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Wi-Fi、3G/4G、LTE、WiMAX…無線ネットワークを理解する

最近ではスマートフォンやノートパソコンなどで、LANケーブルを接続せず、無線でネットに接続することが増えてきた。しかし「なんとなく使っているけど、Wi-Fiとか3Gとか4Gなどといわれてもなんのことだか分からない」という人も多いのではないだろうか。一口に「無線でネットに接続する」といってもその接続方式はいろいろある。今回はそんな人のために、さまざまな無線ネットワークの方式について解説する。

無線ネットワークは大きく分けて2種類

かつては「ネットに接続する」といえば、パソコンとインターネットモデムを有線のLANケーブルでつなげて行うのが普通だった。しかしノートパソコンやスマートフォンなど、携帯して使う機器の普及に伴い、「ケーブルなしでネットにつなぎたい」という需要が増えてきた。

無線接続は大きく分けて二つに分けられる。一つが「無線LAN(Wi-Fi)」、もう一つが3Gや4Gなどの「移動体用の無線システム」だ。どちらも「LANケーブルを電波で置き換えるためのもの」だが、電話に例えていえば、無線LANが自宅の固定電話のコードレス電話、3Gや4Gなどが携帯電話のようなものだと思えばいい。双方の違いは以下の表のようになっている。

  無線LAN 移動体用通信システム
通信距離 狭い 広い
速度と安定性 範囲内であれば高速で安定性も高い 場所や電波状況によってまちまち
インターネット接続の設定 親機側の設定が必要 ユーザーは気にしなくてよい
ファイル・プリンタの共有 可能 不可
料金 自宅内などであれば無料 通常は有料

自宅の固定電話のコードレス電話は、自宅内ならハッキリした音声で通話できる。しかし家の外に持ち出すと利用できない。同じように無線LANも、広い範囲では利用できないが、範囲内であれば安定して高速な通信が行える。また無線LANはファイルやプリンタの共有にも使える。

3Gや4Gなどの移動体通信用の無線接続は、携帯電話で例えられる。コードレス電話と違って外出先などでも利用可能だが、場所によっては電波の入りが悪く、つながらなかったり速度が低下したりする。またファイルやプリンタの共有といった目的に利用することはできない。

それでは次に無線LANと移動体通信システムについて詳しく解説していく。なお以下の解説で「54Mbps」などといった表記が出てくるが、「bps」は通信速度の単位だ。とりあえず「数値が大きければ大きいほど速い」と考えればいい。

<3G・4G・LTEとWi-Fiの違い>

3G・4G・LTEとWi-Fiの違い

無線LAN(Wi-Fi)は規格を理解して利用しよう

まず「無線LAN」と「Wi-Fi」の違いから解説しよう。これは基本的には同じ意味だと思っていい。厳密には「無線LANの中で認証を受けたもの」がWi-Fiなのだが、やれることは一緒だ。

無線LANとは、そもそもLANを無線で実現するためのものだ。LANとは「Local Area Network」の略。ローカル、つまり自宅や会社などの比較的狭い範囲で、端末同士(パソコンなど)を接続するためのネットワークだ。

現在、無線LANで一般的に使われているのは以下の規格のものだ。無線LANで通信を行う場合は、通信を行う機器同士で同じ規格の無線LANを使っている必要がある。このほかに最近では「IEEE 802.11ac」という規格も出てきているが、サポート製品はまだ少ない。

規格名 電波の周波数 速度 普及度
IEEE 802.11b 2.4GHz 11Mbps
IEEE 802.11g 2.4GHz 54Mbps
IEEE 802.11a 5GHz 54Mbps
IEEE 802.11n 2.4GHz/5GHz 600Mpbs

周波数などというと複雑に思えるかもしれないが、要するに
・2.4GHz→普及度が高いが、ほかの電子機器と電波干渉がしやすく、つながりにくい場合がある
・5GHz→対応機器は2.4GHzより少ないが、ほかの電子機器と電波干渉がしづらく、より安定して通信が行える
と覚えればいい。

今最も標準的に利用されているのが「IEEE 802.11g」。それよりは普及度は低いが、障害物があっても安定して利用できるのが「IEEE 802.11a」。2.4GHzと5GHzの両方を利用でき、複数本のアンテナを使うことでより高速な通信をしようというのが「IEEE 802.11n」だ。

これは無線LANルーターの設定画面だが、親機と、接続するパソコン・スマートフォン側で使用する同一の無線規格を利用できるようにしておく必要があるこれは無線LANルーターの設定画面だが、親機と、接続するパソコン・スマートフォン側で使用する同一の無線規格を利用できるようにしておく必要がある

