2016年 2月 1日公開

仕事効率を上げるパソコン手帖

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押さえておきたい! スマートフォンの最新基礎用語

テキスト: 芝田隆広

スマートフォンの世界は日進月歩であり、しばらく見ていないと機種や通信プランなどがガラッと様変わりしてしまう。新機種を買おうとしてカタログなどを見てみたら、聞いたこともない言葉だらけでわけが分からなくなってしまった……などという人も多いだろう。そこで今回は、最新のスマートフォン用語の中で「これだけは知っておきたい」というものをピックアップして解説していく。

通信編

スマートフォンは、従来の電話と違って通話だけでなく、アプリを使ってさまざまなことが行えるのが特徴だ。その際に欠かせないのがインターネットを使った通信。そこでまずは通信関連でよく聞く基礎用語を解説していこう。

SIMカード、SIMロック、SIMフリー

スマートフォンなどの端末で電話やネット通信をするときに必要なカード。スマートフォンなどの内蔵スロットに挿入して使用する。1枚ごとに固有のIDが割り振られており、電話番号もこの固有IDに結び付けられている。例えばNTTドコモの回線を利用するためには、回線使用契約を結んだユーザーIDが記録されたSIMカードが必要となる。
従来は「A社の販売する機種では、A社が発行するSIMカードしか使えない」という縛りがあった。これを「SIMロック」という。しかし2015年5月から総務省によってSIMロックの解除が義務化された。SIMロックの掛かっていない端末のことを「SIMフリー」といい、ユーザーはスマートフォン販売会社以外の業者が提供するSIMカードおよび回線を利用できるようになった。
「格安スマートフォン」は、安価なスマートフォンと、安価な通信プランのSIMカードを組み合わせることによって、スマートフォンの購入・利用料金を大幅に安くしたもので近年大きな話題となっている。

SIMカードの画像

SIMカードとは電話やネット通信をするために必要なカード。写真は通常サイズのSIMカードで、このほかサイズの小さいマイクロSIM、ナノSIMもある。

MVNO

上記の「SIMカード」と絡んで注目されるようになった。「Mobile Virtual Network Operator」(仮想移動体通信事業者)の略。アンテナや基地局などの無線通信インフラを自社では持たず、他の通信業者の回線を間借りして、通信サービスを提供する業者のことだ。
MVNO各社は、自前で回線は持たない分、きめ細かく工夫することでさまざまな通信プランを提供している。「通話がメインでネットはあまり使わないユーザー向け」「高速通信の利用可能データ量を制限する代わりに値段を下げたプラン」といった具合にさまざまなプランを用意し、そのプランが利用できるSIMカードを販売している。近年ではイオンなどの大手小売店なども格安のSIMカードを販売するようになっており、格安スマートフォンブームの原動力となった。

MVNOの図解

MVNOは、ドコモやauなどの大手通信業者からインフラを借り受けることで、インターネット接続サービスを提供している。

3G/4G/LTE/WiMAX/PREMIUM 4G

スマートフォンなどの携帯端末でネットを利用するための無線回線。詳しくは2013年8月「Wi-Fi、3G/4G、LTE、WiMAX…無線ネットワークを理解する」の回で解説しているのでそちらを参照してもらいたい。また800MHz、1.5GHz、2GHzの周波数を同時利用することで、最大300Mbpsの高速通信を実現する「PREMIUM 4G」といったサービスも出てきている。

参照:2013年8月「Wi-Fi、3G/4G、LTE、WiMAX…無線ネットワークを理解する」 https://mypage.otsuka-shokai.co.jp/contents/business-oyakudachi/pc-techo/2013/201308_2.html

VoLTE

「Voice over LTE」の略で、高速通信サービスの「LTE」を使った音声通話サービス。従来の音声通話よりも、音がこもらず、クリアな音質で通話ができるので聞き取りやすい。VoLTEを利用するには、通話をしている双方がVoLTEに対応している必要がある。なおソフトバンクが提供する「HD Voice」は、LTEの代わりに3G回線を使って高音質通話を行うサービスだ。

