2024年 5月14日公開

総務・経理・人事コラム

採用・定着率アップに効果的な「ウェルビーイング施策」って?

著者:金指 歩(かなさし あゆみ)

「ウェルビーイング」という言葉をよく聞くようになって久しいですが、実際にその施策が成功している企業はさほど多くないかもしれません。しかしウェルビーイングに積極的に取り組むと、新卒・中途採用や既存メンバーの定着によい効果があります。

そこで今回は、いまさら聞けないウェルビーイングの基本や施策を講じるメリット、比較的取り組みやすい施策について紹介します。

いまさら聞けない「ウェルビーイング」とは

ウェルビーイングとは、その人が身体的・精神的・社会的に良好な状態であるという概念です。例えば、体が健康でも大きな精神的ストレスがかかっている場合や、心身ともに健康でも社会参加する機会を奪われている状況は、ウェルビーイングであるとはいえないでしょう。

この概念が世界的に登場したのは、1942年の世界保健機関(WHO)憲章で「健康とは、身体的、精神的及び社会的に良好(ウェルビーイング)な状態であり、単に疾病又は病弱が存在しないことではない」と言及されたときです。これを機に、欧米を中心にウェルビーイングの概念が発達してきました。そして物質的な豊かさがある程度充実した現代では、その人固有の豊かさや満足度などを測る指標として注目を集めています。

ウェルビーイングには、自分が体験したことをどう捉えているかという「主観的ウェルビーイング」と、自分の状態などをどう評価されているかという「客観的ウェルビーイング」の二つがあります。例えば、日々の生活満足度は主観的ウェルビーイング、GDPなどの経済指標は客観的ウェルビーイングに当たるといえますが、日本人はこの主観的ウェルビーイング(生活満足度)が低い傾向が強くあるようです。

この状況を踏まえ、現在は大手企業を中心に、従業員の満足度を向上させるような取り組みが実施されています。日々の仕事や社内での人との関わりを通して、少しでも従業員のウェルビーイングを高めようとしているのです。仮にウェルビーイングへの意識が低い企業では、従業員が心身ともに疲弊した状態が続くかもしれません。一方、ウェルビーイングへの意識が高い企業では、心身の状態を向上させるような取り組みなど、さまざまな施策が実施されているため、従業員がより意欲的に働くことができるでしょう。

こうした違いから、ウェルビーイングの向上に取り組んでいる企業は、求職者からより魅力的に見えている可能性が高いといえます。

ウェルビーイングが高まると企業にはどんなメリットがある?

企業が従業員のウェルビーイングを高めると、どんなメリットがあるのでしょうか。採用、社内、社外の各局面から見ていくと、以下四つにまとめられそうです。

従業員の採用率や定着率が高まる可能性がある