Windows 10との違いを整理。今どきの仕事に合った新機能とは?
Windows 11には、これまでのWindowsにはなかった新しい機能や改善点が数多く盛り込まれています。画面の使いやすさ、情報の見やすさ、音声入力の精度など、日常的な作業に役立つ工夫が随所に加えられています。Windows 10との主な違いを五つの視点で整理し、それぞれの活用場面を確認していきます。
Windows 11で新登場・改善された機能
Windows 11には、Windows 10では未対応だった新機能や、既存機能の進化版が数多く搭載されています。
例えば、作業効率を高めるウィジェット機能や音声入力の精度向上、複数フォルダーのタブ表示など、日常業務に役立つ機能が追加されているのが大きな特徴です。さらに、スマートフォンとの連携強化やセキュリティ機能の充実など、企業にとって重要な改善も盛り込まれています。
Windows 11の代表的な新機能・改善された機能は次の通りです。
ここからは、それぞれの機能について詳しく見ていきましょう。
使いこなすとどんどん便利に!「ウィジェット」
Windows 11から新たに搭載されたウィジェット機能は、天気やニュース、カレンダー、To Doリスト、株価情報など、日々の業務や生活に役立つ情報をひと目で確認できる便利な情報パネルです。画面左下のアイコンやショートカットキー(Windowsキー+W)から簡単に呼び出せ、必要なときにすぐアクセスできます。
ウィジェットは、自分にとって必要な情報だけを表示するようにカスタマイズすることも可能です。例えば業務で使うスケジュール管理やメール通知、移動前の天気チェックなど、自分の使い方に合わせて最適化しておけば、業務の流れがよりスムーズになります。上手に活用して、日々の情報確認を効率化してみましょう。
「音声入力」がさらに使いやすく
Windows 10でも利用できた「音声入力」機能ですが、Windows 11ではさらに高機能に進化しました。
具体的には、音声認識の精度が向上したことに加え、句読点の自動挿入機能が新たに搭載されました。話し言葉をそのまま文章化できるため、手を使わずにスムーズな入力が可能です。
この機能は、タイピングが苦手な方の補助はもちろん、移動中や手が離せない場面でのメモ取り、議事録の下書き作成などにも活用できます。例えば会議中にメモを口頭で記録したり、アイデアを思いついたタイミングで即座に入力したりと、スピーディーな業務遂行をサポートしてくれるでしょう。
また、チャットやメール文面のたたき台を作る際に活用するのも効果的です。正確で自然な音声認識により文章作成の負担が軽減され、より本質的な業務に集中しやすくなります。日常的に使うことで、その利便性を実感できるはずです。
複数のファイルフォルダーが「タブ表示可能」に
Windows 11では、エクスプローラーの大きな進化として、複数のファイルフォルダーを「タブ」で表示・切り替えできる機能が追加されました。従来のように複数のウィンドウを開いて画面を占有する必要がなくなり、一つのウィンドウ内で効率よく作業を進められるのがメリットです。
タブ表示は、例えば「営業資料」「請求書」「顧客リスト」といった異なるフォルダーを同時に確認したい場合や、ファイルを別のフォルダーにコピー・移動するときなどに便利です。ワンクリックでタブを切り替えれば、目的のフォルダーにすぐにアクセスできるため、作業が中断されにくくなります。
また、複数フォルダーを頻繁に扱う業務でも、視認性と操作性の向上により、日々の業務効率が大きく改善されるはずです。小さな変化ですが、実務上ではかなりうれしいアップデートといえるでしょう。
「Androidスマホとの連携」で業務効率アップ
Windows 11では、「Phone Link(旧称:Your Phone)」アプリを活用することで、Androidスマートフォン(以下、スマホ)との連携機能が大幅に強化されました。
スマホに届いたカレンダーなどの通知をパソコン上で確認できるのはもちろん、ショートメッセージ(SMS)の送受信や電話の発着信、写真の閲覧・コピー、さらにはスマホ内のアプリ操作まで、すべてをパソコンから直接行えるようになっています。
例えば、外出先で受けた連絡に対してオフィスのパソコンから即座に返信したり、スマホの着信にパソコンから応答したりといった使い方が可能です。業務中にスマホとパソコンを行き来せずに済むため、集中力を維持したまま効率よく作業を進められます。
加えて、複数のデバイスを一元管理することで、働く環境がよりシームレスになる点も魅力です。テレワークやハイブリッドワークが当たり前になった今、こうした連携機能が業務効率を大きく底上げしてくれるでしょう。
セキュリティがさらに強化、不正アクセスや情報漏えいを防止
Windows 11では、Windows 10と比べてセキュリティ機能が一段と強化されています。特に注目すべきは、パソコン内の大切な情報を守るための仕組みが標準で搭載されている点です。
例えば「TPM」と呼ばれるセキュリティチップは、パスワードや暗号鍵などの機密情報を安全に保管し、外部からの不正アクセスやデータの抜き取りを防止する役割を担います。
また「セキュアブート」は、パソコンの起動前に不正なソフトウェアの動作を検知・ブロックし、マルウェアの侵入を未然に防ぐ仕組みです。
こうした高度なセキュリティ機能は、企業にとって極めて重要な情報資産を守るうえで欠かせない存在となっています。セキュリティ対策を強化したい企業にとって、Windows 11への移行は大きなメリットといえるでしょう。