2026年 9月15日公開

トラブル解決! 情シスの現場

IT投資予算を有効活用! 社内の困りごとを解消するオフィスIT機器

著者:水無瀬 あずさ(みなせ あずさ)

半期末や年度末を迎える会社も多い9月は、情シス部門でIT投資予算の使い道をあらためて検討する機会でもあります。本記事では、社内で発生しがちな業務課題を切り口に、現場の困りごとの解消や将来的な生産性向上につながるオフィスIT機器の選び方を解説します。

日ごろから起こりがちな社内の小さなITトラブル

日々の業務では、「システムのちょっとした使いづらさ」や「業務中に発生する小さな待ち時間」が積み重なり、現場のストレスや生産性低下につながることがあります。ここでは、情シス部門に相談が寄せられやすい社内の小さなITトラブルを紹介します。

出社回帰で顕在化するネットワークのもたつき

近年、リモートワーク中心だった勤務体制を見直し、出社頻度を増やす企業が増えています。しかし、オフィスへの人員集中に対してネットワーク環境の見直しが追いついていないケースも少なくありません。

同時接続する端末数の増加によって無線LANによる接続が不安定になったり、オンライン会議やクラウドサービスへのアクセスが集中したりすると、通信速度の低下や接続遅延が発生しやすくなります。その結果「ファイルが開かない」「会議に入れない」「処理に時間がかかる」といった小さな業務停滞が日常的に発生してしまいます。

オンライン会議が増加、音声環境の課題が顕在化

オンライン会議の定着によって、社内では日常的にWeb会議を行うことが当たり前になりました。一方で、専用の会議ブースや防音設備が十分に整っていないオフィスでは、各自のデスクや共有スペースから参加せざるを得ないケースもあるでしょう。

その結果、周囲の会話や電話、キーボード音などが気になって会議に集中しづらくなったり、オンライン会議ツールが不要な音を拾い、会話が遮られたりする場面が発生しがちです。発言の聞き返しや会議の中断が繰り返されると、参加者全員に小さなストレスが蓄積され、コミュニケーションの質や業務効率の低下につながることもあります。

デスク周りがケーブルだらけ、PCポートも不足

社内では、ノートPCに加えて社用スマートフォンやタブレット、外付けモニター、Web会議用デバイスなど、複数の機器を同時に利用する場面が増えています。一方で、デスク環境の整備が追いつかず、ケーブル周りは乱雑に配線された状態になりがちです。

また、近年のノートPCは薄型・軽量化に伴って搭載ポート数が以前よりも減っています。PCを充電しながら外部モニターや周辺機器を接続しただけで、ポートが全て埋まることもあります。

ノートPC化で画面が狭くなり、作業効率が低下

PC更新や働き方の変化に伴い、デスクトップPCからノートPCへ切り替える企業は少なくありません。しかし、画面サイズが小さくなったことで作業しづらさを感じ、「以前よりもPC作業に時間がかかる」「目が疲れやすくなった」といった声が社内から寄せられてはいないでしょうか。

特に、複数の資料を見比べながら入力する場合や、表計算ソフトで多くの列を確認する場合、画面の切り替えやスクロールの回数が増え、作業効率が低下しやすくなります。

共有ストレージの容量が不足し、ローカル保存が増加

業務で動画や画像、提案資料などの大容量データを扱う機会が増えると、社内で利用している共有ストレージやファイルサーバーの容量が不足するケースがあります。容量追加や保存先の見直しにすぐ対応できない場合、一時的に従業員が自分のPCへデータを保存せざるを得ない状況も出てくるでしょう。

しかし、ローカル保存が増えると、最新版のファイルがどこにあるのか分からなくなったり、他のメンバーと共有しづらくなったりする問題が発生します。さらに、PCの故障や紛失によって重要なデータを失うリスクも高まるため、対策が必要です。

少額から導入しやすいオフィス周辺機器【数千円~1万円】

社内で発生する小さな困りごとは、業務環境を快適にする周辺機器を導入することで、早期に改善できる場合があります。

特に9月は半期末にあたるため、IT投資予算の使い道を検討する企業も多い時期です。ここでは、数千円~1万円程度から導入しやすいオフィス周辺機器を紹介します。

マグネット式ケーブルホルダー

使用するデバイスが増えると、デスク周りはケーブルで散らかりやすくなります。そこで検討したいのが、マグネット式ケーブルホルダーです。充電ケーブルやUSBケーブルをまとめて取り付け、デスクの裏側や側面に固定すれば、デスク上をすっきりと整理できます。

USBハブ、ドッキングステーション

USBハブやドッキングステーションを用意しておくと、マウス、キーボード、外部モニター、Webカメラ、ヘッドセットなどをまとめて接続しやすくなり、ポート不足による不便を解消できます。

