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2016年 7月 1日公開
【連載終了】専門家がアドバイス なるほど!経理・給与
【アーカイブ記事】以下の内容は公開日時点のものです。最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
テキスト: 梅原光彦 イラスト: 今井ヨージ
オフィスや設備・器具、社用車など会社で使用するさまざまなものに修繕はつきもの。会計上は「修繕費」と処理することになりますが、税務上は全ての修繕費が経費になるとは限りません。では、どんな修繕費が経費と認められるのでしょうか。今回は修繕に掛かる費用について税務上のポイントを解説します。
目次
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税務上、全ての修繕費が経費になるとは限りません。税務上の「修繕費」として認められるための条件としては「現状回復」が原則となっています。「修繕費」として経費に計上できる金額は次のように定められています。
固定資産の修理、改修などのために支払った経費のうち、その固定資産の維持管理や原状回復のために要したと認められる部分の金額については「修繕費」として経費とすることができます。
具体的な勘定科目では以下の事例が挙げられます。
パソコンや周辺機器の場合、ディスプレイの破損、プリンターの部品交換などハードの費用だけでなく、パソコンのバックアップ回復などソフトに掛かった費用も該当します。また、椅子やデスクなどが壊れた場合は、金具・パーツの取り替えなどが該当します。
動かなくなったモーターやベルトの取り替えなどが該当します。ただし、取り替え前の部品と同等のもののみで、性能向上部品は除きます。
車検の整備費用、オイル交換、パンク等によるタイヤ交換などの費用が該当します。
災害などで壊れた固定資産の原状を回復するために要した部分については「修繕費」として経費にすることができます。
(注)ただし残額を「資本的支出」として計上しなければなりません。
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税務上、支払時に「修繕費」として経費にできない金額について次のように定められています。
修繕費については、請求書の名目ではなく行われた内容によって実質的に判断しなければなりません。すなわち、受け取った請求書に記載された「修繕」「改良」「改修」などの項目だけを見て直ちに「修繕費」として経費処理することはできないのです。例えば建物の避難階段の取付工事があった場合、請求書の項目に「修繕」や「保守点検」とあったとしても実際に取付工事が行われたのであれば、それは次に紹介する「資本的支出」に当たります。
次のような支出は「修繕費」ではなく、「資本的支出」とみなされます。「資本的支出」とは、使用可能年数の延長・資産価値の増加を伴う支出のこと。この場合、固定資産として計上して毎年減価償却で経費計上しなければなりません。 具体的には以下の事例が挙げられます。
現実には、どの費用を「修繕費」として経費にしていいのか、「資本的支出」として減価償却したらいいのか判断できないケースも出てくることでしょう。そんな場合は次のチャートで判断してください。
<経費にできるかどうか判定チャート>
チャートや上記のケースにも当てはまらない場合には、税理士等の専門家に判断を委ねるとよいでしょう。
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