2016年 8月 1日公開

仕事効率を上げるパソコン手帖

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ビジネスでも使えるよう、スマートフォンを快適に! ストレージ容量節約術

テキスト: 芝田隆広

スマートフォンをビジネスで活用するときの悩みの種が、ストレージ容量不足だ。ストレージ容量が不足すると新しいアプリもインストールできないし、写真や書類を入れておくこともできなくなってしまう。そこで今回は、スマートフォンのストレージ容量を節約して、快適に使えるようにするためのテクニックを紹介する。

容量が足りない! スマートフォンのストレージ不足について

スマートフォンは、たくさんのアプリをインストールし、さまざまなデータを開いたりネットを活用したりできる。いわば「電話機能付きの小型パソコン」と言える。

ビジネスでもさまざまな用途に役立つが、使えば使うほど深刻になってくるのがストレージの容量不足だ。スマートフォンは小型パソコンであるだけに、パソコンにおけるHDDやSSDと同様、アプリやデータを格納するためのストレージが内蔵されている。しかしスマートフォンにどんどんアプリをインストールしたり、写真やオフィスファイルなどをため込んだりしているとと、ストレージの容量が足りなくなってしまうのだ。

ストレージが不足すると新しいアプリをインストールすることができなくなるし、ストレージ容量を必要とするスマートフォンの機能が使えなくなってしまう。これではスマートフォンの用途が制限されてしまい、魅力が半減してしまう。

特に最近人気を集めている格安スマートフォンの場合、ストレージ容量が小さいことも多く、より問題は深刻だ。そこで今回は、スマートフォンのストレージを節約して、空き容量を増やすためのテクニックを紹介していく。

スマートフォンのストレージを節約する際に行うべきことは、要するに「要らないアプリやデータを削除、または別の場所に移動する」ということに集約される。iPhoneとAndroidでやり方が違うのでそれぞれのケースを以下で紹介していく。

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ストレージ残り容量の確認方法

ストレージ容量の節約を考える前に、まずは自分の使っているスマートフォンの空き容量がいくら残っているかを確認しておこう。

<iPhoneの場合>

iOS9では、「設定」内の「一般」から「ストレージとiCloudの使用状況」で、ストレージの空き容量を確認できる。Apple IDを使ってiCloudを使っている場合は、iCloudの残り容量も確認可能だ。

「設定」をタップした画面

iPhoneで空き容量を確認するときは、「設定」をタップする。ここで「一般」を選ぶ。

「一般」の画面

「一般」で「ストレージとiCloudの使用状況」を選択する。

「ストレージとiCloudの使用状況」の画面

「使用可能」の欄に表示されているのがストレージの空き領域だ。

<Androidの場合>

Android 6.0の場合は、「設定」から「ストレージとUSB」で、内部ストレージの空き容量を確認でき、既に使用されている容量と内部ストレージ全体の容量が分かる。内部ストレージの容量が少なくなると、同期などの一部のシステムが利用できなくなってしまうので注意が必要だ。なおAndroidは機種により微妙にメニューの項目などが異なるので、以降の内容については機種に応じて適宜読み換えてほしい。

「設定」画面

Android 6.0でストレージの空き容量を確認したいときは、「設定」を開き、「ストレージとUSB」を選択する。

「内部ストレージ」画面

「ストレージとUSB」の画面で空き容量が確認できる。ここでは「4.08GB」がすでに使用されている容量。「26.11GB」が内部ストレージ全体の容量なので、26.11-4.08=22.03GBが空き容量ということになる。

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ストレージ容量の節約方法 iPhone編

iPhoneの場合、SDカードスロットがないため、内蔵ストレージに入っているデータをSDカードに移すことはできない。

要らないアプリやデータを削除する

あまり使っていない不要なアプリやデータは削除しよう。容量が非常に少ないアプリを削除したところで、空き容量は大して増えない。「設定」内「一般」の「ストレージとiCloudの使用状況」で、「ストレージを管理」を選択すると、アプリごとのストレージ使用状況が分かる。ここで容量が大きく、なおかつ使用頻度の少ないアプリを消していけば効果的だ。

インストール済みアプリの一覧が表示された画面

iPhoneで容量を確認しつつアンインストールを行う場合は、「設定」内「一般」の「ストレージとiCloudの使用状況」で「ストレージを管理」を選択。するとこのようなインストール済みアプリの一覧が表示されるので、不必要と思われるものをタップする。

不必要と思われるものをタップした画面

このような画面が表示されるので「Appを削除」をタップするとアンインストールが行われる。

また、要らない写真などのファイルも消しておこう。ただしiOS8以降の場合、「写真」アプリで写真を削除してもすぐには空き容量が増えない。パソコンで言う「ごみ箱に入れる」状態になり、実際には30日の猶予を持ってから消されることになる。この場合は「写真」アプリの「最近削除した項目」を確認し、削除を実行すれば手動で消去することができる。

「写真」アプリの「アルバム」から「最近削除した項目」を示した画面

「写真」アプリで要らない写真を消去しても30日間は「ごみ箱に入れる」状態と同じになっており、ストレージ容量を占有する。このような場合は「写真」アプリの項目で「アルバム」から「最近削除した項目」を選び、「最近削除した項目」の中から、完全に削除したいものをタップしてから、「削除」ボタンをタップする。このようにすれば完全にファイルが削除される。

「その他」データを減らす

iPhoneをパソコンに接続し、iTunesを起動すると、iPhoneのストレージの空き領域が確認できる。このとき「写真」や「App」と並んで「その他」という項目が表示されている。この中にはiOSが作業用に作成した一時ファイルなどが含まれる。

