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小切手とは?
現金支払いに代わる安全な支払い手段
多額で大量の現金を持ち運ぶのは大変だし、盗難などの危険がともないます。そこで、「現金の代わり」として、小さな紙一枚で運びやすく、危険に対しても安心な仕組みのある小切手がさまざまな取引で使用されています。
小切手は、振出人、すなわち小切手の作成者が、記載された金額を支払うことを約束した証書です。受取人は小切手を銀行に呈示することにより、現金の支払いが受けられます。
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1) 小切手のルール
ルール1
小切手には、原則として受取人や支払期日の制限はありません。銀行は小切手の持参人に記載された金額を支払います。従って小切手を作成して相手に渡す*(振り出す)時点で、自分の口座に支払い可能な残高があることが必要です。
- * 当座預金については、自ら引き出しを行う場合でも小切手を用います。
ルール2
法律(小切手法)では、記載要件を満たしていれば小切手として有効とされますが、実際には銀行から統一小切手用紙(小切手帳)を購入し、使用します。その前提として、銀行での当座預金口座*の開設が必要です。
- * 銀行との当座勘定取引契約に基づく無利息の預金口座。
ルール3
金額を誤記した場合の訂正は許されません。必ず新しい小切手用紙を使用して、新たに振り出します。
ルール4
当座預金の残高を超えて小切手を振り出すことはできません。しかし、あらかじめ金融機関と当座借越契約を結んでいれば、当座借越限度額までの小切手の振り出しが可能になります。当座預金の残高を超えた支払い分を当座借越といい、金融機関からの借入となります。
ルール5
小切手を振り出した場合の仕訳は、当座預金勘定の減少となります。
!銀行残高調整表で不一致を検証
決算時における当座預金勘定の残高と、実際の当座預金口座の残高は一致しないことが多いものです。小切手を振り出したときに、帳簿では当座預金勘定をマイナスしますが、小切手の受取人がすぐに銀行に呈示しないことがあるためです。その不一致を検証するために銀行残高調整表を作成します。
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2) 小切手の流れ
小切手の流れ
小切手は、振出日当日はもちろん、振出日の翌日から起算して10日目までに支払銀行へ持っていけば(店頭呈示)*、その場で現金化できます。ただし、通常は自分の取引銀行へ持っていき(取立委任)、交換所経由で支払銀行へ支払呈示され、そののち自分の口座へ入金されて資金化します。
- * 支払いのための呈示は、振出日の翌日から起算して10日目までです。(最終日が銀行の休業日にあたった場合には翌営業日まで延長されます。)もしもこの期限を過ぎてしまった場合でも、振出人が銀行に対して支払委託の取消しをしない限り、銀行から振出人に確認のうえ支払ってもらえます。
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3) 小切手の様式
小切手の様式は下のようになっています。
小切手のいろいろ
線引小切手
2本の平行線を引いた小切手で、不正受領の防止を目的としています。平行線のなかには何も記載しないか、「銀行」あるいは「Bank」などと記載します。
小切手は、盗難や紛失の場合でもそれを拾った人などが銀行に持ち込めばすぐに現金にできますが、線引小切手の場合は、受取人の取引銀行を通してのみ払い出すので、盗難などにより不正に現金化しようとしても、だれに支払われたかの追求が容易なため、不正を未然に防止できます。線引きをされていない小切手を受け取った場合は、表面の右側に2本の平行線を引いて、線引小切手にしておけば安心です。
なお、線引小切手の持参人が取引銀行以外で支払いを受けるには、振出人が小切手の裏面に銀行取引印を押印すれば可能となります。
先日付小切手
実際の振出日より先の日付にして振り出した小切手です。互いの信頼に基づいて受取人に了解をとり、振出日を作成時点より先の日付にして、その日付以降に銀行に呈示してもらうことを約束した小切手を振り出すということです。現在は、小切手金額の残高がないけれど、その日には資金の手当てが見込めるといった場合に利用されます。
ただし、振出日前でも持参人が銀行に呈示すれば支払いは実行されます。当然ながら、その時点では口座には資金が足りないので小切手は不渡りになってしまうため、小切手を振り出す側も受け取る側も十分な注意が必要です。
持参人払式小切手と記名式小切手
一般的には受け取った小切手を銀行に持参した人に小切手金額が支払われる「持参人払式小切手」が使われます。しかし、小切手用紙の支払委託文句から「持参人」の文字を2本線で消して訂正印を押し、特定の受取人を書いた小切手(記名式)が使われることもあります。
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手形とは?
