ワークエンゲージメントと、そのメリットとは
「ワークエンゲージメントが高い」とは、仕事に関連してポジティブな心理状態であることを指します。その構成要素は「活力」「熱意」「没頭」の三つです。具体的には、以下のような状態がそろっているとワークエンゲージメントが高く、業務生産性の向上にも効果があるといわれています。
- 活力:仕事をしていると、活気がみなぎるように感じる、など
- 熱意:自分の仕事に誇りを感じる、など
- 没頭:仕事をしていると、つい夢中になってしまう、など
出典:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析―人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について― ワーク・エンゲイジメントの概念」
(https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-2.pdf)を元に画像作成。
またワークエンゲージメントは、個人の資質や意欲など「個人の資源」と、企業から与えられる目標や役割など「企業の資源」の二つから生み出されるとされています。よって企業は、個人の意欲ややる気などを応援するような取り組みを検討する必要があるでしょう。
ワークエンゲージメントが低下すると、業務効率や就業意欲が下がるなど、個人や企業に悪影響をおよぼす可能性が高まります。一方、ワークエンゲージメントを高めると、次のような数々のメリットがあります。
企業や組織の生産性を向上させる
ワークエンゲージメントが向上すると、従業員一人ひとりが活性化して精力的に仕事をするようになるため、企業や組織全体の生産性が高まる要因となります。その結果、企業成長を後押しすることも十分に考えられます。
商品やサービスの質の向上が期待できる
例えばある百貨店に「活気のある売り場」と「活気のない売り場」があったとき、売り上げが上がりやすいのはおそらく前者でしょう。このように、従業員のワークエンゲージメントが高いと、お客様に提供する商品やサービスの質も高まるといわれています。
従業員の心身の健康維持に効果的
近年は「従業員がうつ病で急に休職してしまった」など、ヘルスケアに課題感を抱える企業が多く見られます。従業員が望む仕事を与え、成果を出せるようにサポートするなどのワークエンゲージメント向上を目的とした施策を行うと、従業員のストレスが軽減され、心身の健康維持に効果的だといわれています。
従業員の離職率低下、定着率の向上が期待できる
従業員が望まない仕事を押しつけられたり、ストレスフルな環境で働かされていたりする場合、いずれ離職する可能性が高まるかもしれません。労働力不足が叫ばれる今、人材は企業の財産ともいえます。従業員が自ら意欲的に働けるような工夫を企業が率先して行うことで、離職率の低下や人材定着率の向上が期待できます。
企業運営にかかるコストやリスクの低減につながる
ワークエンゲージメントが低い職場環境では従業員の流動性が高まりやすく、人材採用にかかるコストや営業の失注リスクなどが増加しがちです。ワークエンゲージメントを高めるような施策を講じることで、こうした無駄なコストやリスクを下げ、企業の財務状況を好転させられる可能性があります。
今から取り組める! ワークエンゲージメントを高める施策
ワークエンゲージメントを高めるための施策のなかには、今からでも簡単に実施できるものがあります。ハードルの低そうな施策から取り入れてみてはいかがでしょうか。