2016年 2月 1日公開

仕事効率を上げるパソコン手帖

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Windows 10の二つのブラウザー、Microsoft EdgeとInternet Explorerを使いこなす

テキスト: 芝田隆広

Windows 10で大きく変わったこととして、標準のWebブラウザーが従来の「Internet Explorer」から、新たに搭載された「Microsoft Edge」になったことが挙げられる。今回はWindows 10に搭載された二つのWebブラウザーの違いと使い分けについて解説していく。

新ブラウザー「Microsoft Edge」登場! Internet Explorerは補助的ブラウザーに

マイクロソフトの新OS「Windows 10」では、さまざまな新機能や改良が盛り込まれている。その中でも大きなものが、OS標準のWebブラウザーの変更だ。Windows 8.1まではおなじみの「Internet Explorer」(以下IE)が標準だったが、Windows 10では新たに「Microsoft Edge」がOS標準のWebブラウザーとなったのだ。

このように説明すると「IEは消えたのか」と思う人もいるかもしれないが、Windows 10にもIEは搭載されている。スタートメニューから「すべてのアプリ」を選択し、「Windowsアクセサリ」を選択すれば「Internet Explorer」を見つけることができるはずだ。

スタートメニューの 「すべてのアプリ」を示した画像

IEもなくなったわけではない。IEを起動するには、スタートメニューで「すべてのアプリ」を選択する。

「Windowsアクセサリ」の「Internet Explorer」を選択した画面

「Windowsアクセサリ」を開くと「Internet Explorer」があるので、これを選択するとIEが起動する。

このようにWindows 10でもIEはまだ健在ではあるが、既にソフトの開発自体は終了しているので、今後WindowsにおけるWebブラウザーの主流がMicrosoft Edgeに移行していくことは間違いのないところだろう。

なぜWebブラウザーを変更する必要があったのか。最も大きな理由は、最新のWeb技術に対応するためだろう。IEの最初のバージョンが登場したのは1995年で、実に20年も前までさかのぼる。その間にインターネットは劇的に進歩しており、IEもバージョンアップを繰り返してきたが、Windows 10の登場を機に一気に新ブラウザーへ切り替えることで、より軽快かつ快適なWeb閲覧の実現を目指したのだ。

IEのアイコンとMicrosoft Edgeのアイコン

左がIE、右がMicrosoft Edgeのアイコン。パッと見は似たようなデザインだが、中身は全く別物のWebブラウザーだ。

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Microsoft Edgeを使いこなす

それでは新標準となるMicrosoft Edgeはどんなブラウザーなのか見ていこう。まず、ちょっと専門的な話になるが、Webブラウザーには「エンジン」と呼ばれる「Webを表示するためのプログラム」が内蔵されている。IEでは「Trident」というエンジンが使われていたが、Microsoft Edgeでは「Edge」というエンジンが採用された。

といっても、パッと見でどこが変わったのかはなかなか分かりづらいだろうが、一般ユーザーはあまり細かいことは気にする必要はない。要するに「最新の技術が使われたWebページを、より速く、快適に表示できるようにするために、大規模な刷新が必要となった」と考えればいい。

Microsoft EdgeはIEとは完全に別物のWebブラウザーなので、違いは多岐にわたっているが、目立つところでは以下のような新機能が搭載されている。

Webページにメモができる手書き機能

Microsoft Edgeでは、ユーザーがWebページに手書きメモを追加できる機能が搭載された。ニュース記事を読んでいるときに注目ポイントにアンダーラインを引いたりといったメモが簡単に行える。

「Webノートの作成」ボタンを選択した画面

Microsoft Edgeでは、Webページに手書きメモを追加できる「Webノート」機能が搭載された。利用するときはツールバーの「Webノートの作成」ボタンをクリックする。

Webページ上に手書きメモを挿入した例

このようにWebページ上に手書きメモを挿入できる。左上のツールバーで、ペンの色や太さなどを変更することが可能だ。

いらない広告を非表示にできる「読み取りビュー」

インターネットのWebサイトにはさまざまな画像や広告が表示されているものが多い。このようなWebサイトを、すっきりしたシンプルなレイアウトで読みたいという人のために「読み取りビュー」機能が新たに搭載された。広告や不必要な画像などを非表示にすることで、より効率的に情報収集が行えるようになった。利用するときはURL欄の右にある本の形のアイコンをクリックする。

さまざまな拡張機能に対応予定

原稿執筆時点(2015年12月1日)ではまだ対応していないが、Microsoft Edgeは「拡張機能」を導入することで、Webブラウザーを自分の好きなようにカスタマイズしたり、さまざまな機能を追加したりすることが可能になる予定だ。IEでも機能を追加するための拡張機能はフリーソフトなどで存在したが、Microsoft Edgeではより多彩な機能を追加できるようになると思われる。

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どっちを使う? Internet Explorerとの使い分けは?

先に述べたように、Windows 10にはMicrosoft EdgeとIEの二つのWebブラウザーが搭載されている。この二つはどう使い分けたらいいのだろうか。

Windows 10を使うのであれば、基本的にはMicrosoft Edgeを使う方がお勧めだ。今後は最新のWeb技術に対応したWebサイトが増えてくると思われるので、そういったWebサイトを表示するならWebブラウザーも最新のものを使った方が良い。最新のWebブラウザーの方が、アップデートも頻繁なので、セキュリティ面からいっても安心感は高い。

ただしWebサイトによっては、まだまだMicrosoft Edgeに対応していないものも多いのが現状だ。特にシステムが大規模な金融機関などのWebサイトは、新しい環境への対応が不完全で、Microsoft Edgeが推奨されていないケースも多い。このようなサイトでは、まだIEを利用した方がいい。

「Internet Explorerで開く」を選択した画面

まだまだMicrosoft Edge非対応のサイトも多い。このようなWebに行き当たったときは、「…」アイコン(その他の操作)をクリックして「Internet Explorerで開く」を選択すれば、IEでそのWebが表示される。

Microsoft Edge未対応のサイトを頻繁に使うユーザーの場合は、既定のWebブラウザーをIEにしてしまった方が手間が省ける。この場合は、Windows 10のスタートメニューの「設定」から「システム」で「既定のアプリ」をクリックし、「Webブラウザー」の欄で「Internet Explorer」を選択すれば、IEを既定のWebブラウザーに設定できる。

「設定」を選択した画面

Windows 10の既定のブラウザーをIEにしたい場合は、スタートメニューで「設定」を選択する。

「システム」を選択した画面

「設定」ウィンドウが開いたら「システム」をクリックする。

「Internet Explorer」を既定のアプリに設定した画面

「既定のアプリ」をクリックし「Webブラウザー」の欄をクリックする。ここで「アプリを選ぶ」から「Internet Explorer」を選ぶと、IEが既定のアプリとなる。

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