2024年 8月27日公開

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中小企業の賃上げの現状。実現した企業ならではの取り組みとは?

企画・編集:株式会社アーキテクチャー

物価高や人手不足といった社会情勢を背景に、賃上げに踏み切る企業が増えています。10%を超える賃上げを公表する大手企業がある一方、中小企業の賃上げはどのような状況にあるのでしょうか。また、賃上げの実現にはどういったアプローチが効果的なのでしょうか。今回は、中小企業の賃上げの現状や取り組み状況について紹介します。

2024年の春闘、33年ぶり過去最高の賃上げに

2024年の春闘では、多くの企業が交渉に応じ、全体の平均で16,469円(5.28%)の賃上げを実施しました。5%以上の賃上げが行われたのは、1991年以来33年ぶりのことです。

日本企業の賃上げ状況は、大企業、中小企業ともに上昇傾向です。大企業は約33年ぶりに約5%上昇し、中小企業は約4.5%という結果になっています。

中小企業の賃上げ対策は「価格転嫁」「経費削減」「収益力向上」の3柱

中小企業の2024年度の賃上げ率は平均4.42%、金額にして1万1,912円でした。これは大手企業より低いものの、4%を超える高水準です。しかし、資力に限りのある中小企業はどのようにして賃上げの原資を確保しているのでしょうか?

中小企業の主な賃上げ対策は、製品やサービスの値上げなどを行う価格転嫁、人件費以外の経費削減、業務効率改善による収益向上の三つです。