2026年 2月24日公開

社会保険労務士コラム

女性活躍推進法と「えるぼし」に関する基礎知識

著者:有馬 美帆(ありま みほ)

女性活躍推進法とはどのような法律か、企業にはどのような対応が求められるのかについて基本から解説します。女性活躍推進への取り組み状況が優良であるという厚生労働大臣の認定制度である「えるぼし」認定を獲得するためのステップについても説明します。

「女性活躍推進法」とは

女性活躍推進法(以下「女活法」)の正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」です。文字通り、女性が職業生活(ワークキャリア)において活躍することを推進するための法律なのですが、具体的にはどのような内容が定められているのでしょうか。

女活法は次のような章で構成されています。

第1章総則
第2章基本方針等
第3章事業主行動計画等
第4章女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置
第5章雑則
第6章罰則

第1章の総則では、第4条に企業等の事業主の責務に関する条文が置かれています。女性活躍推進は、国や地方公共団体の責務であるだけでなく、企業の責務でもあるということです。今回のコラムでは、この「企業の責務」に焦点を当ててお伝えしていきます。

第2章は、女性活躍について政府が基本方針を定め、都道府県や市町村がその基本方針を踏まえた推進計画を策定することが定められています。そして、続く第3章に「事業主行動計画等」として、事業主の責務が記載されています。第4章は、国や地方公共団体による女性活躍のための支援措置を規定したもの、第5章は雑則、第6章は罰則をそれぞれ定めたものですので、女活法に関する企業の対応については、第3章の理解が中心となります。

「一般事業主行動計画」とは?

女活法の第3章は「事業主行動計画等」というタイトルがついています。事業主とは、事業の経営の主体をいいます。法人組織の場合は法人そのもの、個人企業の場合はその企業主です。

女活法では、「事業主」は次のように二つに区別されています。

事業主一般事業主国および地方公共団体以外の事業主(女活法第8条)
特定事業主国および地方公共団体の機関など(女活法第19条)

企業の経営者や人事労務担当者の方々は「一般事業主行動計画」という言葉になじんでいらっしゃるかもしれません。企業は「一般事業主」に該当しますので、女活法の定めに基づいて事業主行動計画を策定する場合は、「一般事業主行動計画」となるのです。

一般事業主行動計画とは、民間企業に対して女性活躍を推進してもらうための計画のことです。自社の状況を正確に把握・分析し、その結果を勘案して策定・届け出・公表するのが、一般事業主行動計画なのです。

この一般事業主行動計画の策定・届け出の義務は、常時雇用する労働者数が101人以上の事業主(企業)に課されています。ここで注意を要するのが「101人」のカウント方法です。「常時雇用する労働者」とは、正社員、パートタイマー、アルバイトといった名称にかかわらず、常態として雇用している全ての労働者をいいます。この定義だけでは「常態」の意味がつかみにくいと思いますので、次の表をご覧ください。

常時雇用する労働者
常態として雇用している全ての労働者(1)期間の定めのない雇用をされている者(正社員等)
(2)過去1年以上引き続き雇用されている者
雇い入れの時から1年以上雇用されると見込まれる者
  • (注)学生アルバイトを除く

(1)期間の定めのない雇用をされている労働者、(2)過去1年以上引き続き雇用されているか、雇い入れの時から1年以上雇用されると見込まれる労働者ならば、「常時雇用する労働者」としてカウントすることになります。総計が101人以上に達していれば、「義務あり」となります。ただし、100人以下の事業主(企業)であっても努力義務はあることにはご注意ください。

一般事業主行動計画策定に関する三つのステップ

一般事業主行動計画とは、女性活躍推進に関して「自社の状況を正確に把握・分析し、その結果を勘案して策定・届け出・公表する」ものだとお伝えしました。この一般事業主行動計画策定に関して女活法が求める三つのステップについて説明します。