2024年に入っても注目を浴び続ける生成AIは、パソコンやスマートフォンからの利用にとどまらず、さまざまなモノと連携して日常的に使われるようになる。特に意識することなく、AIが実現する便利なサービスを享受する生活が間もなく始まろうとしている。
2024年2月下旬にスペインのバルセロナで開催されたモバイルの祭典「MWC2024 Barcelona」で発表されたAR機能を備えるメガネ「OPPO Air Glass 3」は、その先駆けとなる製品の1つだ。

中国OPPOが2024年2月にプロトタイプを発表した「OPPO Air Glass 3」
(出所:OPPO)
中国の大手スマートフォンメーカーOPPOがプロトタイプとして発表した同ARメガネは、レンズにガラスではなく樹脂を用いることでわずか50gと軽量化したのが特徴であり、フルカラーのディスプレイも備えている。さらに、同社の大規模言語モデル「AndesGPT」とも連携しており、メガネのツルに触れることでスマートフォン上のアプリの音声アシスタント機能が起動、音声コマンドを通じて生成AI機能を活用したサービスを受けることができる。軽量であることを生かした普段使いのメガネとして、「目的の情報を検索する」「会話を自動翻訳する」といった使い方が期待できる。
ARメガネを開発する中国のスタートアップ企業であるメタバウンズ(Meta-Bounds Inc.)によれば、OPPO Air Glass 3は同社の光学技術を採用しているという。具体的には、樹脂製の光回折導波路や、レンズ・光エンジン・メガネフレーム向けの両眼調整技術を含むニアアイディスプレイ(目の近くに情報を表示するための装置)技術だ。同社の製品責任者であるZhu Li博士(Dr. Zhu Li)に同社が開発する光学技術を含むARメガネの特徴を聞いた(取材は、2024年1月に米ラスベガスで開催されたCES2024)。

メタバウンズの製品責任者を務めるZhu Li博士
――メタバウンズが開発するARメガネの特徴は。