2024年 2月27日公開

社会保険労務士コラム

産後パパ育休に関する制度整備で働きやすい職場づくりを!

著者:有馬 美帆(ありま みほ)

産後パパ育休制度を表で理解

2022年10月に施行された改正育児・介護休業法(以下、「育介法」といいます)では、従来の育児休業制度とは別に、出生時育児休業(産後パパ育休)制度が新設されました。施行から1年経過し、実務における運用の注意点なども明らかになってきています。今回は産後パパ育休についてお伝えします。

男性育休を取り巻く現状は?

今から約10年前、2013年の男性の育児休業(以下、主に「育休」といいます)取得率は、厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると2.0パーセントでした。同調査で女性の育休取得率が83パーセントであったことに比べると、あまりに低い取得率です。そのため、政府は男性の育休取得率向上に取り組んできました。しかし、その後も1パーセント台が続いたことから、育介法を改正し、従来の育休制度に加えて、新たな制度の創設に踏み切りました。それが、2022年10月に施行された「出生時育児休業(産後パパ育休)制度」(育介法第9条の2)です。

制度の詳細は後述しますが、「令和4年度(2022年度)雇用均等基本調査」では、男性育休取得率が前年度比3.16ポイント増の17.13パーセントと、過去最高の数字を記録しています。出生時育児休業(以下、「産後パパ育休」といいます)制度が施行されていない時期を含んでの数字ですから、産後パパ育休制度創設のアナウンス効果も発揮されたものと思われます。2023年度の調査結果はさらなる上昇が期待されるところです。

資料出所:厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」から筆者作成

それでも、政府が従来目標としていた2025年度までに30パーセントの達成という数字にはまだまだ遠いのも事実。この現状を踏まえ、政府は2023年3月に最重要課題として「次元の異なる少子化対策」を掲げ、男性の育休取得率を2025年度までに50パーセント、2030年度に80パーセントまでとする目標を打ち出しました。これにより、今後男性育休に対する社会の関心や、男性育休取得のニーズがさらに高まることは必至です。企業としては、そのトレンドを先回りして、産後パパ育休対応に関する人事労務管理を強化する必要があります。

産後パパ育休とは?

産後パパ育休とは、産後8週間以内に4週間(28日)を限度として2回に分けて取得できる休業のことです。その名の通り、男性の育児休業取得促進のために設けられた、従来の育児休業とは別の制度です。子どもの出生直後は育児休業の取得ニーズが高いのですが、従来の制度では男性の働き方の現状からは、キャリアに影響が出るのではという懸念などから取得しにくい面がありました。そのため、産後パパ育休制度は男性の育児休業促進に向けた制度設計がなされています。まずは産後パパ育休と育児休業制度との比較を、次の表でご確認ください。

産後パパ育休と育児休業制度の比較