この「その他」は通常では3~4GB程度だが、使用状況によっては何十GBにもなってしまっている場合がある。これははっきりいって無駄だ。この「その他」を削除する方法がある。それは「一度iPhoneをバックアップして初期化を行った後、復元する」というものだ。いくぶん手間はかかるものの、環境によっては大幅に空き容量を増やすことができる。

「その他」の容量を示した画面

iPhoneをパソコンにつなぎiTunesを起動する。iPhoneの管理画面を表示すると、画面下のバーにストレージの仕様状況が表示される。黄色い部分が「その他」で、カーソルを当てると容量が分かる。「その他」を消すためには、iPhoneのバックアップをとってから初期化し、復元を行う。「バックアップ」の欄で「このコンピュータ」と「iPhoneのバックアップを暗号化」にチェックを入れ、パスワード設定を行うとバックアップが行われる。既に暗号化してバックアップ済みの場合は、「今すぐバックアップ」をクリックする。

「設定」「一般」の「リセット」を示した画面

バックアップが終了したら、iPhoneの「設定」内「一般」で「リセット」を選択する。

「すべてのコンテンツと設定を消去」を示した画面

「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップして、iPhoneをいったん初期化する。中のデータや設定は消えるが、バックアップを復元すれば元に戻せるので心配は要らない。

「このバックアップから復元」を選択した画面

iPhoneの初期化が終わったら、再びiPhoneをパソコンに接続してiTunesを起動する。iPhoneが認識されるとこのような画面になるので、「このバックアップから復元」で先ほど作成したバックアップを選び「続ける」をクリックしてiPhoneを復元する。これで「その他」が削除されて空き容量が増える。

iPhoneに直接差せるUSBメモリー

iPhoneの場合は、SDカードスロットは搭載されていないが、iPhoneのLightningコネクターに差せるUSBメモリーも販売されている。サンワダイレクトで販売されている「Gmobi iStickPro」シリーズは、iOS9にも対応したiPhone/iPad用USBメモリー。容量は8GB、16GB、32GB、64GB、128GBが用意されている。このような製品を利用して、外部ストレージを増設するという手もある。

サンワダイレクト「Gmobi iStickPro」

サンワダイレクト「Gmobi iStickPro」の画像

写真はサンワダイレクトの「Gmobi iStickPro」。iPhonやiPadのLightningコネクターに直接させるUSBメモリーだ。これを使えばiPhone内の余分なデータを手軽に移動して、内部ストレージの空き容量を増やせる。

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ストレージ容量の節約方法 Android編

次に、Androidのケースを見ていこう。Androidスマートフォンの場合は、microSDカードスロット搭載機種が多いので空き容量の確保もかなり融通が利く。ただし格安スマートフォンなど低価格機だと、ストレージ容量が1GBなどといった、容量の少ない機種もあるのでいろいろと工夫する必要がある。

要らないアプリやデータを削除する

まず真っ先に実行したいのが不要なアプリの削除だ。便利そうだと思って入れてみたが、あまり使っていないというアプリがあったらどんどん削除してしまおう。また写真などのデータで要らないものがあったらこちらも削除しておく。

また常に持ち歩くわけではないデータについては、スマートフォンをパソコンに接続して、パソコンにデータを移動しておくのもいいだろう。

Android 6.0での内部ストレージ内のアプリケーションのアンインストール方法

インストールされているアプリの一覧表示画面

Android 6.0での内部ストレージ内のアプリケーションをアンインストールする場合は、「設定」から「ストレージとUSB」を選択し、「アプリ」をタップ。するとインストールされているアプリの一覧が表示される。容量が大きくて使用頻度も少ないアプリをタップしよう。

アプリの情報表示画面

するとアプリの情報画面が表示される。ここで(i)ボタンをタップする。

アプリの情報表示画面

「アンインストール」をタップするとこのアプリを端末から消去することができる。

microSDカードを活用する

先にも述べたとおり、Androidの場合はmicroSDカードを搭載している機種が多い。内部ストレージにデータをため込まず、microSDカードに移していけば、その分本体内蔵のストレージ容量を確保できる。またアプリの中には、アプリ本体をmicroSDカードに移すことができるものもある。

アプリのキャッシュを削除する

「キャッシュ」とは、使用頻度の高いデータを一時的に蓄積しておくことで、さまざまな動作を高速化する仕組みだ。例えばよく見るWebページ内の画像を、アクセスするたびにいちいちダウンロードして表示するとなると、ダウンロード時間がかかるため表示が遅くなる。キャッシュとして画像ファイルを保存しておけば、ダウンロードの時間を節約して高速な表示が可能となる。

しかしキャッシュファイルを大量にため込むとその分ストレージの容量を圧迫することになる。そこでキャッシュデータの削除を行うことで、一時的にストレージ容量に余裕を持たせることができるのだ。

Android 6.0では、先ほど紹介した「設定」から「ストレージとUSB」内の「アプリ」で、個々のアプリの情報画面で「キャッシュを消去」すると、そのアプリが作成したキャッシュデータを削除できる。また「ストレージとUSB」の画面で「キャッシュデータ」をタップすると、全てのアプリのキャッシュデータを一括消去することも可能だ。

スマートフォンは便利だが、気楽にアプリをインストールし続けていると、容量不足に陥るケースは多い。スマートフォンのパフォーマンスをフルに発揮するためには、要らないアプリなどを適宜整理して十分な空き容量を確保しておきたいところだ。空き時間などを利用して小まめにメンテナンスを行い、ビジネスなどで快適に使える環境を維持していこう。

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