オフィスの固定席で使う場合は据え置き型のドッキングステーション、外出先やフリーアドレス席で使う場合は小型のUSBハブが適しています。執務スペースだけでなく、会議室にも設置しておけば、参加者が資料共有や画面投影を行う際にもスムーズです。

ワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウス

ワイヤレスキーボードやワイヤレスマウスは、ケーブルなしで扱える入力機器です。デスク上にケーブルが広がらないため、見た目がすっきりし、資料やノートを置くスペースも確保しやすくなります。

キーボードやマウスの位置を自由に調整しやすいため、自分に合った姿勢で作業しやすい点もメリットです。ケーブル同士が絡まったり、移動時に引っかかったりする小さなストレスも軽減できます。

ノイズキャンセリングヘッドセット・イヤホン

オンライン会議やWeb商談が増えると、周囲の話し声やキーボード音、空調音などが気になりやすくなります。こうした音声環境の改善に役立つのが、ノイズキャンセル機能搭載のヘッドセットやイヤホンです。

相手の声を聞き取りやすくする機能に加え、自分の周囲の雑音を相手に届けにくくするマイク側のノイズリダクション機能も確認したいポイントです。聞き返しや認識違いを減らし、会議中のストレス軽減やコミュニケーションの円滑化につながるでしょう。

業務環境の改善に役立つオフィスIT機器【1万円超~10万円】

さらに業務環境を改善したい場合は、ネットワーク機器や表示環境、ファイル共有環境の見直しも選択肢になります。ここでは、1万円超~10万円程度で検討しやすいオフィスIT機器を紹介します。

会議用スピーカーフォン/広角カメラ

会議用スピーカーフォンは、複数人でオンライン会議を行う際に役立つ音声機器です。PC内蔵マイクや一般的なマイクでは、席の位置によって声の大きさに差が出たり、相手側に聞こえにくかったりする場合があります。

しかし会議用スピーカーフォンを設置すれば、参加者全員の声を拾いやすくなり、オンライン参加者にも内容を伝えやすくなります。エコーやハウリングを抑える機能を備えた製品も多く、聞き返しや音声トラブルの軽減にもつながります。

また、操作者個人を映すPC内蔵カメラではなく会議室を広く映せる広角カメラも、会議室の雰囲気や複数人での空気感を伝える効果が増すため、費用対効果の高い投資となります。

メッシュWi-Fiルーター

メッシュWi-Fiルーターは、Wi-Fiネットワークの設定を変更することなく通信可能範囲を広げるためのネットワーク機器です。オフィス内で電波が届きにくい場所がある場合や、席によって通信速度が安定しない場合に役立ちます。

ただし、利用人数や接続端末数が多い場合、通信の安定性や管理性を重視する場合は、法人向けアクセスポイントの増設や上位機種への切り替えも含めて検討しましょう。

モバイルモニター、液晶モニター

モバイルモニターや液晶モニターを追加すれば、ノートPCの小さな画面を拡張でき、画面の切り替えやスクロールの手間を減らせます。

固定席や在宅で使う場合は大きな液晶モニター、フリーアドレス席や外出先では軽量・薄型のモバイルモニターが適しています。用途に合わせて選び、ノートPCの作業環境を快適に整えましょう。

ネットワークHDD(NAS)

ネットワークHDD(NAS)は、ネットワークに接続して利用するタイプのデータ保存機器です。複数のPCやスマートフォンからアクセスできるため、部署内やチーム内でファイルを共有しやすくなります。クラウド型のストレージよりも容量単価が大きく抑えられる魅力もあります。

製品によってはバックアップ機能やアクセス権限の設定にも対応しているため、データ管理の効率化にも役立つでしょう。ただし、NASを導入する場合は、バックアップ先の確保、アクセス権限の設計、保守体制もあわせて確認する必要があります。価格が安くなる分、面倒を見てあげる手間が増える点には気をつけましょう。

まとめ

日々の業務で発生する小さな不便は、周辺機器やネットワーク機器を導入することで解消しやすくなります。IT投資予算の使い道を検討している場合は、今回紹介したオフィスIT機器を参考に、社内環境の改善につながる機器を検討してみましょう。

なお大塚商会では、周辺機器やネットワーク機器の選定・購入に関する相談にも対応しています。自社の課題や利用シーンに合う機器を選びたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

著者紹介:水無瀬 あずさ

現役エンジニア兼フリーランスライター。PHPで社内開発を行う傍ら、各メディアでコンテンツを執筆している。得意ジャンルはIT・転職・教育。生成AI×プログラミングでゲームを開発するための勉強にも励んでいる。(編集:株式会社となりの編プロ、株式会社アークタンジェント)

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