2024年11月26日公開

図解で読みとく 中小企業ビジネスナビ

職場に潜むカスタマーハラスメントの実態を見る。数字と事例で読み解く現況と対策

企画・編集:株式会社アーキテクチャー

12月10日は、世界人権宣言の採択を記念した世界人権デーです。基本的人権は常に重要なテーマですが、近年特に注目されているのが「カスタマーハラスメント」という新たな問題です。日本では2022年4月から中小企業にもパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が適用され、従業員の人権保護が進んでいます。今回はカスタマーハラスメントの実態やその影響、対策事例を見ていきます。

世の中に蔓延するさまざまな「ハラスメント」

「ハラスメント」とは、一般的に「人を困らせること」や「いやがらせ」を指します。過去3年間のハラスメントの相談件数を見ると、カスタマーハラスメントは増加傾向にあり、ハラスメント全体の中で3番目に多いハラスメントとなっています。

過去3年間でのハラスメントの相談において、カスタマーハラスメントは、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントに次ぐ第3位に位置しています。

最近、ニュースやSNSで話題となっているカスタマーハラスメントですが、どのような具体的行為を指すのでしょうか? 代表的な事例を見てみましょう。

カスタマーハラスメントとは、顧客が企業に対して過剰な要求や不当な言いがかりなどの悪質なクレームをつけることを指します。実際に従業員が経験したカスタマーハラスメントは、1位が暴言、2位が説教などの権威的な態度、3位が同内容の執拗なクレームとなっています。

被害者の7割以上が「生活に変化があった」と回答

カスタマーハラスメントを受けた人には、どのような影響があるのでしょうか。調査によると、7割以上が「カスタマーハラスメントによって生活に変化があった」と回答しています。

カスタマーハラスメントを受けたことにより、76.4%の人が生活に変化があったと回答しました。出勤が憂鬱になった、寝不足になった、仕事を退職したなど、心身ともに多大な影響を与えていることが分かります。