2025年 1月14日公開

総務・経理・人事コラム

「無意識の思い込み」をなくせば社内環境が良くなるって本当?

著者:金指 歩(かなさし あゆみ)

企業にはさまざまな立場や属性、考え方の社員が在籍しています。多様な人材が気持ち良く過ごせるよう、社内ではすでにさまざまな施策を講じているかもしれません。

しかしそれでも社員同士の関係性が良くならず、ギスギスした雰囲気がまん延しているのであれば、社員それぞれが持つ「無意識の思い込み」に着目してみてはどうでしょうか?

この記事では「無意識の思い込み」の内容や種類、それを知る重要性など、「思わず来たくなる会社」になるためのヒントをお伝えします。

会社を辞めた理由は? 男女とも「職場の人間関係」が上位に

企業にはさまざまな社員が在籍しており、転職してくる人もいれば、残念ながら離職してしまう人もいます。人間関係の問題は、多くの社員にとって働きやすさに影響を与える重要な要因とされています。

離職理由について、厚生労働省の「令和5年 雇用動向調査」によると、以下の通りでした。

<男性>
第一位:定年・契約期間の満了(16.9%)
第二位:職場の人間関係が好ましくなかった(9.1%)

<女性>
第一位:職場の人間関係が好ましくなかった(13.0%)
第二位:労働時間、休日等の労働条件(11.1%)

  • ※「その他の個人的理由」「その他の理由(出向等を含む)」を除く

上記の結果から、職場の人間関係がワーカーにとって重要な要素であると言えます。社内で良好な人間関係を築くこと、そしてそれを築けるように社内環境を改善していくことが大切です。

「無意識の思い込み」が社内環境を悪化させるって本当?

職場の人間関係が悪く、社内環境が良いとは言えないとき、もしかしたら「無意識の思い込み」が悪い方向に働いているかもしれません。この「無意識の思い込み」は「アンコンシャスバイアス(unconscious bias)」とも呼ばれています。

例えば、ピンクの洋服を見たときの「これは女性の洋服だ」という思い込みや、上司から何かを指示されたときに、無条件で「その通りにしよう」と思う傾向は、アンコンシャスバイアスに該当します。

アンコンシャスバイアスはどのような人にも存在していて、その思い込みに気づかずに社内でコミュニケーションを取っている場合があります。もしも無意識のうちに業務上の出来事や他者の意見などを自分なりに解釈し、実際の事実とは違った捉え方をしていると、不用意に社内のメンバーを傷つけてしまい、人間関係を悪化させてしまうかもしれません。

職場で発生しがちなアンコンシャスバイアスの例

このアンコンシャスバイアスにはさまざまな種類があります。代表的なものを紹介しましょう。