無線LANで通信を行うには、通常は無線LANルーターが必要となる。写真はバッファローの「WZR-1750DHP」。最新の通信規格であるIEEE 802.11acもサポートした製品だ無線LANで通信を行うには、通常は無線LANルーターが必要となる。写真はバッファローの「WZR-1750DHP」。最新の通信規格であるIEEE 802.11acもサポートした製品だ

移動体通信システムは3GとLTE(4G)が主流

最近、よく聞かれるようになった「3G」「4G」「LTE」といった規格は、携帯電話やタブレットなどの携帯して利用する端末で、インターネットを通じたデータ通信を行えるようにするための無線通信だ。

移動体用の通信システムにはいくつもの種類、名称があるので理解するのが難しくなっている。しかし実はさほど難しい話ではない。要するに「3Gと4G(LTE)の2種類があって、会社によってサービス名が違うだけ」と考えればいい。

移動体用の通信規格には何世代かあり、1G、2G、3G、4G…と登場してきている。この「G」は「Generation=世代」の略で、3Gなら「第3世代移動通信システム」、4Gなら「第4世代通信システム」となる。つまり4Gは、「3Gをより高速にしたもの」と考えればいい。

ここでちょっとややこしいのが「LTE」だ。本来「LTE」は、「3Gと4Gの間をつなぐためのもの」ということで「3.9G」などと呼ばれていた。しかし最近ではLTEやWiMAXも4Gの一種に含められるようになったため、各社が「4G」と称してサービスを提供している。各社が提供している3Gと4Gのサービスは、以下のようなものがある。

  3G 4G(LTE)、WiMAX
ドコモ FOMA(フォーマ) Xi(クロッシィ)
KDDI CDMA 1X WIN 4G LTE
ソフトバンク Softbank 3G Softbank 4G LTE(iPhone 5)
Softbank 4G(Android)
WiMAX UQコミュニケーションズなど
1G 第1世代 2G 第2世代 3G 第3世代 4G 第4世代
音声をアナログ電波で送信する規格。ノイズが乗りやすく、盗聴されやすい課題も。 デジタル方式で、メールやネットに対応。(例)NTTドコモ「mova」(ムーバ) 速度は数Mbps〜14Mbps程度まで高速化。(例)NTTドコモ「FOMA」(フォーマ) 100Mbpsクラスの高速通信を目指して開発された、次世代のモバイル通信規格。

また、CMなどでよく聞く「プラチナバンド」は、900MHz帯の周波数帯域のこと。ドコモ、auは従来からこの帯域の周波数を利用していたが、ソフトバンクモバイルも2012年7月からサービスを開始した。

無線LAN対応機器で3G/4Gでの通信ができるモバイルルーター

最近の通信用語で「モバイルルーター」という言葉もよく聞く。これは無線LAN機能しか持たない端末(ノートパソコンや携帯ゲーム機など)から、外出先でインターネットを利用するためのものだ。

モバイルルーターはいってみれば、通話機能を持たないデータ通信専用の携帯電話のようなものだ。まずモバイルルーターを使って、3G/4Gなどの移動体通信でインターネットに接続する。そしてこのモバイルルーターに、無線LANでノートパソコンなどを接続してインターネットを利用できるようにする。

こうすることで外出先でも、無線LAN対応機器でインターネットに接続できるようになるわけだ。また「テザリング」という言葉もよく聞くが、これはスマートフォンをモバイルルーターとして利用できるようにする仕組みのことである。

モバイルルーターは、外出先などで無線LAN機器をインターネットに接続するための機器。写真は日本通信のLTE対応モバイルルーター「b-mobile4G WiFi3」。モバイルルーターは、外出先などで無線LAN機器をインターネットに接続するための機器。写真は日本通信のLTE対応モバイルルーター「b-mobile4G WiFi3」

「テザリング」で無線LAN機器とスマートフォンを接続することで、スマートフォンをモバイルルーターとして利用できるようになる「テザリング」で無線LAN機器とスマートフォンを接続することで、スマートフォンをモバイルルーターとして利用できるようになる

ここまで最近の無線通信の技術を見てきた。細かな用語が多いため、ちょっと難しく思えたかもしれないが、「いつでもどこでもネットを使いたい」というユーザーは多く、今後もどんどん無線での通信は一般的になっていくだろう。例えば「テザリング」など、「知っていると便利」「知らないと損をする」便利な技術・サービスは、今後もどんどん増えていくはずだ。どのサービスが自分に必要なのか、より快適なネットワーク生活を送るために、情報をチェックしていってはどうだろう。

テキスト/芝田隆広

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