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ハードウェア編

スマートフォンはサイズは小さいが、さまざまな部品(ハードウェア)で構成されたれっきとしたコンピューターだ。メーカー各社は各部品の機能を向上させることで、より高性能かつ多機能な製品を世に送り出している。ここではそんな最新のハードウェアの中から注目のものを取り上げてみた。

4Kディスプレイ

ソニーモバイルコミュニケーションズの2015-2016冬春モデル「Xperia Z5 Premium」で初めて採用された高解像度ディスプレイ。3840×2160ドットで、いわゆるフルHD(1920×1080ドット)の4倍もの解像度となっている。高解像度な写真や動画などを、縮小せずに見ることができる。

ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia Z5 Premium」の画像

ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia Z5 Premium」。3840×2160ドットの4Kディスプレイを初めて搭載した。

指紋認証

スマートフォンのユーザーの本人確認をする仕組み。専用のセンサーを用いる。指紋認証はアップルのiPhone 5s以降で採用されているほか、Androidスマートフォンでも多くの機種がサポートするようになった。指紋で本人を確認できるため、触るだけでログインでき、面倒なパスワード入力などが必要ない。

虹彩認証

虹彩認証は、富士通の「arrows NX F-02H」で採用されたもので、赤外線カメラを使って眼球を撮影し虹彩のパターンを識別することで本人確認を行う。スマートフォンを見つめるだけでログインを行うことができ、指紋認証よりもさらに簡単なものとなっている。

クアッドコア/ヘキサコア/オクタコア

スマートフォンに搭載されているCPUの性能を表すもの。CPUとは計算を行うパーツで、コンピューターの頭脳に当たる部分。コアとはCPUの中心部分に当たり、最近のCPUにはこのコアが複数搭載されている。デュアルコアならコアが2個、クアッドは4個、ヘキサは6個、オクタは8個……といった具合だ。
コア数が多ければ多いほど、同時並行して複数の計算を行えるので、一般的に速度は向上する。ただしコアが多くなると発熱がその分増えたり、バッテリーを消費したりすることもある。

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最新技術・動向編

このほかスマートフォンの世界では、さまざまな技術やトレンドが次から次へと登場している。ここではそんな最新動向に関する用語を説明していこう。

ハイレゾ・オーディオ

より高音質な音楽再生を可能にする仕組み。通常の音楽CDに比べ、約6.5倍の情報量を持っている。音楽CDなどでは音をデジタル化して、ディスクに収まる容量にするためにデータを圧縮していた。ハイレゾ・オーディオではデータ容量が大きくなる代わりに、従来の音楽CDやMP3では収録しきれなかった音の情報も保存しているので、より生演奏に近い音を楽しむことができる。2015冬-2016春モデルのスマートフォンでは、対応機種が増えてきている。

Windows 10 mobile

マイクロソフトが提供する、Windows 10のモバイル機器向けエディション。「ユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)」に対応したアプリであれば、パソコンと同じものが利用できるのが利点。従来のスマートフォンはOSとしてAppleのiOS、GoogleのAndroidを搭載したものがほとんどだったが、2015年末からWindows 10 mobileを搭載したスマートフォンが急増している。

マウスコンピューターの「MADOSMA Q501」の画像

写真はマウスコンピューターから発売された「MADOSMA Q501」。Windows 10 mobileを搭載したスマートフォンだ。

マテリアルデザイン、iOSヒューマンインターフェースガイドライン

スマートフォンなどに向けたアプリやWebサイトを構築するときに、「このようなデザインにするのが望ましい」と定めたガイドライン。マテリアルデザインはGoogleが提唱したもので、iOSヒューマンインターフェイスガイドラインはAppleが提唱したもの。スマートフォンは画面が小さいので、パソコン用のアプリやサイトと同じようにデザインしてしまうと、画面が見づらく使いづらくなってしまう。そこでスマートフォン向けにデザインをある程度統一しようという試み。最近はこれらのデザインを採用したサイト、アプリが増えてきている。

スマートフォン用Gmailアプリのダウンロードページ

最近ではさまざまなアプリやWebサイトがマテリアルデザインを採用してきている。画像はスマートフォン用Gmailアプリのダウンロードページ。

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