手形も小切手と同様に、記載された金額を支払うことを約束した証書です。小切手と違うのは、指定された支払日に支払われることです。
受け取った手形は支払期日にならないと決済できません。資金に余裕があれば期日まで保管しておけばよいのですが、これを第三者への支払いに充てたり、銀行等で換金したりすることができます。前者を「裏書譲渡」、後者を「手形割引」と言います。
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1) 手形のルール
ルール1
手形とは、一定期日に、一定の場所で、記載された金額の支払いを約束する証書です。
ルール2
法律上は、記載要件を満たしていれば手形として有効ですが、実務上は必ず銀行から交付される統一手形用紙を使用します。
ルール3
手形を受け取った場合、手形の取立(支払いを受けること)は取引銀行に依頼することになり、銀行間で決済されることになります。
ルール4
手形は第三者に譲渡することができます。その場合、手形を持っている人(譲渡人)は手形の裏に記名(住所も必要)・押印し、渡したい相手(被裏書人)の正式な会社名等を記入します。これを裏書き(裏書譲渡)と言います。なお、裏書譲渡された手形を「裏書手形」、または「廻り手形」と呼びます。
ルール5
手形は、支払期日になる前でも、金融業者や銀行に買い取ってもらうことで換金できます。これを手形割引と言います。満期日までの利息に相当する額や手数料は差し引かれますが、早めに換金したいときに行われます。
ルール6
振出人が支払期日に手形金額を用意できない場合には、銀行は支払いを行いません。これを手形の不渡りと言い、6カ月以内に2回不渡りを出すと銀行取引停止処分、すなわち事実上の倒産となります。
!手形のジャンプ
手形は支払期日に決済されますが、資金繰りがつかずに決済できない場合、振出人が受取人に対して支払期日を書き換えてほしいと要請することがあります。これを手形のジャンプ要請と言います。
ジャンプは一般に、倒産の前兆として受け取られています。ジャンプ要請があったときは、保証人を付けてもらったり、一部を現金でもらったりするなど、何らかの条件を付けて承諾するのが望ましいと言えます。
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3) 手形の様式
手形の様式は下のようになっています。
手形には収入印紙を貼り、文字か印鑑等で割印(消印)をすることになっています。印紙がない場合でも手形の有効性に問題はありませんが、印紙税法上は、作成者に納税義務があるので、正しい金額の印紙を貼って消印をする
約束手形と為替手形
約束手形は、振出人が、一定の期日に一定の金額を支払うことを約束した手形。一方、為替手形は手形の振出人のほかに引受人(支払人)がいるかたちの手形で、受取人は振出人からではなく引受人から支払いを受けます。為替手形は主として国際取引に使われます。
電子手形の登場
手形には、印紙税の負担、盗難・紛失、偽造のリスク、物理的な手渡しが必要、といったデメリットがある一方、裏書や割引等によって早期に資金化できるメリットがあります。そうしたメリットを活かし、デメリットを解消する新たな制度として「電子手形」が2009年11月からスタートしました。
電子手形を導入するには、説明会に参加し(一部説明書類で代替)、取引金融機関との間で契約書を締結し、利用者情報登録をする必要があります。
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手形・小切手を受け取ったときの注意
手形・小切手を受け取ったら、まず署名が完全であるかを確認してください。
その他、注意するポイントは以下のとおりです。
金額が訂正されていないか
金額の訂正された手形・小切手も法律的には有効ですが、実際には、こうした手形・小切手が呈示されても、銀行は安全性の面から支払わないのが通常です。
振出日の日付が満期日より前になっているか
振出日の日付が満期日の日付よりも後になっていると、法律的にも無効な手形になってしまいます。
受取人名と第一裏書人名が同一か
受取人と第一裏書人が一致していないと、「裏書不備」という理由で、支払いが受けられなくなります。
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