2024年 1月30日公開

図解で読みとく 中小企業ビジネスナビ

物流事業者以外の多くの企業にも影響が? あなたの企業も無関係ではない「2024年問題」

企画・編集:株式会社アーキテクチャー

近年、社会的に大きな注目を集める「2024年問題」。2019年に施行された働き方改革関連法が、2024年4月から物流・運送業界でも適用され、時間外労働の上限規制による人手不足、運送力不足が懸念されています。2024年問題は物流・運送業界だけの問題ではなく、多くの企業にも影響をもたらすと見込まれています。そこで、本記事では、2024年問題の現状や政府による対策、企業に与える影響などについて解説します。

2030年には輸送能力が3割以上不足する? 影響は業種・業態を問わず幅広い企業に

2024年問題による人手不足の影響は、極めて深刻であると予想されています。経済産業省の資料によれば、トラックドライバーの荷待ち時間削減など、人手不足に関する対策を取らなかった場合、国内の輸送能力は2024年度には14.2%、2030年度には34.1%不足するとされています(2019年度比)。

人手不足対策を行わないと、国内の輸送能力は 2019年度から比較して、2024年度には14.2%、2030年度には34.1%も不足してしまうと予測されています。2024年以降の物流に関する人手不足は非常に深刻な課題です。

輸送の中で最も不足が予想されるのが、荷主別では「農産・水産品出荷団体」、次いで、複数の荷主の商品を1台の車両で運送する「特積み」です。また、地域ごとのバラつきはあるものの、国内のすべての地域で、概ね10~20%程度の輸送能力不足が予想されています。

発荷主別の観点から着目しても、輸送能力は不足すると予測されています。「農産・水産品出荷団体」は32.5%、「特積み」は23.6%で、特に特積みは様々な業種が利用するため、幅広い範囲に影響が出るでしょう。