経理部門で「人材の確保」が課題になっている理由
2025年に大手監査法人グループが日本企業の経理・財務・税務部門の約1,000人に調査したところ、経理・財務・税務部門の約3割が、人材育成・人材確保に強い課題感を持っていることが分かりました。経理部門の人材不足は自社に限った話ではなく、同じ悩みを抱えている企業が意外と多いことが分かります。
ではなぜ、経理部門での人材不足が加速しているのでしょうか。主な理由は以下の三つです。
経理業務は専門性が高いから
経理業務は、基本となる簿記の知識だけでなく、最新の税法や会社法、会計基準などの理解が求められる専門性の高い仕事です。そのため、企業側はどうしても「即戦力となる実務経験者」を求める傾向にあります。
しかし、市場価値の高い熟練した経理経験者ほど、より給与水準が高く、福利厚生や労働環境が整った大企業や好条件の求人に流れやすくなります。よって、資本力や採用力で劣りがちな中堅・中小企業は、良質な人材を確保しにくいのが現状です。
インボイス制度や電帳法対応で増えた業務が定常化しているから
近年、経理部門を大きく揺るがしたのが「インボイス制度」と「電子帳簿保存法(電帳法)」への対応です。
制度開始前後の多忙な時期は既に乗り越えました。しかし、登録番号の照合や税率ごとの仕訳チェック、電子データの保存・管理といった、新たに発生した業務が定常業務となり、経理部門は慢性的に忙しい状態に陥っています。これが人材不足の温床となっているのです。