことにより、そのブームにさらに拍車がかかるのは間違いないだろう。しかし、これだけタブレット端末が増えると、どれを選んでいいのか悩んでいる人も多いのでは。そこで今回は代表的なタブレット端末を比較検討してみた。

「iPad」だけがタブレット端末ではない

iPadはiPhoneと同じようにOS はiOSが採用されている。

Android端末のOSはもちろんAndroidだ。写真は富士通の「ARROWS Tab LTE F-01D」。

最新タブレット端末比較表

タブレット端末をそのOSで分類すると「iPad」と「Android端末」の2種類があり、前者はアップル社の「iOS」、後者はグーグル社の「Android」を使用している。「iPad」はアップル社が開発から販売まですべてに関わっており、ほかのメーカーが参入することはない。一方、「Android端末」は、世界各国のメーカーが製品の開発・販売をしている。これはグーグル社が OSを無償で提供しているからで、マイクロソフト社のWindowsというOSをもとに世界各国のパソコンメーカーがWindowsパソコンを開発・販売しているのと同じだ。つまり、「iPad」と「Android端末」の戦いは、パソコンでいうところのアップル社とマイクロソフト社の戦いに近いと思えばよい。

現状では、開発・販売とも「iPad」(アップル社)が先行しているため、一日の長があるのは否めない。ただ、「Android端末」の販売を検討しているメーカーが多いため、長期的に見ると今後は「Android端末」の方が優位という声もある。しかし、アプリと呼ばれるソフト面では量・質とも「iPad」の方が上回っている。いくら良い製品でも、使えるソフトが少なければ意味がない。これはかつて家庭用ゲーム機器のシェア争いの際にもよくいわれた言葉だが、タブレット端末にもそれが当てはまるかは、もう少し様子を見る必要がありそうだ。

目次へ戻る

3G+ Wi-FiモデルかWi-Fiモデルか?

OSは別にしてタブレット端末を選ぶ基準として、真っ先に検討すべきなのは通信機能をどうするかということだ。タブレット端末には3G(一部4G)+ Wi-Fiモデル、Wi-Fiモデルの2種類がある。3G+ Wi-Fiモデルなら、いつでもどこでもインターネットにつなぐことができる。しかし、そのためには各キャリアにデータ通信料を支払わねばならない。一方、Wi-Fiモデルの場合、アクセスポイントのある場所でしかネット接続できないが、月々に支払う費用は発生しない。とはいえ自宅に無線LANないしはWi-Fi環境があれば自宅でもインターネット接続できるし、最近は無料のWi-Fiスポットが増えているので、頻繁にネットに接続しなければ、Wi-Fiモデルで十分ともいえる。

具体的に料金を見てみると、「SONY Tablet S 16GB」の場合、3G+ Wi-Fiモデルの場合、端末購入時にNTTドコモの24回払い「月々サポート」を適用すると、月額210円となり、24回払いで5040円。また月額のデータ通信料は、新規契約かつ2年しばりの「定額データスタンダード割2」と「定額データプラン フラット バリュー」を組み合わせれば月々5460円となる。

一方、Wi-Fiモデルの場合、市場価格では3万6000円~4万5000円だが、キャリアとの契約は必要ないので月々の維持費は0円となる。つまり、キャリアを通じて購入する場合、本体そのものは安く購入できるように見えても、2年間の契約料金を考えると割高になることもある。従ってタブレット端末の代金+通信費が合計いくらになるのかをよく検討した方がいいだろう。

SONY Tablet S 16GBには3G+ Wi-FiモデルとWi-Fiモデルがある。

SONY Tablet S 16GB 料金

目次へ戻る

画像解像度が4倍になった「新型iPad」

新型iPadはiPad2と比較すると解像度が4倍になった。

次のポイントはディスプレイのサイズだ。画面が大きいと、文字や写真、映像などが見やすい半面、大きくて重いので持ち運びにくくなる。画面の大きさと携帯性は二律背反するだけに自分の好みや使う用途次第といえる。大きさだけではなく解像度にも注意を払ってほしい。解像度が高い方が精細な表示が可能になる。今回取上げたタブレット端末の多くは1280×800ドットとかなり精度が高くなっている。なかでも驚きなのは、先日発売されたばかりの「新型iPad」だ。2048×1536ドットとiPad2と比較すると解像度が4倍になった。パソコンのモニタを例にとれば、27型で2560×1440ドット程度なので、そのクオリティの高さがうかがえる。

また液晶の明るさ、コントラスト、発色の良さなども実際に自分の目で確認したい。タブレット端末はベッドやソファーなど、いろいろな場所で使えるのがウリだ。それゆえに正面からだけではなく、斜めから見ても色が変化せずに見やすいかどうかも確かめることをオススメする。

目次へ戻る

個性的なタブレット端末が続々誕生している

「Xi」に対応しているサムスン電子の「GALAXY Tab10.1LTE SC-01D」。

「AQUOS」と連携できるシャープの「GALAPAGOS A01SH」。

スマートフォン以上に多くのメーカーが参入しているタブレット端末。それだけに個性的な機器が多い。例えば「GALAXY Tab 10.1LTE SC-01D」は、スマートフォンでもGALAXYブランドで展開しているサムスン電子の製品だ。同機の魅力はNTTドコモのLTE通信サービス「Xi(クロッシィ)」に対応していること。外出先でもWi-Fi並みの高速通信を利用でき、ウェブ閲覧はもちろん、動画などの大容量コンテンツの閲覧もすばやく快適に行える。また、テザリング機能により、端末をWi-Fiルーター化してパソコンで高速通信を利用することも可能だ。

また、「GALAPAGOS A01SH」(シャープ)は7インチの画面ながら、同社の「AQUOS」と接続すれば、同機に保存した写真や動画などをテレビで楽しめるなど独自の機能が搭載されている。さらに新聞・雑誌からコミック・書籍まで取りそろえた電子ブックストアサービス「TSUTAYA GALAPAGOS」が利用できるほか、メール添付書類をその場で修正できる「Documents To Go 完全版」など、趣味や仕事に活用できる便利なアプリが搭載されているのも特長だ。

タブレットペンで手書き入力ができる「ThinkPad Tablet」。

着脱式のキーボードが付属された「Eee PAD TF201」。

携帯性の高さがウリのタブレット端末だけに持ちやすさも選択のポイントになる。その点では「ThinkPad Tablet」(レノボ)はボディにすべりにくいマット素材が採用されており、片手でも持ちやすい。さらに手書き入力機能があるタブレットペンが利用でき、会議の議事録やメモをとるときも便利だ。
もっとビジネスに利用したいなら、「Eee PAD TF201」(アスース)がオススメだ。付属のモバイルキーボードドックを接続すると、ノートパソコンのように使うことができるので、文字入力が断然ラクになる。またOSは、Android 3.2.1だが、3月21日付けでAndroid4.0へのアップデートが開始されているのも魅力だ。

以上のように国内、国外を問わず数多くのメーカーが多種多様なタブレット端末を発売している。そろそろタブレットデビューを考えている方は、自分の目的や用途に応じて最適な端末を選ぼう。

目次へ戻る