2026年 6月 9日公開

総務・経理・人事コラム

「退職代行からお電話です」人事・総務の正しい対応ガイド

著者:金指 歩(かなさし あゆみ)

近年、話題となっている「退職代行」。ある日突然、退職代行業者から電話が来たら、人事・総務担当者はどう対応すればよいのでしょうか。正しい対応の流れやスマートな対処法、さらなる退職代行の利用者を出さないために取り組みたいことを説明します。

突然「退職代行」から連絡が来たらどう対応する?

メディアやSNSでたびたび目にするようになった「退職代行」。かつては考えられなかった「第三者を介した退職」は、徐々に浸透し、人事・総務担当者が対応する業務の一つになりつつあります。

退職代行からの電話は突然かかってくるため、人事・総務担当者は困惑し、つい感情的な対応をとってしまうかもしれません。しかし退職代行への対応を誤ると、余計な法的トラブルを招いたり、企業の評判を下げたりする恐れがあります。

まずは、退職代行への対応フローを確認しましょう。

1. 連絡内容を整理し、連絡主体を確認する

退職代行から連絡があった際は必ず「相手の社名、担当者名」を正確に把握しましょう。退職代行にはいくつかの種類があり、相手の属性によって交渉の内容が変わるからです。

  • 弁護士:法律上の代理人として、退職の意思表示だけでなく、未払い残業代や退職金の交渉など、あらゆる法的交渉が可能
  • 労働組合:団体交渉権を背景に、退職条件の交渉が可能
  • 民間事業者:本人の意思の「伝達」のみ可能。弁護士資格のない民間事業者が金銭的な交渉(非弁活動)を行うことは法律で禁止

「誰が、どのような権限で連絡してきているのか」を把握することで、以降の連絡経路や対応の「落とし所」が明確になります。

次に、以下の点をヒアリングして記録しましょう。この記録が今後の対応の基本となります。